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    「中国からグローバル戦略を加速させる」 SAP中国トップベンダーへ出資  
    スペシャルインタビュー 日立情報システムズ 原巖・執行役社長  
   
   
ITソリューション
プロフィール■はら・いわお氏
◇1945年生まれ。1970年、東京大学法学部卒、日立製作所に入社。日立アメリカ社副社長、日立ネットビジネス取締役社長、日立製作所人材部門長などを経て、2006年4月、日立情報システムズ執行役副社長就任。同年6月、代表執行役・執行役社長兼取締役。
日立情報システムズは提携関係にあった上海高維信誠資訊有限公司(以下、Covics社)への出資により、進出日系企業向けSAPソリューションの現地開発、サポート体制を強化する。中国ERP市場の競争激化が予想されるなか、中日両国の大手SAPパートナーががっちりと手を組んだ形だ。中国を中核としたグローバル戦略を描く日立情報システムズの原巖・執行役社長に聞いた。
 
 
    Covics社とはパートナーとして一緒にSAP事業を展開してきました。  
    Covics社とは二〇〇四年一〇月にパートナーシップを締結した。翌年から日本人の技術者を常駐させて、本格的に進出日系企業向けのSAPソリュー ション事業を開始している。
会計システムや業務内容が日本のマーケットと異なる中国では、テンプレートやシステムで理解できないところが当然出てくる。事業開始にあたっては、強力なパートナーが不可欠と考えていた。
Covics社はSAP中国からスピンアウトする形で二〇〇〇年に設立され、中国国内で一四〇社に上るSAPソリューションの構築実績がある。八〇人いるコンサルタントのうちSAP対応要員は六〇人に上り、SAPに非常に特化した会社だ。とりわけ、シニアコンサルタントの層の厚さは群を抜いており、我々はSAPコンサルテーションの中国トップベンダーであると評価している。
 
    そのCovics社に出資を決めた 理由は何でしょう。  
    当社は今年四月から「中期経営計画二〇〇七│二〇一〇」をスタートさせる。今回の投資は、その中で掲げる「アジアを中核としたグローバル展開強化」の第一弾となる。もちろんCovics社のこれまでの実績はもとより、一年以上にわたる付き合いの中で、仕事のレベルを含めて非常に信頼できるパートナーと確信できたことが前提にある。
また、中国国内から世界へとステージアップを図るCovics社側にとっても、当社からの出資が持つ意味は大きい。我々としても、Covics社のグロー バル展開をできる限りバックアップしていくつもりだ。
 
    今回の出資により、どういったサービスが提供できるようになるのでしょうか。  
    ひとつは、現地でSAPコンサルタントの大量確保と安定供給が従来に増して可能になり、より信頼度の高い「mySAPERP」システムのサービス体制が整う。
次に、Covics社の有する中国企業向けテンプレートを日本企業向けに活用できることも大きなポイントだ。
我々は「中国の文化と習慣に根ざしたサービス」を重視している。この商習慣・文化の違いこそが日系企業の抱える悩みの種であり、真に求められているサービスではないか。Covics社との提携強化により、この問題を根本から解決することができるはずだ。
 
    中国でSAP売上三〇億円へ  
    今後の戦略において、中国市場をどのように位置づけていますか。  
    SAP事業の売上は年間九〇億円となっているが、そのうち海外売上は四億円と全体の五%に満たない。二〇一〇年には売上総額二〇〇億円という目標を立てる中で、海外売上は八〇億円まで引き上げる計画だ。このうち中国事業は三〇億円を目指したい。現時点でも海外売上の多くを占めている中国が、今後のグローバル戦略の一翼を担うことになるのは間違いないだろう。
これに合わせて、日立信息系統(上海)の常駐技術者を増やしていく。現在は日本人三人となっているが、これを五〇人めどに増員する。これは日本人だけでなく、中国人技術者も含めた数になる。
 
