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繊維・アパレルレポート  
  ダイドー百年の技術の結晶
日本のレベルを越え、新たな領域へ!
大同利美特(上海)有限公司
   
   
繊維・アパレルレポート
ハンドテーラードの技術・イタリアンクラシコを獲得した服装部
九〇年代、どこよりも早く中国に進出し、技術移転をスタートしたダイドーリミテッド。設立から一〇年を経た大同利美特(上海)有限公司は、すでに日本からの技術継承を終え、日本のレベルを超えた技術・品質力を獲得、新たな領域へと踏み出している。
 
 
    ダイドーのすべての技術を移植  
   
繊維・アパレルレポート
田口正幸・董事総経理
大同利美特(上海)有限公司は、ダイドーリミテッドグループ(以下、ダイドー)により一九九六年に上海市松江区で開業した。同社工場には、ダイドーが創業から百数十年に渡って蓄積してきた技術のすべてが移植されている。紡績から染色、機織、整理、縫製までの一貫工場で、高品質な毛織物と紳士服・婦人服を生産する。生産量は織物で年間一六〇万メートル、スーツで年間一二万着だ。
「この一〇年で、弊社の工場は日本の品質レベルを越え、新しい領域に踏み出しています」と、同社の董事総経理である田口正幸氏は話す。
 
    コストでなく技術のため中国へ  
    質の追求を経営理念とするダイドーは、「質を追求するには、得意な領域の中でこそ可能」と軸足をぶらさず、一貫して得意な素材のウールを縦軸としたビジネスを展開してきた。
そのダイドーが、九六年に大同利美特(上海)有限公司を設立した目的は、コスト削減にあったのではない。長年培ってきた技術の救済のためであった。
「当時、会社の業績は好調で、周囲から見ると中国進出する理由は見つからなかったでしょう」(田口氏)
しかし、人材不足が深刻化しつつあった。すでに日本には、厳しい労働条件のもと汗をかきながら働こうという若者がいなくなっていた。
「日本でやっていたら、一〇年後、二〇年後、必ず立ち行かなくなる。その時、慌てても遅い。技術を維持するには中国に行くしかない」
そうした危機感からの進出だった。
 
 
    五年で日本のレベルを越える  
    大同利美特(上海)有限公司が設立されると、日本本社から技術責任者四〇人が投入され、技術移転がはじまった。
「結局、五年掛かりました。技術責任者は本当に良くやったと思います。
技術を継承し終えた弊社は、日本のダイドーの技術、品質レベルをすぐに追い越しました。顧客が日本の工場の製品よりも、われわれのものを高く評価するようになったのです」
設備投資に積極的で、若い吸収力のある人材が集まる同社は、日本の技術の習得を終えると、新たな領域へ踏み出した。
「極めて難易度の高いイタリアン・クラシカル派の注文服の技法を、手抜きのない、こだわった工程に置き換えるため、技術者を招聘しました」
そうした取り組みの成果が、花開いている。日本ではすでに対応できなくなった、特殊な技法の習得に同社は成功した。
「『毛織物』では、イギリスのテーラーロッジ社から整理仕上げの技術指導を受けて来ました。今年に入り、同社よりその技術にお墨付きを貰いました。また、『服装』はイタリアンクラシコなど高度なハンドテーラードの技術を獲得しています」
現在、こうした高い技術力が評価され、フランスの老舗高級紳士服ブランド、アルニスなど世界の一流ブランドからの発注が増えつつある。
 
    世界ブランドから指名され続ける  
    今年は節目の一〇年目。技術的な自信を付けた同社が次に注力するのが、企画開発力の強化だ。
「糸から染色、整理仕上げ、織物、縫製まで自社で企画し、新しい生地を開発していきたいです」
また、情報発信にも力を入れる。直近では、一〇月二五日から上海新国際博覧中心で開催される「INTERTEXTILE SHANGHAI APPAREL FABRICS」に出展し、技術力と製品をアピールする。
田口氏は今後一〇年の目標を、次のように語っている。「技術力企画開発力情報発信力を三位一体で向上させていきたい。そして、世界ブランドから指名され続けるダイドーでありたいです」
 
    DATA
大同利美特(上海)有限公司
上海市松江区方塔北路618号
TEL:021-5774-0088 FAX:021-5774-1660