上海ウェネバーオンライン ビジネス
中国ビジネス情報満載!!
Whenever ONLINEビジネスHP >> ビジネス特集 一覧 >> 新春特集:私はこう見る2008年"中国商流" >> 【製造業】日系中小製造業の商機拡…
ビジネス特集
新春特集:私はこう見る2008年"中国商流"
【製造業】日系中小製造業の商機拡大 中国に根を張る基礎作りの年に
GiS信息科技(上海)有限公司 董事長 中村和彦 氏

GiS信息科技(上海)有限公司 董事長 中村和彦 氏
ここに注目!
「逆三角形」構造で日系中小企業にビジネスチャンス
今年の課題は「人づくり」。労働契約法を活用すべき

量から質の追求へ――中国の製造業は転換期を迎えている。「逆三角形」構造の中、日系中小企業に商機が巡ってきている。ダイナミックに変化する環境で、グローバル企業としての視野を持つ企業が更なる飛躍を遂げるだろう。今後、生き残るためのカギになるのが人材。労働契約法をきっかけに中国に根を張る基礎作りをしたい。

"量"から"質"への転換期 「逆三角形構造」の中国
中国の製造業は、大きな曲がり角を迎えている。ここ数年で "量重視"から "質重視"への構造的変化が見られ、一部では「安かろう、悪かろう」から脱皮し、驚かされるような高品質を生み出している。
日本と中国の製造業界には、大きな違いがある。以前の中国では国営企業体制で、企業配列を意味する業界の「三角形構造」が国営企業を頂点とする中小企業のいない「逆三角形」体制となっていた。
このため、製造業界自体に競争原理がない状態だった。こうした環境下で、80年代後半に進出した日系企業は協力工場の確保に大変苦労し、日本では考えられないような業務まで社内で対応することになった。この逆三角形は歪にはなりつつあるが、現在も変わっていない。2010年前後までは続いていくものと思われる。
中国に限らず、アジアに進出した日系企業が苦労するのが、この様な製造業界のインフラ環境の違いである。日本でもそうだが、セットメーカーを支えるのは部品加工業者であり、製造業がその国に根を張るためには、大手メーカーを支える地場の中小企業の広がりが必要不可欠である。
ただ、アジア地域では地場中小企業の独自発展を望むことは、非常に気の長い話しだ。こうした中、業界の「すき間」を他国企業が埋めているが、需要と供給のバランスはなかなか取れていない。
私は台湾地区、韓国、フィリピン、マレーシア、タイと見ているが、このアンバランスの問題を中国が一番早く解決できると確信している。なぜならば、巨大な市場を確保するために各国の大手企業が進出し、需要と供給のバランスが崩れているが、その間隙を埋めるが如く他国の中小企業も多数進出しているからである。
この視点に立つと、中国は"メイドインジャパン"を作った日本の中小製造企業にとって、世界中の大手企業と取引するビジネスチャンスが広がっている場といえる。

中国と日本の企業ピラミッドの違い
大きな変化の中、グローバル企業として飛躍するチャンス
日本では、系列構造で伸びてきた大手メーカーがバブル景気以降、企業系列を放棄し、「系列優先の企業体制」から「技術・価格優先」に変わったことが、日本の中小製造企業にとり大きなチャンスとなった。「バブルが弾けて良かった組」などという言葉も生まれている。
ビジネスチャンスは変化のあるところに常に生まれるが、中国はいままさにその時を迎えようとしている。
以前であれば、日本のセットメーカーは中国から部品を調達して、日本で組み立てをしていたが、この数年多くの日系企業が業界内でのコスト競争に走り、人件費の安い国という認識でセット工場まで中国に設け始めている。また、中国国内市場の発展により、最新機種までも現地生産対応にせざる負えなくなり、安い部品の輸入先から逆に日本からの高い部品の輸入先へと変貌している。
このような変化の激しい市場にある製造業界では、今後グローバルな視野が持てず、過去の体制を引き摺るような企業は淘汰されるだろう。一方で先見性を持つ企業はグローバル企業としての位置付けを確保することで、飛躍を遂げるチャンスが巡って来ている。