    中国のERP市場はすでに数多くの競合他社がひしめき合っています。  
    あるデータによれば、中国に進出している日系企業の数は二〜三万社に上り、そのうち約九〇%がまだしっかりとしたERPを導入していないという。この層がここ二〜三年のうちに一気に導入を進めると見ている。まさにこれからの市場であり、今回の出資には来るべき本格的な競争に備えて早めに基盤を固めておくという狙いもあった。  
ERP製品は数多くあるが、言ってしまえばシステムそのものに変わりはない。では、競争のポイントは何かというと、いかに顧客の要望に応え、品質の高いサポートを提供できるかということ。その次に重要なのがブランド力だろう。  
その点、SAPはERPのデファクトスタンダードとして認知されており、「日本で使っていなくても海外ではSAP」という要望も多い。加えて、我々には中国市場でSAPのトップベンダーである「Covics」というブランドもある。
 
    「Covics」ブランドが大きなアドバンテージになる、と。  
    それだけの認知度とそれに見合った実力をCovics社は持っている。  それだけの認知度とそれに見合った実力をCovics社は持っている。
また、日本には当社の強力な営業部隊も控えている。単体で五〇〇〇人の従業員数のうち、約一割にあたる六〇〇人が営業部員だ。長年にわたる業務アプリケーションの実績とともに、「営業力」は当社の強みとなっている。
日本本社の海外拠点を連結してサポートするという意味でも、日本での営業力はひとつのキーファクターになる。
 
    グローバル戦略の三本柱  
    中国ではSAP事業にとどまらず、ネットワークとアウトソーシングのサービスも手がけていく。どちらも、日本でグローバルレベルとして高い評価を頂いているサービスだ。この三事業が当社のグローバル戦略を支える根幹となる。  
    中国ではいつ頃をメドにスタートさせる計画ですか。  
    セキュリティを含めたネットワークサービスは一部で受注を開始している。
いま悩んでいるのがアウトソーシングサービスだ。現在、マーケット調査の段階で、スタート時期は慎重に見極めなければならないと考えている。
というのは、アウトソーシングサービスはデータセンターやサーバの設置などで初期投資が大きい。今すぐにできないことはないが、どれだけ顧客を取り込めるかということが収益のポイントになる。これは日本でも相当な時間を要した。中国のIT市場の発展状況を見ながら、ということになるだろう。
 
    SAP事業のジョイントベンチャー設立へ Covics社は日系専門部隊の設置を検討  
   
ITソリューション
記者の質問に答える原執行役社長。手前2人目は劉建・Covics社総裁
日立情報システムズとCovics社は12月15日、上海ヒルトンホテルで戦略的パートナーシップの強化について記者会見を行った。
日立情報システムズがCovics社に出資し、Covics社の創業者並びに大株主である聯想投資(Legend Capital)とともにジョイントベンチャーを新設する。現在、登録手続きを進めている段階で、出資額は会見の席で明らかにされなかったものの、約150万ドルとなる見込み。出資比率は三分の一程度となる。
Covics社の劉建・総裁は今回の出資受け入れに関し、「国際市場に打って出るための大きな一歩であり、既存顧客への安定的なサービスも保障できる」とコメント。弊誌の取材に対して「まずは人員を強化していく。その上で日系企業向けサービスの専門部隊をつくりたい」との計画を明らかにした。
日立情報システムズは、日本の情報サービス企業の中でSAP認定コンサルタント数が最多を誇り、SAPサービスパートナーとして「SAP Award of Excellence」を3年連続で受賞。一方、SAPソリューションパートナーであるCovics社もSAPアジア・パシフィックの「SAP Award」を数多く受賞するなど豊富な実績を持つ。
記者会見に出席したSAP中国区の黄驍倹・副総裁は「中日を代表するSAPパートナーの提携強化は、SAP事業のグローバル化のモデルになる」と述べている。
 
    DATA
中国問い合わせ先
日立信息系統(上海)有限公司
上海市茂名南路205号瑞金大厦2401室
TEL: (021)6473-1244 FAX: (021)5456-2339
日本問い合わせ先
日立情報システムズ ERP事業部
東京都品川区大崎1-2-1
TEL: +81(3)5435-1211 FAX: +81(3)5435-2720
 
