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物流シリーズ  
    上海三統国際貨運代理有限公司    
  アジアの強み支える独資拠点 体制基盤固めサービス拡充へ
    設立当初から目を向けたアジア戦略が奏功し、大手に引けを取らないネットワークを築き上げた三統(大阪市中央区)。中堅フォワーダーならではの小回りと機動力を武器に、成長機軸となる中国でさらなる飛躍を目指す。  
 
    CEPA活用し規制緩和に先行  
   
物流シリーズ
「中堅メーカーが利用しやすいサービスを」と力を込める陳泰圭・副総経理
WTO加盟時の公約に基づけば、昨年末に一〇〇%外資の国際貨運代理企業の設立が認められているが、半年経った現在、目立った動きは見られない。むしろ各社にとってインパクトが大きかったのは、〇四年から施行された中国・香港間のCEPA(経済貿易緊密化協定)だった。
CEPA認定を取得した香港現地法人の独資形式による物流子会社の設立がひと足先に認められたからだ。
三統は、このCEPAを活用して上海では日系初となる全額出資会社「上海三統国際貨運代理有限公司」を〇四年八月に設立した。「WTOの外資開放スケジュールが不透明だった。商務部が規定する最低資本金が一〇〇万ドルなのに対して、CEPAを活用すれば五〇〇万元(約六五万ドル)というメリットも大きかった」と陳泰圭・副総経理は言う。
同社はそれまで三統香港から中国各地に設けた事務所を通じてフォワーディング業務を展開していたが、より質の高いサービスを目指し、大陸での法人設立の機会を虎視眈々と狙っていた。「設立条件などの情報がバラバラだった」(陳氏)という中、CEPA施行から早い段階で設立までこぎつけたのは、前々から準備を進めていたことに加え、同社が売りにする即断即決の機動力によるところが大きい。
同社は〇三年に創業社長ら第一世代から、当時三〇代後半だった若手三人に経営統括権を委譲し、大胆な世代交代を図った。顧客ニーズへの迅速且つ柔軟な対応は新世代にも受け継がれ、さらに力を増している。
 
    こだわりの独資ネットワーク  
    三統は子会社の代理店網で全世界をカバーしながら、中日韓の複合一貫輸送サービスを強みとしている。中国業務の三分の一が三国間貿易で、顧客も日系、韓国系、地場と多彩だ。
同社は早くからアジアに生き残りの道を見出し、戦略のひとつとして独資運営の拠点設立を進めてきた。「大手ではないだけに、合弁で思い通りに動けなくなった時に弱さが出る」(陳氏)というリスク回避もあるが、自社発行のB/L(船荷証券)により貨物動向を一〇〇%把握・管理する同社は、各拠点で情報・価値観の共有を重視した。中国でも独資にこだわった理由がここにある。
同社にとって中国はアジア戦略の中軸であり、それを象徴しているのが本社事業部に設置されている「中国室」だ。中国の関連法規や物流事情に精通した専門家が大阪本社、青島、上海に配置されており、「コンサルティング融合型フォワーディング」と銘打つ同社サービスの重要な一端を担っている。
陳氏は「中堅メーカーでは特に、安さを追求するがためにビジネスフローに問題が生じてしまうケースが少なくない。いま一度、物流の中身を紐解く必要性がある」と強調する。その相談窓口となる「中国室」は顧客に限らず一般にも開放されており、公開セミナーの講師も務める専門家が個別相談に応じるほか、メールマガジンの配信なども行なっている。
 
    大手メーカーのSCMも視野に  
    同社は今年五月に上海三統の青島分公司が批准され、大連をはじめ他の拠点の分公司昇格も準備中だ。アジアを中心とした海外一三拠点に加え、今後も新たな拠点開設によるネットワーク拡充を積極的に進める。
同社はこれまで電子機器、家具材、アパレル、雑貨など、中堅メーカーを中心に不特定多数のサービスに重点を置いてきたが、「大口顧客に自信を持ってサービスできる営業体制がようやく整った」ことで、今後は大手電子メーカーなどのSCMを取り込んでいく戦略も練っている。とりわけ部品ベンダーの在庫を集めて管理し、セットメーカーへJIT配送するVMI(ベンダー・マネジメント・インベントリー)に力を入れる。
同社の掲げる中期目標は二〇一一年にグループ連結で年商一五〇億円、経常利益八億円。上海三統を中心とした中国事業が目標達成の成否を握るのは間違いなさそうだ。
 
    上海三統国際貨運代理有限公司  
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