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香港富華国際集団有限公司主席 / 中国紫檀博物館館長 陳 麗華 博士 |
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発展への起爆剤は「紫檀」、熱い思い断ち切れず 文化・教育事業に心血注ぐ大富豪中国随一の私設博物館築き上げる |
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| 陳 麗華(Chen Lihua) |
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1941年北京生まれ、62歳。家具修理業従事ののち香港に移り、不動産業に手を染める。北京へ「里帰り」した最初の投資プロジェクトが北京長安倶楽部の開発となった。北京市政治協商会議委員、全国政治協商会議委員。
香港富華国際集団有限公司
住所:北京市東長安街10号
電話:010-65229988
Eメール:gmoffice@fuwahgroup.com |
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| 主要業務は不動産開発、観光、商事、電子、紫檀工芸品および飲食業など。中国香港地区、中国本土のほかオーストラリア各国に多くの関連企業を有する。投資総額は35億元余り。中国本土ではメインの北京のほか、大連、青島、深セン、秦皇島に投資する。うち、長安倶楽部や中国紫檀博物館などを含む北京における固定資産投資総額は20億元超、すでにオープン済み、あるいは着工中、また計画中のプロジェクト総面積は100万平方メートルを上回る。未上場。 |
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中国紫檀博物館が北京市東部にオープンしてからまもなく5年となる。館長を務めるのは香港富華国際集団主席・陳麗華博士。昨年「フォーブス」やルパート・フーゲウェルフ氏が発表した中国大陸富豪番付で、推定資産総額48億元として第五位、女性としてはトップにランクインした、大陸一の女性富豪である。
博物館設立に彼女が投じた資金は2億元。不動産、ホテル等各分野での積極果敢な事業展開で成功を収めた彼女の経営理念の底流には、堅牢ながら独特の輝きと芳香を放つ紫檀の存在がいつもあった。
もと清朝貴族の家系に生まれ、民族の文化をこよなく愛する彼女が心血を注いで設立した紫檀博物館は、富華集団にとっては唯一の「非採算」プロジェクトとなっているが、陳博士にとっては起業から今日に至るまで首尾一貫して持ち続けてきた人生の最大テーマである。
陳麗華氏の投資項目のなかでも最も心血を注ぎ込んでいるのは紫檀文化の発揚である。一九九九年五月、紫檀彫刻芸術に対する貢献が評価され、アメリカ最大の私立スクール、サバンナ・アート・デザイン学院より名誉人文博士号を受けたのに引き続いて、同年九月一九日、中国紫檀博物館がついに設立。その萌芽は先に述べた家具修理ビジネス(七六年に開始)、一九九〇年設立の北京富華家具企業有限公司に見ることができるが、長年のビジネス人生の成果と夢が博物館設立で結実したのである。
館内に展示される作品は、すべて紫檀、黄花梨など名木を原材料に中国伝統工芸を採用している。各地の名工を集め、精魂込めてつくられた明・清時代調の家具の逸品をはじめ約一〇〇〇点が展示されている。かようなテーマ博物館は私設としては世界でも屈指のものと呼んでよく、彼女が「中国紫檀大王」とたたえられる所以となっている。 |
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民族の文化、矜持を伝えたい・・・ |
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文化大革命の頃、陳氏の祖母と母親は自らの族譜を焼き捨て、家のなかの紫檀家具を一部は捨て去り、一部を家畜場の土中に埋めたという。やがて文革が終わり、掘り出してみた紫檀家具は十分修理が可能な状態であり、彼女は一つひとつ手をかけて復元、修復を試みた。今日の中国紫檀之王の第一歩はこうして踏み出されたのだった。
「マニアチック」という言葉が妥当か分からないが、彼女の紫檀へのこだわりは凄まじく、熱帯林地区に自ら足を運び、紫檀の成長の環境調査を行うとともに、原材料の収集をする。摂氏四〇度の高温下、野獣の出没も恐れず、時には自転車の後部座席に、時にはロバに乗ることもいとわない。天を覆うようなハチの大群に追われ、かろうじて近くの掩(えん)体に身を隠し、災難を免れたこともあったという。
彼女が心血を注ぐ紫檀博物館の一ヵ月の売り上げはせいぜい数万元程度。館内の水道、電気代を補うこともできない。一方で、館内の収蔵品を高値で買い取りたいというオファーにも応じず、この博物館の運営がビジネス的成功をもたらすことを彼女は一切期待していないかのようだ。
