ビジネス特集
「有機」ニーズに確かな高まり、"信頼性""認証の混乱"等課題も
上海星輝蔬菜有限公司は、上海郊外で無公害野菜と有機野菜を生産している。これまで輸出メインだったが、今年から国内市場にターゲットを絞った。一方、上海崇本堂農業科技有限公司は2003年より有機野菜を国内市場向けに展開、昨年の年間生産量は約400トンと華東地区最大規模である。両社の取材から、有機野菜へのニーズの確かな高まりとともに、市場拡大の足かせとなる "課題"もいくつか浮かび上がった。

上海都市菜園のビニールハウスで有機栽培されるキュウリ。作業員が受粉作業に精を出している
上海郊外に「野菜テーマパーク」出現
上海市の中心から南に車を走らせること二時間余り、杭州湾を目前に、それまで続いた工業地帯が農村の風景に一変する。有機肥料の匂いが微かに漂うここ奉賢区海興路に今年九月末、野菜を主題にしたテーマパークを抱する「上海都市菜園」がオープンした。
「これだけ大規模な野菜テーマパークは世界でもここだけでしょう。46.7ヘクタールの敷地に農耕博物館から野菜栽培・収穫体験コーナー、レンタル家庭菜 園、漬け物制作教室、釣り堀まで揃えている」
こう胸を張るのは、上海都市菜園を運営する上海星輝蔬菜有限公司の陳林兵・人力資源管理師だ。出足は好調で、平日には修学旅行生や企業の研修旅行団が、週末になると家族連れが市内から訪ねてくる。
上海市の中心から南に車を走らせること二時間余り、杭州湾を目前に、それまで続いた工業地帯が農村の風景に一変する。有機肥料の匂いが微かに漂うここ奉賢区海興路に今年九月末、野菜を主題にしたテーマパークを抱する「上海都市菜園」がオープンした。
「これだけ大規模な野菜テーマパークは世界でもここだけでしょう。46.7ヘクタールの敷地に農耕博物館から野菜栽培・収穫体験コーナー、レンタル家庭菜 園、漬け物制作教室、釣り堀まで揃えている」
こう胸を張るのは、上海都市菜園を運営する上海星輝蔬菜有限公司の陳林兵・人力資源管理師だ。出足は好調で、平日には修学旅行生や企業の研修旅行団が、週末になると家族連れが市内から訪ねてくる。

「有機野菜の出荷は安定しているが、まだまだこれからだ」と話す、上海星輝蔬菜有限公司の陳志貴・辧公室主任
上海市場向け有機野菜を出荷
このテーマパークは上海都市菜園の一部分に過ぎない。周辺には1,000ヘクタールの露天農地と、200ヘクタールのビニールハウスが広がっている。ここで、上海市場に出荷される無公害野菜が年間7万トン、有機野菜が年間130トン生産されている。
上海星輝蔬菜有限公司は、乳飲料で知られる光明食品集団の傘下にある農業法人。1992年に野菜の生産を始め、 日本や東南アジア各国への輸出を事業の主軸としてきた。日本の輸入先の厳しい品質要求に応えながら、生産技術を高めてきた。
このテーマパークは上海都市菜園の一部分に過ぎない。周辺には1,000ヘクタールの露天農地と、200ヘクタールのビニールハウスが広がっている。ここで、上海市場に出荷される無公害野菜が年間7万トン、有機野菜が年間130トン生産されている。
上海星輝蔬菜有限公司は、乳飲料で知られる光明食品集団の傘下にある農業法人。1992年に野菜の生産を始め、 日本や東南アジア各国への輸出を事業の主軸としてきた。日本の輸入先の厳しい品質要求に応えながら、生産技術を高めてきた。

今年9月末、上海市奉賢区海興路にオープンした上海都市菜園の入口
昨年、日本で反中国野菜の動きが盛り上がった煽りを受け、日本への輸出が完全ストップ、大きな損害を被っている。このため同社ではリスクの高い輸出から、安定した国内市場にターゲットを切り替えようと、事業転換を図っているところである。
同社が生産する無公害野菜と有機野菜は現在、グループ会社が運営する野菜専門店「都市菜園」(詳細ページ)を通じ、上海市民に販売されている。陳志貴・同社辧公室主任は、「顧客対象は一般市民。出荷は安定しているが大きな伸びには至っておらず、まだまだこれからといったところ」と話す。
陳・主任によれば、90年代上海周辺の農村で有機野菜の栽培が流行を見たが、2001年以降多くの農園が栽培を放棄している。その原因として、国内市場が未成熟なこと、害虫被害など栽培の難易度の高さ、野菜苗のコスト高などが挙げられるという。
市民の生活水準の向上に伴い、有機野菜を含めた健康食品のニーズが高まってきていると陳・主任は感じている。但し、市場がブレークスルーするかは予断を許さない。
「市場にはまがい物も出回り、混乱が続いている。信頼される商品を流通できなければ、消費者にソッポを向かれる可能性を否めない。市民の無公害野菜や有機野菜への知識は乏しいため、正しい知識の"啓蒙活動"が求められている」
同社が生産する無公害野菜と有機野菜は現在、グループ会社が運営する野菜専門店「都市菜園」(詳細ページ)を通じ、上海市民に販売されている。陳志貴・同社辧公室主任は、「顧客対象は一般市民。出荷は安定しているが大きな伸びには至っておらず、まだまだこれからといったところ」と話す。
陳・主任によれば、90年代上海周辺の農村で有機野菜の栽培が流行を見たが、2001年以降多くの農園が栽培を放棄している。その原因として、国内市場が未成熟なこと、害虫被害など栽培の難易度の高さ、野菜苗のコスト高などが挙げられるという。
市民の生活水準の向上に伴い、有機野菜を含めた健康食品のニーズが高まってきていると陳・主任は感じている。但し、市場がブレークスルーするかは予断を許さない。
「市場にはまがい物も出回り、混乱が続いている。信頼される商品を流通できなければ、消費者にソッポを向かれる可能性を否めない。市民の無公害野菜や有機野菜への知識は乏しいため、正しい知識の"啓蒙活動"が求められている」

