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知的法講座
 中国知的財産権講座
「中国における著作物の保護」
 
黒田法律事務所 吉村 誠 弁護士
中国において、書籍を出版したり、アニメや映画のDVDを販売したり、ソフトウェ アを開発委託し又はソフトウェアを販売する場合には、著作権の処理を明確に行っ ておく必要がある。本稿では、中国における著作権制度を概説する。

黒田法律事務所
吉村 誠 弁護士
■略歴■
京都大学工学部建築学科
最高裁判所司法研修所
日本弁護士連合会登録・東京弁護士会登録 (52期)
 
  1 中国における著作権制度  
  @「著作物」の意義:著作権法の保護の対象となる著作物は、著作権法に列挙され ており、データベースも著作物として保護されうる。さらに、コンピュータ・ソフトウェア(「ソフトウェア」は、「コンピュータ・ソフトウェア保護条例」により保護されている。
A著作権の内容:著作権には、人格権と財産権という2種類の権利がある。人格権には、公表権、氏名表示権、修正権及 び同一性保持権がある。財産権には、複製権、発行権、貸与権、展示権、実演権、上映権、放送権、情報ネットワーク伝達権、制作権、改変権、翻訳権、編集権等があり、また、著作権を他人に譲渡し、又は他人に使用することを許諾し、かつ報酬を取得する権利も著作権に含まれる。ソフトウェア著作権としては、公表権、氏名表示権、修正権、複製権、発行権、貸与権、情報ネットワーク伝達権、翻訳権等がある。
B著作権の成立:著作権は、特許権等と異なり、如何なる審査許可の手続も要することなく、また公表されているか否 かにかかわらず、ソフトウェアを含め、創作の事実だけによって、作品の創作完成日から成立する。
C著作権の帰属主体:著作権は原則として著作物を創作した自然人たる作者に帰属する。しかし、法人等の単位についても所定の要件のもとで、著作者となる場合がある。自然人が法人等の単位における在職期間中に開発したソフトウェアについても、所定の要件のもとで、ソフトウェアの著作権は当該単位に属する。
D著作権の保護期間:自然人の著作物の発著作物を創作した自然人たる作者に帰属する。しかし、法人等の単位についても所定の要件のもとで、著作者となる場合がある。自然人が法人等の単位における在職期間中に開発したソフトウェアについても、所定の要件のもとで、ソフトウェアの著作権は当該単位に属する。自然人のソフトウェア著作権の保護期間は、著作者の終生及びその死亡後50年である。法人等の単位が氏名表示権を除く著作権を享有する職務著作物及 び職務ソフトウェアについては、それぞれ、著作物又はソフトウェアの最初の公表の日から50年である。
 
   
  2 著作権利用許諾及び譲渡  
  @著作権の利用許諾及び譲渡
著作権者は、著作権利用許諾契約の締結により、第三者が著作物を利用することを許諾し、報酬を得ることができる。専用利用権を許諾する場合には、書面による契約を締結しなければならない。著作権利用許諾契約においては、非独占的利用権を定めることができる。契約の中に、明確な取り決めがない場合、又は約定が不明確な場合には、著作権者も利用ができない独占的利用権とみなされるため、注意が必要である。
財産権としての著作権は譲渡することができ、譲渡契約は著作物の名称、譲渡金の金額など法定の事項を規定して、書面で締結しなければならない。
Aソフトウェア著作権の利用許諾及び譲渡
ソフトウェア著作権利用許諾契約の締結により、ソフトウェア著作権者 は第三者にソフトウェアを利用することを許諾して、報酬を得ることができる。独占的利用許諾をする場合には、当事者は、書面による契約を締結しなければならず、書面による独占的利用許諾契約を締結していない場合、又は契約において明確に独占的利用許諾の約定をしていない場合には、非独占的権利とみなされる。書面によるソフトウェア譲渡契約の締結により、ソフトウェア著作権者は、第三者にソフトウェア著作権の全部又は一部を譲渡して報酬を得ることができる。
 
     
  3 著作権登記制度  
  著作権侵害行為に対し民事的救済を求める際、著作権者であることを証明する証拠が必要である。この点、著作権の登録は、特許権、商標権の登録と異なり権利成立要件とは関係のない任意の制度であるが、著作権者の証明に有用な制度である。  
     
  4 著作権侵害の救済方法  
  著作権侵害又は著作権利用許諾契約に関する紛争は調停又は仲裁によって解決することができる。外国での仲裁判断も中国において執行力を有するため、著作権利用許諾契約において、仲裁合意を定めておくことは、迅速な紛争解決に資する。  
著作権権利侵害行為に対し、権利者は侵害行為の停止、影響の除去、謝罪、その他損害賠償等の民事責任を求めて、人民法院に著作権侵害訴訟をすることができる。また、本訴提起に先立ち、仮処分、財産保全、及び証拠保全を人民法院に申立てることができる。その他、行政上の救済及び刑事的救済による著作権侵害行為に対する救済も広く行われている。
 
       
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