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中国知的財産権講座
技術輸入及び技術ライセンス契約に関する法令と手続 |
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特許権、ノウハウ等の技術を中国企業や日本企業の中国子会社にライセンスする事例が増加している。そこで、中国企業に対して技術ライセンスをする場合に直面する、中国法上独特な種々の規制及び必要な手続について解説する。
黒田法律事務所
吉村 誠 弁護士
■略歴■
京都大学工学部建築学科
最高裁判所司法研修所
日本弁護士連合会登録・東京弁護士会登録 (52期) |
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1 技術ライセンスと技術輸入の意味 |
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中国への技術ライセンスは、中華人民共和国国外から中華人民共和国国内へ貿易、投資、又は経済技術協力を通じて技術を移転する行為として技術輸出入管理条例(以下、「管理条例」という)において技術輸入として定義されている。技術輸入行為には、特許権の譲渡、特許出願権の譲渡、特許権の実施許諾、ノウハウの譲渡、技術サービス及びその他の技術移転が含まれる。中国における技術ライセンス(技術輸入)は、通常、技術ライセンス契約(技術輸入契約)の締結を通じて行われる。 |
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2 技術輸入に関する法令 |
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中国では技術輸入に関し、契約法、対外貿易法の他、技術輸出入管理条例(以下、「管理条例」という)等により規制されている。さらに、中国側のライセンシーが技術使用料等を海外に送金するときには、関連税法、外国為替管理法等も遵守する必要がある。
管理条例では、あらゆる技術を中国へ移転又は許諾できるわけではなく、対外貿易法第16条、第17条のいずれかに該当する技術は、その輸入が禁止又は制限されている。また、管理条例においては、中国の産業を保護するための規定も存在しているものの、技術契約の無効条項、契約期間、秘密保持期間、権利侵害による供与者の応訴責任等に対する制限や要請が撤廃された。
改正対外貿易法では、対外貿易経営者の範囲が拡大され、対外貿易権が、旧法令のように許可ではなく、登録により付与されるようになった。さらに、対外貿易法では、知的財産権について独立の章が設けられ、知的財産権侵害にかかる輸入貨物の輸入禁止措置、ライセンス契約において、不争義務、強制的な一括許諾(パッケージライセンス)又は排他的グラントバック義務により公平競争秩序を害する場合の排除措置、知的財産権につき内国民待遇を与えない外国への必要な措置等について規定された。
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3 技術輸入の審査許可手続及び審査許可機関 |
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技術輸入に関し、管理条例では、旧法令の全面審査許可制を変更し、輸入制限の技術についてのみ許可制をとり、輸入自由の技術については登記制をとることとなった。
輸入制限の技術については、技術輸入申請に対し対外経済貿易主管部門が許可意向書を発行した後に、当事者間で技術輸入契約を締結し、その後、技術輸入契約の副本等の提出とともに技術輸入許可証の申請を行い、これに対し対外経済貿易主管部門が技術輸入許可証を発行するという手続がとられ、技術輸入許可証の発行が技術輸入契約の効力発生要件となっている。
これに対し、輸入自由の技術については、技術輸入契約の締結後に、技術輸入契約登記申請書、技術輸入契約副本等を対外経済貿易主管部門に提出し、同部門が技術輸入契約に関する登記を行い、技術輸入契約登記証を発行することとなっており、輸入制限技術と異なり、契約は契約の締結と同時に発効し、登記を契約の効力要件とするものではない。しかし、自由輸入技術について登記制であるといっても、管理条例に従ってすでに発効した輸入自由の技術輸入契約について、主管部門は法律に抵触するということを根拠に、登記を拒否し、実質的に審査権を行使する例も存在する。
ライセンシーは、上記の技術輸入許可証又は技術輸入契約登記証に基づいて、外国為替、銀行、税務及び税関等の関係手続を行う必要がある。技術輸入許可証又は技術輸入契約登記証を提示することができない場合には、銀行、税関、税務機関等に取扱いを拒否されることになる。
また、外商投資企業を設立し、外国側当事者が技術を現物出資する場合、当該技術の輸入については、外商投資企業の設立許可の手続に基づき審査又は登記を行わなければならない。
なお、管理条例では、輸入禁止技術の輸入又は許可を得ない輸入制限技術の輸入に対する罰則が規定されているので注意が必要である。
さらに、技術輸入契約において特許出願権又は特許権を譲渡する場合、当事者は書面による契約を締結し、かつ国務院特許行政部門に登録しなければならない。かかる特許出願権又は特許権の譲渡は登録日から有効となると規定されている。特許権について実施許諾をする場合、特許権者は、契約の効力発生日から3カ月以内に、国務院特許行政部門へ届け出なければならない。 |
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