ビジネス特集
特集総論

中国有機農業と非有機農業の成長率
出所:上海博葵生物科技有限公司
今後五年が「有機」市場の成長期? 「輸出」から「内販」の動き顕著に
経済発展による生活水準の向上や、食の安全を脅かす諸般の問題などにより、一般消費者の有機農作物への関心が高まっている。中国で最も権威のある有機認証機関のひとつ、南京有機認証中心は、 2008年から12年の5年間を中国における「有機」市場の成長期と位置づける。左のグラフの通り、近年非有機農業は成長率を大きく下げている一方、有機農業は20%強で安定している。
中国では、有機作物は三つに区分されている。化学合成肥料や農薬を完全に排除して栽培される「有機」、人体に無害の範囲内で化学肥料を使用する「緑色」、消費者と環境に害を与えない、最低限の農薬を使用する「無公害」である。これら有機作物の栽培が中国で始まったのは、90年代にさかのぼる。主にアジア地域への輸出を目的としたもので、上海近郊の農村では01年頃まで一時的な流行を見る。
近年は、国内の消費者ニーズの高まりや輸出リスクの回避のため、国内市場をターゲットに有機産品を栽培する動きが顕著になっている。
課題抱える黎明期の市場、認証制度の整備が急がれる
今回の特集では、有機野菜や有機米を生産販売する農業法人を取材した。いずれも出荷量を伸ばし、手ごたえをつかんでいるようだったが、際立った成長には至っておらず、まさに黎明期の市場という印象を受けた。
有機野菜を生産する農業法人として華東地区最大規模の上海崇本堂農業科技有限公司(詳細ページ)は、年間400トンを生産、売上高を年率約20%で伸ばしている。ところが、顧客の構成比はまだ約6割が外国人で、地元消費者の開拓はこれからというのが現状だ。
農業法人が市場拡大の阻害要因として挙げるのが、認証制度の混乱と消費者の有機作物への不信感だ。上海崇本堂農業科技有限公司の李秀敏・市場部経理によれば、中国には有機認証機関が20余りも乱立しているという。中には認証を勝手に利用する農業法人も見受けられ、どれが信頼できる認証なのか混乱を招いている。まがい物も市場には見られ、有機作物に不信感を抱く消費者は少なくない。
こうした問題が続けば、有機作物の市場そのものが危ぶまれると、危機感を持つ関係者が少なくないが、いまだ「業界規格化」の動きは見られない。
経済発展による生活水準の向上や、食の安全を脅かす諸般の問題などにより、一般消費者の有機農作物への関心が高まっている。中国で最も権威のある有機認証機関のひとつ、南京有機認証中心は、 2008年から12年の5年間を中国における「有機」市場の成長期と位置づける。左のグラフの通り、近年非有機農業は成長率を大きく下げている一方、有機農業は20%強で安定している。
中国では、有機作物は三つに区分されている。化学合成肥料や農薬を完全に排除して栽培される「有機」、人体に無害の範囲内で化学肥料を使用する「緑色」、消費者と環境に害を与えない、最低限の農薬を使用する「無公害」である。これら有機作物の栽培が中国で始まったのは、90年代にさかのぼる。主にアジア地域への輸出を目的としたもので、上海近郊の農村では01年頃まで一時的な流行を見る。
近年は、国内の消費者ニーズの高まりや輸出リスクの回避のため、国内市場をターゲットに有機産品を栽培する動きが顕著になっている。
課題抱える黎明期の市場、認証制度の整備が急がれる
今回の特集では、有機野菜や有機米を生産販売する農業法人を取材した。いずれも出荷量を伸ばし、手ごたえをつかんでいるようだったが、際立った成長には至っておらず、まさに黎明期の市場という印象を受けた。
有機野菜を生産する農業法人として華東地区最大規模の上海崇本堂農業科技有限公司(詳細ページ)は、年間400トンを生産、売上高を年率約20%で伸ばしている。ところが、顧客の構成比はまだ約6割が外国人で、地元消費者の開拓はこれからというのが現状だ。
農業法人が市場拡大の阻害要因として挙げるのが、認証制度の混乱と消費者の有機作物への不信感だ。上海崇本堂農業科技有限公司の李秀敏・市場部経理によれば、中国には有機認証機関が20余りも乱立しているという。中には認証を勝手に利用する農業法人も見受けられ、どれが信頼できる認証なのか混乱を招いている。まがい物も市場には見られ、有機作物に不信感を抱く消費者は少なくない。
こうした問題が続けば、有機作物の市場そのものが危ぶまれると、危機感を持つ関係者が少なくないが、いまだ「業界規格化」の動きは見られない。

整備縮小が進む上海の自由市場
「三農問題」に本腰入れる政府、魅力ある農業ビジネス構築に向けて
中国では都市と農村の所得格差や農業の近代化の遅れなど、農業、農村、農民の問題、「三農問題」を抱えている。この解決に向け、政府は積極的な政策を打ち出し始めた。
国家統計局上海調査総隊が10月末に発表したところによると、上海市の農村住民の07年第三四半期の可処分所得は 8,495元で、前年同月比10.3%増で改善している。上海市政府が非農業への就職を進め、農民の就業状況が改善したことが要因となった。
中国では都市と農村の所得格差や農業の近代化の遅れなど、農業、農村、農民の問題、「三農問題」を抱えている。この解決に向け、政府は積極的な政策を打ち出し始めた。
国家統計局上海調査総隊が10月末に発表したところによると、上海市の農村住民の07年第三四半期の可処分所得は 8,495元で、前年同月比10.3%増で改善している。上海市政府が非農業への就職を進め、農民の就業状況が改善したことが要因となった。

農村の労働力の高齢化が進む。上海郊外の農村にて
こうした明るいニュースがある一方、若年労働力の非農業への流出が労働力の 高齢化が深刻になっているのも事実。華東地区で有機米を生産販売する上海博葵生物科技有限公司(詳細ページ)の羅効正・総経理は、中国大陸で農業ビジネスを展開する困難として「有能な労働力の確保」を挙げている。
「若者は近郊の工場に働きに出て、農業に従事したがらない。優秀な人材が農業に集まらない傾向がある」
魅力ある農業ビジネスのモデルを構築し、農村に優秀な人材を呼び戻す――これも三農問題の重要なテーマである。「有機」という付加価値で、農業ビジネスに挑む農業法人は、ひとつのケーススタディとして注目を浴びている。
「食の安全」「労働力の確保と教育」などさまざまな課題を背負いつつ、有機農業法人はアグリビジネス――農業の産業化――に挑もうとしている。
「若者は近郊の工場に働きに出て、農業に従事したがらない。優秀な人材が農業に集まらない傾向がある」
魅力ある農業ビジネスのモデルを構築し、農村に優秀な人材を呼び戻す――これも三農問題の重要なテーマである。「有機」という付加価値で、農業ビジネスに挑む農業法人は、ひとつのケーススタディとして注目を浴びている。
「食の安全」「労働力の確保と教育」などさまざまな課題を背負いつつ、有機農業法人はアグリビジネス――農業の産業化――に挑もうとしている。
ビジネス特集 07年12月号一覧
情報提供:
Whenever CHINA 07年12月号
Whenever CHINA 07年12月号2007/12/19 更新










