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華「外」圏出身 〜中国ビジネスパーソン列伝〜
中国に根付くための秘訣 最高の財産は「哥們儿」
中国滞在を始めて今年で九年目となるクレイグ・ワッツ氏は日本語、中国語に精通するアメリカ人だ。これまで上海、北京を舞台に通信社、ITコンサル企業の立ち上げ、インターネット・サービス企業の海外顧客開発、交渉などに従事、現在は中国初の民間ビジネススクール・長江商学院で海外広報戦略の策定などを担当する。

クレイグ・ワッツ氏(長江商学院・国際マーケッティング&コミュニケーション主任補佐)
台北留学で募らせた大陸への想い
後ろ盾もなく、裸一貫で中国社会を渡り歩いてきたグレイブ・ワッツ氏。自ら起業も経験、中国ビジネスの難しさを肌身で体験してきた。しかし、自らの存在を支えてくれているのは「哥們儿」(仲間)たちという信念は変えない。その財産の大切さをワッツ氏は強く訴える。
そんな彼の中国との縁は母国アメリカでの大学時代に遡る。とりわけアジアの人たちと交流する機会が多かったという。改革開放の道を歩み始めた中国に大きな将来性を感じ、中国語の学習も開始。1989年には台北で3カ月間の短期留学も経験している。
「当時は中国大陸へ行くのが難しかったのです。中国語の学習を続けながら大陸へ行ってみたいという気持ちが募りました」(ワッツ氏)

中国ビジネスへの船
念願の大陸へ降り立ったのは翌年の90年のことだ。香港から船で広州へ向かい、そこから桂林、昆明など7都市をまわった。
「この時の旅は今でも忘れられません。学生でしたのでバックパックを担いでの貧乏旅行でしたが、旅の醍醐味を存分に満喫でき、中国に強く惹きつけられたものです。ちなみに6週間中国を渡り歩いた後、1週間ほど日本に滞在したのですが、(中国での6週間より)数倍もお金がかかったのにはたまげました」―― ワッツ氏は笑いながらその時の思い出を語る。
アメリカで修士を取得、92年から99年までは日本に滞在。大阪大学大学院の博士課程を修了する。そして99年、中国に移住。上海の大学で半年間中国語を学んだ後、通信社で海外投資家向けに中国のビジネス情報を発信する記者の仕事に就いた。「(アメリカ、日本、中国滞在を通して)初めて本格的に取り組む仕事でした。当時、上海はものすごいスピードで成長しており、それを追いかけるのに必死でしたが、とにかく楽しかったという記憶のほうが強く残っています」(ワッツ氏)。

異文化コミュニケーション
01年には北京へ。北京ではコンサルティング会社にしばらく勤務した後、独立して中国人パートナーと一緒に会社を設立。ここでは中国でビジネスをすることの難しさをひしひしと感じたという。
「大変だったのは異文化コミュニケーションです。言葉ができることとコミュニケーションが取れることは違うことを痛感しました」とワッツ氏は語る。
「いくら中国語ができても、中国人の考え方や仕事のやり方を理解しなければコミュニケーションは取れません。お互いの目標や方向性の違いをどうやって埋めるか、本当に苦労しました。思いも寄らなかった事態に直面することが頻繁にあり、大きな海に漕ぎ出た小舟のように行き先も分からない漂流状態にあったといえるかも知れません。不安だらけの毎日。それでも、一緒に苦労した仲間、そして仕事を通じて知り合った友人がかけがえのない宝となったのです」(同)
中国ビジネスに取り組んでいく上で、なによりも大切なのは仕事を通して友人を作ることだとワッツ氏は語る。立ち上げたコンサルティング会社を中国人パートナーに譲った後は、インターネット・サービス会社やモバイル広告会社に勤め、海外との交渉を担当した。ワッツ氏の転職は、すべて仕事を通してできた関係から発展したものだ。
「ビジネスに取り組む上で時として疑いが生ずるのはつきものですが、人間関係においては(相手を)信じほうがいい。中国人は積極的に友情を結ぼうとしてくれる。私の中国での一番の財産は『哥們儿』です」(ワッツ氏)
現在、ワッツ氏が挑む中国ビジネス、それはアジアを代表する企業家である李嘉興(リ・カーシー)が手がける、中国初の民間ビジネススクール・長江商学院が舞台だ。彼はここで海外広報戦略の策定などを担う。アメリカ、日本、中国を通じて培ってきた彼の経験がすべて活かせる舞台といえるだろう。
オフタイムには、「哥們儿」を時おり自宅に呼んでパーティーを開いたり、ヨガのトレーニングに勤しんだりするというワッツ氏。持ち前の柔軟性を十二分に発揮、英語・中国語・日本語を自由に操りながら、すっかり中国社会に根付く人となっている。(取材/絢文)
クレイグ・ワッツ 氏
プロフィール…アメリカ・ユタ州出身。1999年、大阪大学大学院博士課程卒業後、中国に移住。通信社、ITコンサルティング、インターネット・サービス会社等を経て現在、長江商学院にて海外広報戦略の策定などの業務に従事する。日本語、中国語に精通。中国滞在は今年で9年目。趣味はヨガ。
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情報提供: Whenever CHINA 07年11月号
2007/11/7 更新
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