    EC市場の成長見込み先手 中国初のブログアフィリエイト  
    上海アドウェイズ広告有限公司  
   
   
ITソリューション
「モバイルビジネスが活発な広州にもオフィスを開設したい」と語る清水・総経理
アドウェイズが中国初のブログアフィリエイトを開始する。ブログの普及は進んでも、個人ユーザーにはアフィリエイトの概念がまだ定着していない。そこを敢えて踏み込む背景には、BtoCのEC市場拡大の波がある。新サービス開始にあたり、EC系の既存広告主の反応も良好だ。
 
    ブログユーザーは約三〇〇〇万人  
   
ITソリューション
ウェブ上に自由な意見を書き込むブログが中国でできるのか――。こんな議論をよそに、二〇〇四年に一〇〇万人だったブログユーザー数は今年二八六〇万人に達するとの推計が出ている(iResearch調べ)。
ただ、「副業でブログ、アフィリエイトで高収入」などと日本で喧伝されているくような概念はまだ個人ユーザーに定着していない。
こうした状況下、アドウェイズは半年以上前から中国でブログアフィリエイトの道を探ってきた。そして、このたび中国の大手ブログサービス「Blogbus(ブログバス)」に対し、同社のアフィリエイトプログラム「CHANet」を提供することが決定。中国初のブログアフィリエイトサービスを開始する。
「ブログバス」はブログに特化したサイトでユーザー数三〇〇万人、上海では最大手となる。日本最大のブログサービスがユーザー数約一二〇万人であるのと比較すれば、いかに巨大なユーザーを抱えているかがわかる。
上海アドウェイズ広告有限公司の清水洋一・総経理は「ホワイトカラー層のユーザーが多く、ビジネスネタのブログが多いのも特徴」と評価する。一方の「ブログバス」にとっては、激しい競争が繰り広げられている中国ブログ市場で、アフィリエイトという付加価値をつけて競合他社との差別化を図りたいとの思惑があった。
 
    EC系広告主の販路拡大ツールとして  
    〇五年三月からスタートした「CHANet」は現在、広告主数二〇〇社、提携サイト数三万三〇〇〇社となる中国最大級のアフィリエイトプログラムに成長している。「『ブログバス』はあくまで三万を超える提携サイトのひとつという捉え方だが、その下に控える三〇〇万人というユーザーは魅力的」と清水氏はいう。
ただ、その三〇〇万人のうちどれだけのブロガーが広告を掲載し、さらに成果報酬を得られるかは未知数だ。それを認識していながら敢えて先手を打ったのは何故か――。背景にはEC取引の拡大がある(図参照)。
日本ではアフィリエイト市場全体に占めるEC系広告主の割合は半数近くとなっているのに対して、中国はまだ一〇%未満しかない。だが、清水氏はアリババ傘下で大手オークションサイト「淘宝網」の年末年始における取引額が一〇〇万ドルに達したことを例に挙げ、「今まさに大きな波が押し寄せている」との見方を示す。すでに既存のEC系広告主の間では「一気に販路が広がる」と歓迎ムードが高まっており、今回のサービス開始にあたり、同社は年内にEC系の広告主を新規で一〇〇社獲得する目標を立てている。
 
    「トータルEマーケティング」展開へ  
    昨年一二月には北京オフィスを開設。広告業界が外資に全面開放されたことを受けて、一〇〇%出資の新会社設立も申請中で、間もなく認可が下りる見通しだ。
「CHANet」、総合モバイル広告サービス「WAPclick」、検索連動型広告「Keynet」の三本柱を確立した同社が次に目指すのは「トータルEマーケティング」。「中国に進出してまもなく三年。三つの事業を通して中国特有のノウハウもたまってきた。企業様の多様なニーズに総合的に対応していきたい」(清水氏)
昨年六月に東証マザーズへの上場を果たし、中国でも新サービスを矢継ぎ早に投入してきた勢いはまだまだ続きそうだ。
 
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上海アドウェイズ広告有限公司
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