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■ 新企業所得税について
 
question 2007年3月の第10期全国人民代表大会第5回会議で可決された新『企業所得税法』が公布されましたが、その内容について解説してください。
提供/上海華鐘コンサルタントサービス有限会社
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answer 『企業所得税法』(中華人民共和国主席令第63号、2007年3月16日公布、2008年1月1日施行)は、WTO加盟時の約束である国内企業と外資系企業の所得税率を統一する目的で制定公布され、今後、内外資企業ともに基本所得税率は25%で統一されることになります。
 
1 政策の背景
中国では、これまで内資系企業には旧『中華人民共和国企業所得税法』、外資系企業には、『中華人民共和国外商投資企業及び外国企業所得税法』が適用されて、内外資企業では適用される法律そのものが異なっていました。2001年12月のWTO加盟を機に、外資系企業を内資系企業と同じ条件で扱う「内国民待遇」を実施する事を約束したこと、外資系企業優遇に対する国内の批判が強いことなどから、今回の企業所得税統一となったものです。
 
2 これまでの問題点
基本的には従来も外資系企業も内資系企業も基本企業所得税率は33%でしたが、外資系生産型企業には開発区などの地域的な優遇政策や「2免3減(利益を計上し始めて2年間免税、3年間半減税率を適用)」という制度優遇があり、実効税率は10〜20%で不平等であると内資企業からは不満が多く、またこの内外資税率差を利用し、国内資本が資金を外国に持ち出して国内に再投資して外資系企業を設立するという偽の外資系企業も氾濫しました。
 
3 既存企業優遇政策の過渡的扱い
既存の外資系企業、すなわち新法の公布日である本年3月16日までに批准取得している場合は、2008年より5年間の経過措置が取られて優遇措置継続が実施されます。「2免3減」などの定期的な減免優遇措置については、既に優遇享受を開始している企業には影響ありませんが、これからという企業は2008年が優遇初年度となり、2013年以降は優遇措置が打ち切られることになります。
 
4 新『企業所得税法』について

(1)内外資企業の税率統一

税率は25%に統一されました。条件に符合する小型企業は20%、国家が重点的に支持するハイテク企業は15%、また、非居民企業が中国で設立した機構・場所に関係ない所得を取得した場合、中国の国内源泉分については20%の税率が適用されます。

(2)新税法の優遇政策の実施対象

以下のように優遇政策の概略方針は決められたものの、具体的には「国務院が定める」としており、今後の実施細則などの公布を待つことになります。
@条件に符合する小型企業には、20%の優遇税率を、国家が重点的に支持するハイテク企業には、15%の優遇税率を適用します。また、ベンチャー投資企業の税収優遇を拡大すると共に、環境保護、省エネ・節水、安全生産等の分野に投資する企業に、税収の優遇を実施します。
A農林、牧畜、漁業、インフラへの投資については、税収優遇政策を保留します。
B法に基づいて設置された経済特区や、国務院が既に規定した特殊政策地区(=上海浦東新区など)に新しく設立する、国家が重点的に支持するハイテク企業は、過渡性の優遇を受けることができます。また、国家が既に確定したその他の奨励類企業(=西部大開発地区の奨励類企業)の所得税優遇政策は継続して実施します。
C生産型外資企業の定期的税収減免(2免3減)の優遇政策や製品輸出型外資企業への半額減税優遇政策等は廃止されます。
D環境保護プロジェクトに従事する企業の所得と、条件に符合する企業の技術譲渡所得については、税収減免等の優遇が受けられます。

(3)居民企業と非居民企業の分類

新『企業所得税法』では、外国企業駐在員事務所などの課税について、居民企業と非居民企業という考え方を採用して、両者の企業所得税納税について明確に規定しています。中国に登記する外資系を含む一般企業とその分公司は居民企業、外国企業の駐在員事務所(代表処)やPE(恒久的機構)認定を受けた技術指導本拠地などは非居民企業扱いとなります。

(4)特別納税調整

今回の新『企業所得税法』の特長として注目されるのが、移転価格税制に関する事項を第六章でかなり詳細に規定していることです。これまでも特に外国の親会社との取引きで、中国の外資系企業が移転価格税制により税務局より多額の追徴を受けるケースはかなり多数存在しており、今回の新法施行以後、中国においても本格的な移転価格税制による摘発と追徴が増える可能性がありますので注意が必要です。
新法では、関連企業と取引のある企業は年度納税申告時に「年度の関連企業間業務往来報告表」を提出する義務を明確化するとともに、当該報告を提出しない場合や、虚偽の報告をした場合、税務機関が職権で関連企業間取引の価格を調整することを改めて強調しています。また従来も行なわれていますが、移転価格の事前確認制度(APA)を第42条において制度化しています。
 
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