A 公的機関による証拠収集制度の活用 方法特許の侵害行為及び相手方の帳簿等損害額の立証証拠の入手は、通常困難である。そこで、本訴管轄権を有する人民法院に対する証拠保全申立制度を活用すべきである。 また、行政機関に対し、侵害行為の取調、処理の申立とともに証拠収集調査の申立をすることができる。但し、被調査人が調査に協力せず、又は偽証する場合であっても、これらに対し強制的な措置を執ることができないため、人民法院による証拠保全の権限に比べ劣る。
B 損害額立証のための証拠 人民法院は、日本と異なり、侵害訴訟において侵害論と損害論を分けずに審理するため、損害賠償を請求する場合には、損害額の立証に必要な証拠を、訴訟提起前に収集しておく必要がある。例えば、侵害行為に起因して権利者の製品の販売数量が減少したこと、権利者と侵害者の市場占有率及び販売統計値並びに侵害品の広告及び販売実績に関連する資料等を収集することが考えられる。 なお、侵害行為差止請求を人民法院に提起し、その後、別途損害賠償請求を人民法院に提起することも可能であるが、この場合、2年間の訴訟時効が完成しないように注意すべきである。
C 鑑定と先行技術調査 侵害品を入手した後、当該製品が特許権の権利範囲に属するかにつき、弁護士、弁理士又は人民法院が司法鑑定機関として指定する鑑定機関に鑑定を依頼し鑑定書を作成し、その結果を検討することは、訴訟提起するか否かの判断において有用である。また、訴訟においても、自己の証拠として当該鑑定書を提出することができるが、当事者が提出する鑑定書は、相手方が異議を申立てた場合、人民法院においては証拠として採用されない。 さらに、無効審判が請求された場合に備えて、事前に先行技術調査等の対象特許の有効性に関する調査を行っておくべきである。