上海ウェネバーオンライン ビジネス
中国ビジネス情報満載!!
Whenever ONLINEビジネスHP >> ビジネス特集 一覧 >> 華「外」圏出身
ビジネス特集
華「外」圏出身 〜中国ビジネスパーソン列伝〜
アジアを学び、アジアに生きる "文武両道"の「知亜派」弁護士
日本、中国大陸での留学経験を持ち、1993年より知財のプロとして大陸、香港地区で活躍してきたダグラス・クラーク氏。グローバルな展開で名が知られる国際法律事務所ロヴェルズの上海オフィス所長を務める。SARS最中の開業から4年半、氏が手がけるリーガルビジネスは知財案件を中心に発展の一途をたどっている。

ダグラス・クラーク 氏(ロヴェルズ法律事務所・弁護士)
学者の血筋、アジアへの造詣深く
一見、学者畑と思わせる風貌。それもそのはず伯父は前多摩大学学長として知られるグレゴリー・クラーク氏、そして祖父は産業分類を行ったことで著名な経済学者、コリン・クラーク氏である。
「彼らから啓発を受けながらアジアへの関心を深めてきました」というクラーク氏。ハイスクールの時には交換学生として神戸でホームステイを体験する。高校卒業後、ワーキングホリデーに参加して再来日。この時は英会話教師のアルバイトをしながら日本語習得に励んだ。淀みのない氏の日本語の土台は、青年期初期の段階でほぼ完成していたといってよいだろう。
その後、オーストラリアの大学に進学したダグラス氏が選んだのは、法学とアジア研究の同時専攻という道だった。中国語の習得にも精を出し始める。大学在籍中、奨学金を得て今度は上海の復旦大学に留学。1988年のことである。「法律の勉強のほか、マルクス主義思想の科目も履修しました。海外で勉強するものとはずいぶん違いがあって興味深く感じました」(クラーク氏)
その後、ハングルにもトライしようと韓国に半年滞在した。しかし、こちらは意気余って成果上がらず、マスターには至らなかった。それでも基礎レベルでのボキャブラリーはいまでも残っており、簡単な文章なら閲読が可能だという。
アジアの言語、歴史、政治への造詣を深めつつ、法律家を志したダグラス氏はその後、香港地区にて弁護士資格を取得、1993年に国際法律事務所ロヴェルズに入所する。知財案件のプロとして香港地区、大陸を舞台に活躍を始めたのだった。

「青白きインテリ」では闘えない
少年期、青年期を通してダグラス氏が得た「財産」、それは卓越した語学力だけではないとダグラス氏は語る。「日本の武士道には惹かれました。自分の心をどう落ち着かせるか、自ら稽古に励むことで実体験できました」(クラーク氏)。彼が学んだのは柔道だった。初段止まりだったものの、この時に培った自信は、その後のビジネス人生にも生かされることとなる。
知財案件の処理プロセスでは、「問題の根源である"親モグラ"を見つけ出し捕獲する」(クラーク氏)ことがカギとなる。
知財侵害の現場に自ら足を踏み込み、レイドに直接立ち会う。黒社会との関与といった大げさなケースでないにしても、「青白きインテリ」ではとても務まらないハードな世界だ。事務所のスタッフの話によれば、商談会でニセモノを摘発、出展企業に対して警告を発するや、相手が逆切れ、口角泡を飛ばす事態となったこともあるという。
ちなみに、そのスタッフは剣道三段の日本人女性。武道に傾倒するダグラス氏の性格がこんな人材登用にも現れている。ダグラス氏は、精神修養の手段としての武道の存在を、日本を代表する「文化」と見なしている。

「実事求是」こそ重要
驀進を続ける中国経済。めまぐるしい社会の変貌をつぶさに見てきたダグラス氏は、時代が変わっても根強く生き続ける中国人の価値観として「家族の絆」があると指摘する。
家父長制が会社組織にも影響を及ぼすことは、メリットもあればデメリットもあるだろう。しかし、少なくとも「(中国の大都市では)文明化社会に向かい始めていることを実感できる」(クラーク氏)。良き伝統を保ちつつ、"創造新経済"の道が成功を歩んでほしい――クラーク氏はそんな期待を込めて中国の発展を見つめている。国内経済であれ外交であれ「実事求是」こそ重要だとクラーク氏は語る。
大陸案件の増加にともない香港から上海に舞台を移し(01年)、ロヴェルズの上海事務所立ち上げに尽力したのはSARSの猛威が振るった03年のことだった。出鼻をくじかれた感があったがその後の経過は順調、現在では弁護士20名、総勢40名という陣容に拡大している。日本企業の案件はすでに30%。フォロー体制を固めるために、日本人弁護士をパートナーに加えるなど補強策も講じた。進出企業の知財案件はますます増加の一途をたどる。クラーク氏の本領が発揮されるのはこれからだ。
ダグラス・クラーク 氏
プロフィール…オーストラリア出身。中日韓での留学経験を持ち、1993年より大陸、香港地区で知財関係の研究、ビジネスに従事する。2000年より上海を拠点とする。ロヴェルズの上海事務所設立(2003年10月)の立ち上げに関わる。香港地区、イングランド&ウェールズ、オーストラリア・ヴィクトリア州に弁護士資格を持つ。妻は日本人、三児の父。祖父は経済学者のコリン・クラーク氏、伯父はグレゴリー・クラーク氏(前多摩大学学長)。
ビジネス特集 07年11月号一覧
情報提供: Whenever CHINA 07年11月号
2007/11/7 更新
中国ビジネストピックス
巻頭インタビュー
業界インタビュー
中国業界人記事
ビジネスイベント
コンサルティング 中国
IT 中国
製造 中国
物流 中国
マーケティング 中国
Campany Review 中国
飲食 中国
ビジネス連載