「民族の矜(きょう)持である紫檀文化を後世に、そして海外の人たちにも知ってもらいたい」(陳氏)----。同館を訪れる人たちが紫檀を用いた秀作に目を細める姿に触れることこそ、中国紫檀之王である彼女の本望といえよう。
したがって、「中国大陸一の女性富豪」という栄誉は陳氏にとって、それほど重要なことではない。毎年発表される富豪ランキングは改めて中国大陸の著しい経済成長と富の集積を実証することになったが、他の富豪らに先んじて、慈善活動や文化活動への貢献に惜しみない努力を傾ける点で、陳氏は異色の女性投資家として輝きを放っているといえよう。「今度はインターナショナルスクールをつくってみたい。北京大学に並び称されるすばらしいものを」(陳氏)。彼女の次なる夢は、教育を通じた中国文化の発揚の実現といえそうだ。 |
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「私設」博物館という形態ですが、外国の要人等の訪問を受けることが多いようですね。 |
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アメリカ、ロシア等の欧米、東南アジア、国家などが多数を占めていましょうか。先日は一八ヵ国の駐在武官夫人(大使館領事夫人)の団体訪問を受けています。日本人の訪問者は比較的少ないのですが、三菱社長夫人を何度か接待させていただいたことがあります。 |
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紫檀をこよなく愛しているようですが、どのような想いでこの博物館を築き上げたのでしょうか。 |
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私は満州族の出身で、幼い頃から独特な家具に囲まれて育ってきました。とくに紫檀とは生まれながらにして切っても切れない関係で結ばれていたといえるでしょうね。
満州族として生まれ、身近には清朝時代の紫檀の家具がいつもありました。不注意に紫檀の家具に頭をぶつけ、たんこぶをつくったことも鮮やかな記憶として残っています。
かつての北京市内の風情にもとても愛着がありました。東直門に馬車で出向いては時を過ごすのが好きでしたが、西直門、哈徳門、崇文門など街中にあった城門はいまや跡形もなくなっているのがとても残念です。
紫檀を用いて作られた家具はその堅牢さといい、つや、香りといい、まさしく「木頭之王」の名に相ふさわしいものです。紫檀が発する酸素は美容によく、補血、歯の美白にも効果があり、吹き出物なども取り去り、皮膚を柔らかく弾力あるものにするなど、最高級の薬材と見ることもできましょう。疲労を感じたとき、この館内を歩いていただければすがすがしい気分になってもらえるものと思います。 |
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ビジネス展開を目的としていたのではないのでしょうか? |
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この博物館事業によって営利を追求することは期待しておりません。むしろ、企業と文化は不可分の関係であるというのが私の考えです。祖国の伝統的文化の発揚こそが私の願いです。
企業は努力奮闘の舞台です。そして追求する利益は個人にとっての健康と同じです。健康であることは人の生存に必要なことですが、これを目的に生きるというのは人生ではありません。より高い目標を追求しなければなりません。社会の進歩と文明の向上によって、利益こそが企業の唯一の目的であるという考え方はしなくなるでしょう。「理智が金銭をコントロールできるとき、最大の快楽が享受できる」という人もいますが、息子たちには金銭の奴隷になるなと説いています。 |
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企業メセナとか社会貢献(フィランソロピー)といった言葉が以前、日本でももてはやされましたが、不況下
ではほとんど耳にすることがありません。 |
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企業があらゆる手段を使って生存を図ろうと思えば、規模を大きくしなければなりません。成長が必要です。また、ときには屈辱、戯言、背徳、侮蔑、嘲笑、嫉妬といった苦痛に直面しても極力耐え忍び、苦難に立ち向かう勇気と気迫が企業の競争力強化には必要です。
企業人であるからには、損得の観念にとらわれて感情を左右されることなく、平常心を忘れずに不断に進取の精神を貫いていかねばならないでしょう。 |
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ビジネスの信条とされていることは? |
