「インターネットにおける著作権」 |
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黒田法律事務所 吉村 誠 弁護士 ■略歴■ 京都大学工学部建築学科 最高裁判所司法研修所 日本弁護士連合会登録・東京弁護士会登録 (52期) |
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| 1 インターネットを巡る中国の法制度 | |||||
| 中国の著作権法などが制定された当時は、インターネット上の著作物についての法制度は整備されていなかった。しかし、近時中国でもインターネットが急速に普及し、デジタル形式のコンテンツに関する権利についての紛争件数が増加したため、統一的な法的整備を行うために、多くの関連法規が整備されるようになった。 音楽ファイルや映像ファイルなどのデジタルコンテンツについては、中国著作権法で著作物であることが明示されていないものの、従前から裁判例においてデジタルコンテンツも著作物として認められると解釈されてきており、最近では、司法解釈によって、デジタルコンテンツも著作物であることが明確化された。 デジタルコンテンツが著作物であるとしても、どのような行為を行うと著作権侵害となるのか。まず、著作権者に無断で、デジタルコンテンツをサーバに固定することは、著作権法上禁止されている「複製」に該当しうるとされている。さらに、著作権者に無断で、インターネットを通じて、デジタルコンテンツを公衆に対し送信することも著作権侵害に該当しうる。 さらに、最近の報道によれば、中国政府は、2006年7月1日から、「情報ネットワーク伝播権保護条例」を施行するとのことである。当該条例の詳細については、筆者が本稿を執筆している段階では明らかではないが、一連の報道によれば、かかる条例により、著作物をインターネット上にアップロードしたりインターネットからダウンロー ドしたりする際には、著作権者の許諾が必要となり、著作権者の許諾なくダウンロードすることにより不正コピーした者に対しては、最大10万人民元の罰金が科されると のことである |
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| 2 インターネット上の著作物の利用と著作権侵害 | |||||
| 中国において、Win-MXやWinnyのようなファイル交換ソフトを利用して、又は、アップローダなどを利用して、第三者が著作権を有するデジタルコンテンツ(音楽ファイル、画像ファイルや映像ファイルなど)を交換、アップロード又はダウンロードすることは、著作権侵害となると考えられる。特に、日本法上、第三者の著作物を無断でダウンロードすることは原則として適法という考え方も有力であるが、中国においては、ダウンロードすること自体も違法となる。
また、最近、日本では、YouTube1といった動画アップローダが話題となっている。YouTube自体は、米国の会社でありサーバも米国に存在するが、中国において、ダウンロード行為、アップロード行為を行えば中国法上問題となる。 |
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| 3 インターネットサービスプロバイダー(ISP)の責任 | |||||
| ISPのユーザーが著作権侵害行為をしており、ISPがそのサイトと当該ユーザーのサイトをリンクさせている場合などには、ISPは著作権者に対して責任を負う場合がある。
例えば、2005年に制定された「インターネット著作権行政保護弁法」によれば、インターネットで送信されているコンテンツが自己の著作権を侵害しているのを著作権者が発見した場合、ISPに通知することができ、ISPは通知の受領後、速やかに関連コンテンツを削除する措置を採らなければならないとされている。ISPが削除措置を採った後には、インターネットのコンテンツ提供者は当該ISPと当該著作権者に対して、削除されたコンテンツが著作権を侵害していないことを説明する通知を出すことができる。通知が出された後には、ISPは削除された内容を速やかに復旧させ、またその復旧行為に対しては行政法律上の責任を負わないとされている。他方、ISPが、インターネットのコンテンツ提供者がインターネットを通じて他人の著作権を侵害する行為を実施していると知りながら、又は著作権者からの通知を受けた後に、関連コンテンツを削除する措置を採らなかった場合には行政処罰を課される場合がある。 日本企業は、インターネットの中国のサイトなどにおいて自己の著作権侵害を発見した際には、かかる制度を積極的に活用するのが望ましいといえる。 |
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