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| 1 双軌制 |
| 中国で特許権(発明・実用新案・意匠の3種)や商標権が侵害された場合の救済手段として、行政機関に処理を求める方法(行政ルート)と人民法院に裁判を提起する方法(司法ルート)の2つのルートがあり、双軌制と呼ばれている。日本では税関に侵害品の輸入禁止を求める場合のほかは行政機関へ救済を求める制度はなく、裁判所に提訴する司法ルートが中心であるが、中国では社会主義に基づいて行政機関が国民の経済活動を管理する体制がとられ、知的財産権の侵害に対しても行政機関が取締りを行なってきた伝統があり現在も残されている。行政ルートのメリットは簡単、迅速、低廉であるが提訴前差止(仮処分)・証拠保全制度がなく損害賠償は調停を進めることができるだけで強制的に命じることができず強制執行もできない。司法ルートは長期で費用もかかるが、仮処分・証拠保全や損害賠償も命じることができ強制執行もできるメリットがある。 |
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| 2 紛争の激増 |
| 中国がWTOに加盟し、外資企業の中国進出が増加し、国内の知的財産権侵害事案も増加する中で、知的財産権の保護水準をTrips協定の保護水準まで高める法改正が2003年でほぼ終了し、今後はその適切な運用が求められているが、行政ルート及び司法ルートへの救済申立も増加の一途をたどっている。
特許侵害に対する行政ルートの救済処理件数の最新データ@では2002 年に50%近く激増し、また、紛争の90%以上が権利侵害紛争事案であり、3種特許(発明・実用新案・意匠)の別では実用新案及び意匠の紛争件数が発明の紛争件数よりはるかに多く、地域別では広東省・浙江省の処理件数が1位に2位を占める。 |
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| 【全国特許管理機関の紛争受理件数】 |
| 年度 |
総数 |
| 2000年 |
925件 |
| 2001年 |
977件(対前年比5.6%増) |
| 2002年 |
1442件(対前年比47.6%増) |
| 2003年 |
1514件(対前年比5%増) |
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| 【2003年度権利種類別】 |
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| 【紛争種類別】 |
| 年度 |
侵害紛争 |
権利帰属紛争 |
| 2000年 |
91.2% |
5.3% |
| 2001年 |
94.6% |
2.4% |
| 2002年 |
96.4% |
2.0% |
| 2003年 |
93.9% |
2.0% |
| 年度 |
その他紛争 |
総 数 |
| 2000年 |
3.5% |
925件 |
| 2001年 |
3.0% |
977件 |
| 2002年 |
1.6% |
1,442件 |
| 2003年 |
4.1% |
1,514件 |
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また、商標権侵害事案に対する行政ルートは工商行政管理局への処理申立であり、これも増加傾向を示しており、全国の工商行政管理局が処理した件数は、2001年は22,813件、2002年23,539件、2003年は26,488件である。また、最新データAでは2004年度上半期の商標模倣案件は10,515件で、没収又は消除した模倣商標は1,223万点、没収した印刷機械等は1万6,894件、廃棄侵害品1万0,952トン、刑事移送案件14件、16人、案件規模では10万元以上が445件、100万元以上が30件、罰金(過料)は10万元以上が102件、平均罰金額7,100元、外国企業が被害者の案件が米国商標419件、日本商標221件、ドイツ商標209件、フランス商標159件となっている。
司法ルートによる救済を見ると、1998年から2005年の5年間に人民法院が審理した知的財産権侵害案件(特許・商標のほか著作権等の事案も含む)は2万3,636件で対前5年比40%増加し、2002年に全国の人民法院が受理した特許侵害案件は1,725件、商標権侵害案件は504件、2003年1月〜11月の間に受理した知的財産権侵害案件(特許・商標のほか著作権等の侵害案件も含む)は5,750件で、前年比24.57%増加し、渉外案件やコンピュータやバイオ関連の複雑な特許侵害案件も増加している。 |
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| 3 刑事処罰 |
| 上記の民事的救済のほかに、侵害者の不法取引額や違法所得が巨額に昇る場合は刑事処罰が科され、これも有効な救済手段であるが、訴追基準が定められており、例えば、商標権侵害(製造・販売)は侵害者が個人の場合は10万元以上、単位の場合は50万元以上となっている。従って、不法取引額が少ない場合には刑事処罰を科すことができず、侵害者が侵害品の保管倉庫を分散して1箇所での規模を訴追基準以下として刑事訴追を免れる巧妙な事案も増加しているので、訴追基準の引下げが求められてきたが、近く引下げられる予定である。 |
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| 従って、日系企業としても事案に応じて行政ルートと司法ルートをうまく使い分けて自社の知的財産権を守ることが肝要である。 |
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@2004年9月11日付け「中国知識産権報」
A国家工商行政管理局ホームページ |