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「人である」ことを大事にし、信用あるビジネスを心がけ、事を成そうと思えば全身全霊を傾ける気迫で取り組んできました。
金銭が必要となればやはり友に頼り、私はかつて三年で返却することを条件に七〇〇万米ドルを友人から借りたことがあります。結局、二年経たずして、しかも利息付きで返却したので、友達はさらに私にお金を援助しようとするわけです。私はこの社会で多くの友人を作り、多くの資金を友人の援助に頼ってきたわけです。
成功にはチャンスとの邂逅(かいこう)が必要であります。たとえば、外資企業に対する中国の優遇政策を見てみると、一〇万元ほどで企業開設ができるなど、とても有利に事業展開ができる環境にあり、大きなチャンスが転がっているかと思います。
私は不動産事業において大きなチャンスをものにしました。これは国が私たちにくれたチャンスでありました。ですから、それで得た利益はやはり中国で運用していく。中国で投資を続けていくつもりです。
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紫檀 |
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「木頭之王」(材木の王)と称され、「唐木(からき)」のなかでも最高級の名木として知られる紫檀は、すでに中国大陸に蓄積はなく、主な産地ミャンマーなど東南アジア地区でも厳しく伐採制限がされている。
紫色が強く、黒色の縞を持ち、中心には空洞がある。成長が遅く、百年以上の歳月を経て初めて成木となる。さらに原料として使用できるのはそのうち十数%程度であるという。
バラの花に似た芳しい香りを漂わせるのも特長だ。釘を一切用いない中国の伝統的工法にしたがってつくられた紫檀家具は重厚で、加工後も狂わない。
記載によれば、中国明代、紫檀は皇室の喜愛を受け、大規模に伐採が行われ、すぐに国内の紫檀は切りつくされ、南洋にその供給を求めたという。明末期、清初頭になると南洋各地も大方伐り尽くされ、清朝末期に円明園と宮内太上皇宮殿の内装や光緒帝の婚礼に用いられるや、瞬く間に紫檀木の供給は底をつき、袁世凱が復辟する頃には全てが使い尽くされてしまったといわれる。
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中国紫檀の女王 |
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香港富華国際集団有限公司主席の陳麗華博士は1941年、北京に生まれた。本姓那拉氏。満州族では貴族を意味する八旗のうちのひとつ正黄旗の家柄という。高校中退も余儀なくされたが、76年に開いた家具修理ビジネスがあたるや、その後、生来備えていた才能が開花。81年に香港に移住して手がけた国際ビジネス、不動産ビジネスでめきめきと頭角を現していった。いちはやく市場経済の動向をつかみ確かな判断をもって財を積み上げ、これに多元的な運用を実践し、赫々(かくかく)たる成果を示している。昨年発表されたフォーブスやフーゲウェルフ氏による大陸富豪番付では総資産額48億元(5.6億米ドル)で5位にランクされている。
不動産、旅行、貿易、飲食など傘下の子会社は大陸、香港地区、オーストラリアをはじめ広く分布する。中国大陸では主として北京地区での投資項目が多く、目抜き通り王府井地区に建設した長安倶楽部、麗苑公寓などを筆頭に北京地区で大型投資を行っている。 |
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中国紫檀博物館 優雅な空間に漂う紫檀の香り。樹木の美と神秘には圧巻! |
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99年9月19日に開設。3階建て総面積9569平方メートルの建物は古風な外観を見せており、清朝貴族出身の陳麗華女史の中国文化への熱い思いを形にした1000点もの作品が展示されている。紫檀を用いた家具や天壇・四合院などの模型、清朝・明代式の客室、清朝皇帝の寝室を復元した展示室などを巡りながら、時空を越えた雰囲気を等身大で味わえる。
模型の四合院・王府四合院はそれぞれ実物の5分の1、8分の1。室内の家具までが精密に復元されている。
5月には各国大使館の館員の夫人らが参加するチャリティーイベントが開催予定されている。
所在地:朝陽区興隆西街9号
電話:8575-2818
http://www.fuwahgroup.com
(北京ウォーカー4月号「博物館特集」で紹介)
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| (撮影・北京支局) |
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