ビジネス特集
日式弁当ブームの黒子役 工場経営に生きがい
周燕莉氏(上海片江食品有限公司・董事長総経理)
周燕莉氏(上海片江食品有限公司・董事長総経理)

「安心、安全、優れた商品を生産するためには、何よりひとの教育が大切」と説く周燕莉氏
上海で店舗展開を進めるローソンの全店舗、300店舗弱に向け、おにぎりや弁当の供給を一手に引き受けるのが上海片江食品有限公司。「見た目がきれいで美味しい日本の食文化を中国に伝えたい」と願う周燕莉・同社董事長総経理は、様々な想いを胸に工場運営に携わっている。
「お弁当」に深い印象
周燕莉氏と日本との関わりは、ひとつの邂逅から始まった。大学卒業後、コンピュータ関係の仕事に就いていた周氏は、旅行会社で働く弟の紹介で福岡の貿易会社社長と知り合い、留学の話しを持ちかけられた。「保証人になるから日本へ留学してみますか」――。日本留学ブームの只中にあった1989年のことである。
周氏は2年間日本に滞在した。最初の1年を福岡郊外の片江で過ごす。標高597メートルの油山の裾野に広がるこの町に周氏は惚れ込んだ。そして、滞在中に食した「お弁当」に中国にはない食文化を見出し、深い印象を受ける。この経験が後の会社経営へと繋がっていく。
「お弁当」に深い印象
周燕莉氏と日本との関わりは、ひとつの邂逅から始まった。大学卒業後、コンピュータ関係の仕事に就いていた周氏は、旅行会社で働く弟の紹介で福岡の貿易会社社長と知り合い、留学の話しを持ちかけられた。「保証人になるから日本へ留学してみますか」――。日本留学ブームの只中にあった1989年のことである。
周氏は2年間日本に滞在した。最初の1年を福岡郊外の片江で過ごす。標高597メートルの油山の裾野に広がるこの町に周氏は惚れ込んだ。そして、滞在中に食した「お弁当」に中国にはない食文化を見出し、深い印象を受ける。この経験が後の会社経営へと繋がっていく。
ローソンとの契約
中国へ帰国後、くだんの貿易会社の社長の出資を得て食品会社を設立、総経理に就く。
給食ビジネスを始め、会社や百貨店などに納入しはじめたが、なかなか品質が安定しない。ビジネスが軌道に乗るまではかなりの年数を要したという。それでも、周氏が恩師とも仰ぐ出資方の社長は、温かなエールを彼女に送り続けた。
2001年、ヤオハンの元代表、和田一夫氏が上海で国際経営塾を開く。塾生として参加した周氏は、ここで上海ローソンの総経理と出会う。周氏の会社に興味を持ったローソン総経理は工場の視察に訪れ、品質や納期、コストなどに関する幾多の質問を浴びせた。これにひとつひとつ誠実に答えた周氏は、販売契約を取り付ける。
これを機に新会社の設立に踏み切り、その名を上海片江食品有限公司と命名した。恩師との邂逅に始まり、自身の人生を大きく変えた第二の故郷への想いを社名に託したのである。
中国へ帰国後、くだんの貿易会社の社長の出資を得て食品会社を設立、総経理に就く。
給食ビジネスを始め、会社や百貨店などに納入しはじめたが、なかなか品質が安定しない。ビジネスが軌道に乗るまではかなりの年数を要したという。それでも、周氏が恩師とも仰ぐ出資方の社長は、温かなエールを彼女に送り続けた。
2001年、ヤオハンの元代表、和田一夫氏が上海で国際経営塾を開く。塾生として参加した周氏は、ここで上海ローソンの総経理と出会う。周氏の会社に興味を持ったローソン総経理は工場の視察に訪れ、品質や納期、コストなどに関する幾多の質問を浴びせた。これにひとつひとつ誠実に答えた周氏は、販売契約を取り付ける。
これを機に新会社の設立に踏み切り、その名を上海片江食品有限公司と命名した。恩師との邂逅に始まり、自身の人生を大きく変えた第二の故郷への想いを社名に託したのである。

2005年末、日本のローソンの出資を受け、工場を2倍の規模に拡大
「天道酬勤」の思いを胸に
創業から7年が経過した。この間、上海のローソン全店舗に向け、おにぎりやすし、「日式弁当」の供給を一手に引き受けてきた。
05年末、同社は日本のローソンの出資を受け、工場を2倍の規模、6,400平方メートルに拡張。現在、日ベースでおにぎり1万7,000食、すし 9,000から1万食、弁当2万食前後というロットまで生産規模を拡大させている。
同社の社員のほとんどは外地出身だが定着率は高い。いったん故郷に戻りながら、再び職場に舞い戻ってきた社員もいるという。
「従業員は家族のようなもの」という周氏は、「家長」であることを何よりの生きがいとしている。
「毎日みんなの笑顔を見て働きたい。そして入社したときは少女といってよかった社員が、成長し家庭も持ち、『周さん、あなたと仕事ができてよかった』と言ってくれたら本当にうれしい」
「ひと・モノ・時間」という経営資源のなかでも「最も大切なのはひと」という周氏。安心、安全でみんなが喜ぶ優れた商品を生産するためには、なによりひとの教育が大切だと説く。自ら選んだ自己啓発書をテキストに、社員に講義を行うこともある。周氏の笑顔には屈託がなく、心の底から仕事を楽しんでいるように見える。
工場の入口の壁に一枚の書が掛けられていた。
「天道酬勤」――勤勉に働けばきっと報われる。
創業から7年が経過した。この間、上海のローソン全店舗に向け、おにぎりやすし、「日式弁当」の供給を一手に引き受けてきた。
05年末、同社は日本のローソンの出資を受け、工場を2倍の規模、6,400平方メートルに拡張。現在、日ベースでおにぎり1万7,000食、すし 9,000から1万食、弁当2万食前後というロットまで生産規模を拡大させている。
同社の社員のほとんどは外地出身だが定着率は高い。いったん故郷に戻りながら、再び職場に舞い戻ってきた社員もいるという。
「従業員は家族のようなもの」という周氏は、「家長」であることを何よりの生きがいとしている。
「毎日みんなの笑顔を見て働きたい。そして入社したときは少女といってよかった社員が、成長し家庭も持ち、『周さん、あなたと仕事ができてよかった』と言ってくれたら本当にうれしい」
「ひと・モノ・時間」という経営資源のなかでも「最も大切なのはひと」という周氏。安心、安全でみんなが喜ぶ優れた商品を生産するためには、なによりひとの教育が大切だと説く。自ら選んだ自己啓発書をテキストに、社員に講義を行うこともある。周氏の笑顔には屈託がなく、心の底から仕事を楽しんでいるように見える。
工場の入口の壁に一枚の書が掛けられていた。
「天道酬勤」――勤勉に働けばきっと報われる。
ビジネス特集 08年2月号一覧
情報提供:
Whenever CHINA 08年2月号
Whenever CHINA 08年2月号2008/3/10 更新