中国でも高度なオペレーションが迫られている。
組織として必要な能力分析は必須u
モノ作りは人づくりが原点 日本式グローバル企業へ
多くのメーカーは競争力確保のため、現地調達先の確保に日々苦労をしている。現状、現地調達比率は「7対3」の企業でも、調達価格比率でいうと「3対7」という非常に厳しいケースも散見される。
厳しい現実の中で、生き残る企業と淘汰される企業の差はどこにあるのだろうか?当然のことだが、企業の基本である人材の育成の一言に尽きる。
私はアジア各地を訪問し、日系製造企業の状況を見ながら絶えずこの問題を考えてきた。その結果、日系製造業の問題点は、「レール」は見せても「夢」を見せられない「サラリーマン企業」の体質にあることに気が付いた。残念ながらこうした問題を抱える企業では、この中国でも「群れの掟」を守れても「創る」ことはできないのである。中国と日本の違いは、「個の文化」と「群れの文化」の差であり、この点が理解できず、問題解決できない企業が多く見られる。
中国では「教えたのに辞められてしまう。社員に教えてもどうせ直ぐ辞めるから教育はムダ」との声を多く耳にする。しかし社員には辞めるだけの理由があるという事実を理解し、対策を考えない限りいつまでたっても問題は解決しないだろう。「社員が直ぐ辞める」「人が育たない」という現象だけを見つめ、人材教育を放棄する企業が多く見受けられるが、こうした企業は今後まず淘汰の対象となっていくだろう。
では、どうすれば良いのか?日系企業が持つ人材育成の基本的な考え方を軸に、欧米式のビジネス感覚を取り入れた「日本式グローバル企業」を作ることが必要だろう。そのためにも、日本の製造業として「モノ作りは人づくり」という製造業の原点に戻ることが必要だと考える。それを実行するには、人の能力に依存するのではなく、中国の現実に合った組織の仕組みを考えることが必須だ。
労働契約法律をきっかけに 中国で根を張る基礎作りを
中国の製造業は、「世界の工場」から「世界の市場」へと変化する中で、従来の安価な人材を利用した大量生産型のビジネスから、より高度なオペレーションを迫られるようになっている。今年からは労働契約法の問題もあり、企業として社員に対する考え方を変えていかなければならない。
労働契約法を社員の目から見ると、従来一年更新の短期雇用としての不安定な就労から、将来を設計できる就労に変わる良い機会である。その観点から企業・社員共に考え、企業体質の見直しを考える良いきっかけにするべきではないだろうか。
ただ、中国だけではなく日本以外の地域では、「仕事は仕事」というビジネスな価値観があり、割り切った考え方を持つことも必要である。その場しのぎの対応ではなく、英断を持って未来を切り開く気持ちがないと、中国の厳しい競争に生き残ることができないだろう。技術の蓄積が基本の製造業では、人がいなくては成り立たない。08年を、中国に根を張るための基礎作りの年としたい。
中村和彦 氏(なかむら・かずひこ)
1961年東京生まれ。83年より金型企業で設計・製造に従事。88年金型部品工場を起業。92年東南アジア4カ国を指導訪問。02年中国製造業情報企業の総経理に就任。06年在中国日系企業服務中心の初代名誉会長に就任。06年G.i.S信息科技(上海)有限公司を設立。

G.i.S信息科技(上海)有限公司
上海市浦東新区浦東南路855号世界広場8階F.G座
[電話] 021-6888-0701
[FAX] 021-6888-0702
[URL] http://www.gis-china.com.cn
ビジネス特集 08年1月号一覧
情報提供: Whenever CHINA 08年1月号
2008/2/25 更新
中国ビジネストピックス
巻頭インタビュー
業界インタビュー
中国業界人記事
ビジネスイベント
コンサルティング 中国
IT 中国
製造 中国
物流 中国
マーケティング 中国
Campany Review 中国
飲食 中国
ビジネス連載