ビジネス特集

中国経済は2007年も高い成長を維持、GDPの伸び率は通年で11%を上回ったとされる。一方で消費者物価指数(CPI)の上昇に見るように、これまでになかったリスクが顕在化した年になった。しかしサブプライムローンなどで足元を揺るがされ不安材料に尽きない世界経済に対して、「北京五輪」効果が期待されている中国経済は08年も引き続き2ケタ成長を維持すると予想されている。本新春特集では、各業界動向や08年の市場予測をテーマに10名の方から見解を伺った。
輸出依存度の推移
輸出依存度=輸出総額/名目GDP(年)
世界第3位のGDP大国に 高い成長の陰でリスク顕在化
輸出依存度=輸出総額/名目GDP(年)
中国経済は2007年も高い成長を維持した。1―9月(第3四半期)のGDPは16兆6,043億元で、前年同比11.5%増。第4四半期も堅調に推移したことから、GDPの伸び率は通年で11%を上回るとの見方が大勢を占める。これにより、GDPはドイツを上回り、米国、日本に次ぐ世界第3位の座も射程内に入った。
貿易額の伸びも堅調だ。第3四半期の対外貿易総額の伸長率は23.5%で、貿易黒字が1,875億米ドル(前年同月比69%増加)、外貨保有高は1兆4,336億米ドルとなった。07年に世界第2位の貿易大国になる可能性もでてきた。
一方、07年は従来にはない経済成長のパターンも現れた。全面ドル安の為替動向のもとで貿易黒字は増加、外貨収入の増加や銀行貸出の伸張など過剰流動性が、株と不動産資産の価格高騰を招いている。さらに、消費者物価指数(CPI)も高い上昇を見せた。
CPIの推移

2007年11月のCPIは前年比6.9%の上昇で、11年ぶりの高水準。インフレ高進が懸念されている

2007年11月のCPIは前年比6.9%の上昇で、11年ぶりの高水準。インフレ高進が懸念されている
GDP成長率2003年以降、2ケタ成長を維持
1−9月(第3四半期)のGDPは16兆6043億元で、前年同月比11.5%増。第4四半期も好調に推移したことから、GDPの伸び率は通年で11%を上回るとの見方が大勢。経済開発協力機構(OECD)は2007年11.4%、2008年10.7%の成長率を予測
安定成長の舵取りを進め08年も高水準の成長
1−9月(第3四半期)のGDPは16兆6043億元で、前年同月比11.5%増。第4四半期も好調に推移したことから、GDPの伸び率は通年で11%を上回るとの見方が大勢。経済開発協力機構(OECD)は2007年11.4%、2008年10.7%の成長率を予測
07年月のCPIは、前年比 6.9%の上昇で、11年ぶりの高水準に達した。豚肉や食用油などの原材料の価格上昇に端を発した CPIの上昇は、もはや食品価格にとどまらず、中国経済全体に影響を及ぼし、インフレ高進の懸念さえ強まることになった。
外資企業を取り巻く事業環境も変貌を見せる。税制面などでの外資優遇策が見直されたほか、労働契約法の施行などにともない労働コスト上昇の可能性も指摘されている。また、環境問題の顕在化で、対策に追われる企業が出てきているほか、「チャイナプラスワン」に見られる製造拠点の移転も潮流になっている。
世界経済に目を向ければ、原油高やサブプライムローン(信用度の低い個人向け住宅融資)問題で暗雲が立ち込める米国経済がある。70年代オイルショックをきっかけに発生したスタグフレーションの再来を警戒する声も聞かれる。しかし、北京オリンピックを控える08年、中国経済は安定成長への舵取りを進めながら、引き続き高水準の成長を維持していくであろう。加熱する景気に対して、政府は金融引き締めと緩やかな元高許容により対応を図っていくものと思われる。(Whenever CHINA編集部)
※図表は国家統計局などのデータを基に編集部で作成
ビジネス特集 08年1月号一覧
情報提供:
Whenever CHINA 08年1月号
Whenever CHINA 08年1月号2008/2/25 更新










