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繊維・アパレルレポート  
  モノづくりの精神貫き アウターウエアの基幹工場に育成
上海ロイネ時装有限公司
   
   
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宮本英和・総経理(左)と波多哲彦・副総経理
創業は大正五年。OEMを中心にインナーウエアとアウターウエアを生産するロイネ(大阪府箕面市)は、長い歴史の中で一貫して「モノづくり」へのこだわりを持ち続けてきた。〇五年一月に上海に設立したアウターウエアの自社工場でも、その姿勢は変わらない。「まだまだ発展途上の段階」としながら、高品質の生産体制が整ってきた。基幹工場として上海ロイネの存在感が増している。
 
 
    商社ではなくメーカーとして  
   
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日本国内から中国縫製へとシフトし、ゆくゆくは中国拠点が基幹工場となっていく――。創業九〇周年を迎えたロイネも業界の例に漏れず、中国拠点が揺るぎない地位を築いている。
下着・メリヤスメーカーとしてスタートしたロイネは、かつて長崎県内の関連会社五社でインナーウエアの一貫生産を行っていたが、一九九三年に青島に現地資本、伊藤忠商事と合弁会社を設立。技術移転を進め、〇五年に国内工場を閉鎖している。
この流れを受けて、アウターウエアでも海外に自社工場を設ける計画が持ち上がり、全額出資で上海ロイネ時装有限公司を設立した。そこには「商社ではなく、メーカーとしてモノづくりの現場を大事にするという姿勢があった」と宮本英和・総経理は強調する。日本ではアウターウエアの関連会社一社二工場(島根県、長崎県)が稼動しているものの、上海工場への集中が進んでいる状況だ。
 
    リーダー育成を中心に組織 強化  
   
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上海市中心部から約六〇キロ、浙江省に隣接する金山区がロイネの上海拠点となる。〇五年五月から稼動を開始した工場は現在、従業員約二四〇人で四〜五万枚/月を生産している。
大小合わせて三〇ブランドを取扱う中で、メインとなるのが「ポロ・ラルフローレン」だ。今でこそお馴染みの「ラルフのポロ」だが、日本でまだ名前が売れていなかった二十数年前、他社に先駆けて受託生産を開始したのがロイネだった。この実績をもとにアウターウエアの受注が広がった経緯もある。
「ポロ」をはじめ大手ブランドから信頼を獲得していた品質と技術を、中国でどう継承していくのか。宮本氏は「縫製は現 場での指導が第一。その意味で、直接指導にあたるチームリーダーの育成がカギになる」と言う。
また、同社は組織・チームとしての結束が品質向上への近道との考えから、清掃員を雇わず、リーダー層を中心に自分たちの持ち場は自分たちで掃除させるなどの取り組みも徹底して行っている。「まだまだ発展途上だが、人員的にも落ち着いて組織は固まりつつある」と宮本氏は確かな手応えを口にする。
 
    人件費高騰の捉え方  
    一方、素材の九五%以上を現地で調達する同社にとって、課題のひとつとなるのが素材の品質管理だ。「工場の生産管理は自分たちできるが、外から調達する素材はそうはいかない」(宮本氏)。幹部レベルの話し合いが上手くいっても、現場に伝わっっていないことが多く、そこは粘り強く働きかけていくほかないという。
また、人件費の高騰も現実的な問題として圧し掛かってきた。宮本氏は「昨年実施された最低賃金の上昇は打撃だった」と前置きした上で、次のような見方を示す。「日本では人件費が商品価格に占める割合は八〇%を超えているのに対して、中国ではまだ四〇%でしかない。人件費以外でコストダウンの余地は大きいはず」
コストダウンと高品質という至上命題を抱えながら、同社は取扱いブランドの拡大に積極的に取り組んでいる。すでに日本本社のバックアップをもとに台湾地区から直接受注しているブランドもあるなど、現地で新規顧客の獲得を増やしていく方針だ。

DATA
上海ロイネ時装有限公司
E上海市金山区興塔興桂路15号
TEL: (021)5736-0077 FAX: (021)5736-0061