上海都市菜園では上海市場に出荷される無公害野菜が年間7万トン、有機野菜が年間130トン生産されている
年産400トンの「錦菜園」ブランド
華東地区にて「錦菜園」のブランド名で有機野菜を生産出荷しているのが、上海崇本堂農業科技有限公司だ。上海在住の日本人には、久光百貨店の食品売場で独占的に有機野菜を販売する企業といえば、通りが良いかもしれない。
同社は98年、日系の農業法人として創業、03年より有機野菜の生産を開始している。05年、ドイツ人のGuy Wiener 氏らが買収し、100%独資本の会社に生まれ変わった。
同社は、上海市松江区に15ヘクタールの農場を所有するほか、山東省に契約農地を抱えている。年間生産量は約 400トンで、有機野菜の生産法人としては華東地区で最大規模だ。
販売チャネルは久光百貨店、友誼商城、カルフール、ウォルマート、楽購、易初蓮花、世紀聯華など外資系スーパーが中心で、40余りの売場で販売されている。李秀敏・同社市場部経理は、「顧客対象は外国人と地元のホワイトカラーで、割合は 6対4くらい。地元消費者の割合が増える方向にある」と説明する。
華東地区にて「錦菜園」のブランド名で有機野菜を生産出荷しているのが、上海崇本堂農業科技有限公司だ。上海在住の日本人には、久光百貨店の食品売場で独占的に有機野菜を販売する企業といえば、通りが良いかもしれない。
同社は98年、日系の農業法人として創業、03年より有機野菜の生産を開始している。05年、ドイツ人のGuy Wiener 氏らが買収し、100%独資本の会社に生まれ変わった。
同社は、上海市松江区に15ヘクタールの農場を所有するほか、山東省に契約農地を抱えている。年間生産量は約 400トンで、有機野菜の生産法人としては華東地区で最大規模だ。
販売チャネルは久光百貨店、友誼商城、カルフール、ウォルマート、楽購、易初蓮花、世紀聯華など外資系スーパーが中心で、40余りの売場で販売されている。李秀敏・同社市場部経理は、「顧客対象は外国人と地元のホワイトカラーで、割合は 6対4くらい。地元消費者の割合が増える方向にある」と説明する。

上海崇本堂農業科技有限公司の李秀敏・市場部経理。「認証制度の整備が課題」と指摘
急がれる認証制度の整備
「錦菜園」ブランドは、上海、蘇州、無錫、杭州、寧波、紹興で販売されている。そのうち、上海市場が占める割合は7割に及ぶ。「価格は一般の野菜の3倍から5倍くらいする。店頭販売のほか、宅配サービスも行っている。宅配の利用は外国人のお客様が多い」 (李氏)
同社では、IFOAM(国際有機農業運動連盟)の規定に則り有機野菜を生産、すべての生産品がIFOAMの認可する OFDC(南京国際環境有機産品認証中心)と、中国品質認証中心からの認定を受けている。
「錦菜園」ブランドは、上海、蘇州、無錫、杭州、寧波、紹興で販売されている。そのうち、上海市場が占める割合は7割に及ぶ。「価格は一般の野菜の3倍から5倍くらいする。店頭販売のほか、宅配サービスも行っている。宅配の利用は外国人のお客様が多い」 (李氏)
同社では、IFOAM(国際有機農業運動連盟)の規定に則り有機野菜を生産、すべての生産品がIFOAMの認可する OFDC(南京国際環境有機産品認証中心)と、中国品質認証中心からの認定を受けている。

上海の久光百貨店で販売される有機野菜の「錦菜園」ブランド
李氏は、有機野菜への市民の信頼性の低さが、販売の足かせになっていると訴える。
「国内には20余りの有機野菜の認証機構が存在し、どの認証が信用に足るのか消費者は混乱している。また、認証タグを勝手にパッケージに掲載している企業もあり、認証制度の整備が課題になっている。弊社では、売場でPOPを置き、『錦菜園』ブランドが国際認証を受けた正真 正銘の有機野菜だと訴えている」
現在売場数の拡大に伴い、売上げを伸ばしている。今年上半期、売上高は前年同月比20%増で伸張した。今年年内には、蘇州の3つのスーパーで販売開始を予定している。
同社では今後、「錦菜園」ブランドの生産品種を増やしながら売場拡大に努め、市民への有機野菜の浸透に取り組んでいくという。
「国内には20余りの有機野菜の認証機構が存在し、どの認証が信用に足るのか消費者は混乱している。また、認証タグを勝手にパッケージに掲載している企業もあり、認証制度の整備が課題になっている。弊社では、売場でPOPを置き、『錦菜園』ブランドが国際認証を受けた正真 正銘の有機野菜だと訴えている」
現在売場数の拡大に伴い、売上げを伸ばしている。今年上半期、売上高は前年同月比20%増で伸張した。今年年内には、蘇州の3つのスーパーで販売開始を予定している。
同社では今後、「錦菜園」ブランドの生産品種を増やしながら売場拡大に努め、市民への有機野菜の浸透に取り組んでいくという。
ビジネス特集 07年12月号一覧
情報提供:
Whenever CHINA 07年12月号
Whenever CHINA 07年12月号2007/12/19 更新









