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各種開発区での乱開発に対する全面的な整理粛正作業が行われ、外資系企業のプロジェクトに対しても大きな影響が出ています。
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| 現在、中国各地の開発区において、そもそも購入した土地使用権は合法的土地か、その土地に建てた工場は合法建築かといった問題をめぐり、各地の外資系企業、開発区管理委員会や地方政府の土地所管部門に激震が走っています。 |
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| 1.外資系企業が現在直面している土地関連問題の概要 |
各地の外資系企業が土地に関連して直面している問題と障害は、プロジェクトの性質とその進展段階によっても様々ですが、典型的なケースは概ね以下の通りです。
(1) 資本金を払い込めばすぐ当地政府土地管理部門との正式な土地使用権購入契約書(開発区と締結する協議書で
はない)を締結するはずであったものが、一向に進展しない。
(2) 工場のレイアウト設計が完了して消防局や環境保護局の同意も得たが、着工に必要な建設許可証が交付されな
い。
(3) 工場建設も終わり、既に操業もしているにもかかわらず、未だに土地使用権証が取得できない。
(4) 開発区が推薦した標準工場で既に操業しているが、非合法建物と言われて賃貸借契約の更新は保証できないと通
告された。
(5) 委託加工先の中国企業の工場が取り壊されると通告を受けた。 |
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| 2.中国における土地問題の背景 |
中国の土地は1949年の新中国成立以降約40年にわたり、基本的には「公有=誰のものでもない」状況が続いて来たものですが、1988年4月12日の第7回全国人民代表大会での憲法草案修正決議(土地流通禁止条項削除)により土地は流通しないという古典的社会主義の考え方に終止符が打たれ、続く1990年国務院第55令による『都市部の国有土地使用権の売却及び譲渡に関する暫定条例』の公布により、土地使用権の売買が行われるようになるに伴い土地開発、不動産事業が中国の経済発展における重要な役割を果し始めた経緯にあります。
以来14年にわたり、全国で開発区という名の大規模工業用地開発、或いは都市部の大規模宅地開発が急速に進んだことで、不動産開発投資が中国のGDP増加において直接的、間接的に占める割合は2.5%以上にも達したと言われていますが、特に近年、政府の土地管理規定を無視した非合法な土地の収用、乱開発、開発区拡大は目に余るものがあり、2003年の初めより今年上半期までに中国政府が全国で摘発した土地収用、開発に関する違法行為は4.2万件、うち既に立件、裁判中の案件が3.2万件あり、また内蒙古自治区を除く全国6,741ヶ所の開発区のうち4,735ヶ所、実にその70%が整理、統合または撤廃されたと報道されています。 |
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| 3.鉄本鋼鉄有限公司の違法建設問題と国務院の対応 |
2004年に入って中国政府は更にこの土地問題の整理整頓を進めると共に、新規批准申請の受け付け停止、新規土地使用権譲渡契約の締結一時停止という強硬措置を取って来ましたが、一連の土地問題に止めを刺したのがいわゆる「鉄本事件」です。
「鉄本事件」とは、2003年6月に工場建設を開始した鉄本鋼鉄有限公司と現地政府及び関連部門が国家の関連法規を遵守せず、総投資額106億元におよぶプロジェクトを22回に分けて分割批准し、土地6,541ムー(約4.35k・)を不法に批准、徴用することで6,000名の農民に立退きを強制し、全体として企業と政府部門が共同で違法プロジェクトを推進したことに対し、プロジェクトは全面停止、関係者は官民を問わず逮捕拘禁という厳しい処分がなされたものです。
この問題に関し温家宝総理は、4月28日に召集した国務院常務会議の席上、「江蘇省及び関連部門の江蘇鉄本鋼鉄有限公司鋼鉄プロジェクト違法建設に関する責任者を処分すると共に、今後更に土地市場の整理粛正と厳格な管理を徹底せよ」と厳重指示したと伝えられ、6月に入っても江蘇省塩城市において「鉄本事件」を上回る7,500ムー(5.0k・)をわずか1,000元/ムーで収用して「上海工業園」を設立する民間プロジェクトが摘発され、これら二つの違法プロジェクト摘発は安易な考えでプロジェクトを進めようとする全国の企業家と開発区、土地管理部門の責任者を震え上がらせることになったのです。
さらに、温家宝総理の厳重通達を受け、国務院は翌日の4月29日に『土地市場管理を粛正し厳格な土地管理を実施する問題に関する緊急通知』(「緊急通知」)を公布、更に5月20日には国土資源部が関係部門の同意を経て『土地市場管理粛正業務を厳格に実施する計画』(「実施計画」)を発表し、各省・市に対し今年10月末までに各項検査を終了し国土資源部が取り纏めて国務院に報告するとしています。 |
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| 4.土地問題の持つ意味 |
各省・市政府はこれらの「緊急通知」と「実施計画」に基づいて、「半年前後の期間をかけて土地市場管理の粛正を実施する」としており、現状は地方政府、開発区、土地管理部門ともに新規の批准や土地使用権証が発行できる状態ではないと推測されますが、重要なことは、特に今年以降の国務院主導による土地問題の整理整頓作業から、ある程度経済成長を犠牲にしても、過去の土地乱脈管理、土地使用権証、建設計画許可証、施行許可証、環境・労働アセスメントが無くてもどんどん工場建設を進めてしまう融通無碍な地方の実態、無秩序さに終止符を打とうとする温家宝総理の強い意志を感じることです。
また、各地区で政府が規定した「投資密度」(1ムー当たりの投資額を規定したもので蘇州では園区53万ドル、新区30万ドル、呉中20万ドルなど)を無視して外資導入に走った開発区の責任も大ですが、国有土地使用権証取得から工場建設設計・施工、工場建屋の財産権登記という一連のプロセスの中で、土地と建物の財産権を保証する「土地建物産権証」を取得していない外資系企業が実に多くあり、投資した以上は何が何でも建設を急ぐ外資系企業にも責任なしとは言えず、土地問題終息の目処は今のところ全く立っておりません。
この土地問題に関する合法性調査とコンプライアンス姿勢が、今後の外資系企業の中国に対する投資行為のリスク管理が大きな柱のひとつになると言えそうです。 |
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