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物流シリーズ  
    太義廣(上海) 貿易有限公司 株式会社 太田廣    
  「メーカー機能」を取り入れ確かな成長軌道へ
海外進出二年目、「環境」対策でも一歩リード
   
   
物流シリーズ
二村総経理(左)と早瀬経理
上海体育館に程近い雑居ビルの一階。道路に面した一見ショールームかと見間違うガラス張りの外観、これがゴム・合成樹脂製品を扱う専門商社・太義廣貿易有限公司(本社名古屋・株式会社太田廣=おおたひろ=)のシンボルとなっている。
 
 
    「メーカー」機能の融合  
    「専門商社はメーカー機能を持つべきだ――」。太田廣社が掲げるスローガンである。この理念は一年前に設立した同社初の海外拠点、太義廣(おおよしひろ)貿易有限公司でも健在だ。
商社はもともと流通の中間に位置し、顧客間の商流を担当するという意味で、その物流的な機能に社会的使命があると されてきた。さらに踏み込んで、「メーカー機能」との融合を提案したところに同社の個性とこだわりがある。
「高圧ホースは少量であれば、午前中の発注で当日出荷を原則」と語るのは同公司の総経理・二村文規氏だ。顧客のニーズはそれぞれ異なる。「こんなホースを、この金具とともに、この日に欲しい」という需要を汲み取ろうと思えば、アッセンブリーの装填機やノギスなど、「加工工程」における最小限の倉庫+加工(高圧ホースのアッセンブリーセンター)機能はオフィスに近接しておかなければならないのだという。
「中国資材の仕入ルートの開拓、商品の提案、見積から品質管理・在庫管理・納期管理に至るまでをフォローし、得意先の方々との更なる信頼関係の構築を目指したい」と二村氏は抱負を語る。
 
    環境ISOをいち早く取得  
    太田廣が掲げるテーマにもう一つ「環境保全」がある。同社は「環境ISO」といわれる一四〇〇一シリーズの認証を一九九九年に取得、専門商社としては異例の早さだ。
PVC(ポリ塩化ビニール)を材料とする製品の提案をやめ、比較的影響の少ないと見られるPP(ポリプロピレン)に取り替えたのも環境保全が背景としてある。新商品開拓にも取り組み、昨今では、クルミの殻を洗剤のスクラブ材として再利用した製品を販売し始めている。
二村総経理が運営に携わる太義廣公司はまだ設立二年目という若い公司である。初めての海外進出。フィージビリティ ースタディーも十分でない。二村氏自身も中国との接点は何もなかった。雲をつかむような思いで上海進出プロジェクトの指揮に立ったという。
進出後、「想定外」のトラブルに数々と遭った。「太田廣」の商標登録はできず、「太義廣」とした。また、テストケースとして開拓したばかりのサプライヤーを訪ねるために、浙江省の小都市を訪れたときのことだ。市中心部から車を走らせること数時間、ようやくたどり着いた工場で目にしたのは、現代的工法とは程遠い人海戦術によるゴムベルト製造の光景だった。五メールおきにプレスする「送り焼き」、裁断、そして釘で固定。恐らく日本では三〇年前には廃れてしまった工法だという。事前の情報収集でオートメーション化された施設環境があると見込んでいた二村氏は面食らった。
それ以後、「仕入先には必ず自ら足を運ぶ」「見なければ買わない。自分の目で確かめてから買う」ことを二村氏は商社としての事業活動の鉄則としている。
 
    「一期一会」を理念に  
    問屋から商社へ。一九五一年に創立以来、本社・太田廣社が目標に定めたのは年間売上額一〇〇億円の突破だった。二村氏によれば、この数字は商社として社会的評価を得られるかどうかのボーダーラインだという。得意先は二八〇〇社にも及ぶ。しかし、バブルがはじけて七年ほどは売上額八〇億円ラインで停滞。ここ数年、業績は再び上昇気流に乗り、今年ようやく売上は念願の大台に達成する見込みだという。
「五五年間、日本で培われてきた販売スタイルを基本として、ここ中国でも販路を広げていきたい」と今後の展望について触れる二村氏。オフィスの応接室には著名な書道家から贈られたという「一期一会」と書かれた書が壁にかけられ ている。同社の経営理念というその言葉を見つめながら、二村氏は中国との奇遇な出会いと自身の任務の重さを一人かみしめているようだった。
 
    太義廣(上海) 貿易有限公司  
    太義廣(上海)貿易有限公司
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