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ビジネス特集
激戦!アパレルSPA 〜中国で勝つための"チューニング術"とは?〜
PA企業が出店ラッシュ 上海のファッションに新風
この1年間、世界のアパレルSPA企業が続々と上海入りしている。巨大ショッピングモール・正大広場では、SPA企業による"オリンピック"が繰り広げられる。中国の消費者ニーズを取り込めた企業のみ勝ち残る――プレイヤーが出揃った市場で、ファッションを巡る戦いの火蓋が落とされた。

世界のアパレルSPA企業の"主戦場"と化している上海の正大広場
アパレルSPA企業が陸続と進出
「ZARAやH&Mが進出してから、上海の、特に女性のファッションが変わった――」
ある日系アパレルメーカー関係者は、上海におけるZARAやH&Mのインパクトをこう語る。
世界を代表するアパレルSPA(企画製造小売)企業の上海進出が続いている。 ZARAが2006年8月に上海南京西路に1号店をオープンさせたのを皮切りに、H&Mは今年4月淮海中路店を開店、C&Mも同月3店舗をオープンさせ、上海入りを果たした。
進出が相次いでいるのは、ホワイトカラー族(ニューリッチ層)の台頭やアパレル市場の成熟、またショッピングセンターの建設ラッシュ、06年3月より外資投資企業小売権審査の審査プロセスが簡素化したことなども挙げられるだろう。

上海ではSPA企業の出店ラッシュが続く。写真はH&Mの新店オープン予告
上海ではさながらSPA企業によるオリンピックが繰り広げられているようだ。浦東の巨大ショッピングセンター・正大広場は、まさに"主戦場"の様相を呈している。1階には、SPAの二大巨頭であるZARAとH&Mが店舗を並べる。両者が軒を並べてしのぎを削る光景が見られるのは、世界でも正大広場だけという。ZARAとH&Mの目の前には、迎え撃つようにC&Mが店舗を構えるほか、日本を代表するユニクロやハニーズ、またNEXTからエスプリまで、出店ブランドを挙げれば限りがない。
このSPA企業の"激戦"は、来春北京へ飛び火しそうだ。ZARAやハニーズがすでに北京進出しているが、ユニクロとC&Aは来春北京入りすることを明かしている。無印良品の新店オープンも間もなくといわれる。

北京・西単で建設準備が進む百貨店。ユニクロやハニーズの出店もささやかれる
SPA第2世代が台頭
SPAとは、「Speciality store retailer of private label apparel」の頭文字を組み合わせた造語で、製造から小売まで一貫して手がける小売店のこという。
アパレル業界の代表的なSPA企業には、GAP 、リミテッド、H&M、ZARA、ユニクロ、NEXTなどがある。これら企業は第1世代と第2世代に分かれる。近年、GAPなど第1世代の不調が顕著な中、第2世代と呼ばれる ZARAやH&Mが台頭、世界のアパレル市場で旋風を巻き起こしている。
第2世代の特徴は、「小ロット多品種」。例えばZARAは1年間に2万アイテム、ワンシーズンに5,000種類もの新作を投入している。これは第1世代の8 倍から10倍にも及ぶ数字だ。これらを実現するには、マーケティング、企画からデザイン、生産そして物流までの総合力が求められるのはいうまでもない。
第2世代の攻勢は、第1世代にも大きな影響を与えている。第1世代の最後尾に位置するユニクロは、2004年に「脱低価格宣言」を発表、第2世代に倣うように「スタイリング」、「ファッション性」を打ち出すようになった。

「チューニング」の重要性
SPA企業が中国で成功を収めるには何が必要なのか? 中国系紳士服ブランドのSPA企業で企業総監を務める北岡峰幸氏は、「チューニング」だという。
「消費者ニーズをいかに商品企画に取り込むか――これがSPAの仕組みで最も重要な要素。ターゲットとなる消費者の嗜好性に合わせ、"形""色""素材"の三要素から時代性、価格やサイズスペックまで、チューニングすることが求められる」。
今年5月、イトキンが大連、青島、哈爾濱、天津で運営するファッションビルを譲渡、8月には上海南京東路のビルを手放している。このニュースに象徴されるように日系アパレルメーカーの多くが中国で苦戦を強いられているが、この遠因には「(チューニングのためには)日本式の企業戦略やオペレーション、そして日本での企画商品をそのまま持ち込んではダメ」という北岡氏の指摘が当てはまりそうだ。

H&M一号店のオープン初日。消費者とともにメディアも大挙した
地場系ブランドの台頭も
02年にいち早くSPA企業として上海入りしたユニクロも、かつてチューニングを迫られた経緯がある。
同社は当初、日本と同様のマスマーケットをターゲットに中国展開を進めた。ところが日本と中国のマスマーケットが大きく乖離していたことなどから、ビジネスは一時停滞を余儀なくされる。 05年より方向転換し、ターゲットをホワイトカラー層に絞ったほか、店舗戦略変更などさまざまなチューニングに取り組んだ結果、大きな成果を収めている。
ユニクロを中国で展開するファーストリテイリング(中国)商貿有限公司董事総経理の潘寧氏は、弊誌1月号のインタビューで、「今後、地域性や人々の考え方を理解している地場系ブランドが、ますます強みを発揮してくるだろう」と語っている。これもチューニグの重要性を意識した発言といえよう。
プレイヤーが出揃った上海のカジュアルウェア市場。グローバルで成功してきたオペレーション力をバックに世界の SPA企業が市場で優勢を保つのか、あるいは潘氏が指摘するように地場系メーカーが力を発揮してくるのか。また、どの SPA企業がチューニグに成功し、中国市場に受け入れられるのか――今後の動向から目が離せない。
徐向東が語る:SPA企業の中国マーケティング戦略
日系企業へ中国市場開拓サポートやコンサルティングを提供する中国市場戦略研究所の徐向東・代表( 連絡先: xu@cm-rc.com)が、SPA企業の中国マーケティング戦略を語る。


「誰に売るか」に明確な答えを
「日本の市場とまったく違う。日本の成功例は中国で通じない」という認識がきわめて重要だ。日本での成功経験に拘束されないのはまさに成功に導く第一歩である。
ユニクロの例に見るように、「誰に売る」という課題にまず明確な答えを出す必要がある。顧客はいったいどういう人たちなのか、どういう理由でリピーターになっているのか、彼らが果たしてコアターゲットになるのか――こうした点をデータ収集し分析することが大切だ。

コミュニケーション手法を見つける
「どのようにブランドを構築し、いかにマーケティングしていくか、中国人消費者とのコミュニケーションをどうすれば成功できるのか」という課題について、ユニクロなどはしっかりと自覚している。欧米系企業に比べると、中国を市場と見なすのが遅れたため、このあたりの人材育成やノウハウの蓄積が日系企業は全体的に弱い。ローカル系企業や欧米系企業の良さも吸収しながら、日系独自の中国市場向けのコミュニケーション手法も見つける必要があるのではないか。
ビジネス特集 07年10月号一覧
情報提供: Whenever CHINA 07年10月号
2007/10/11 更新
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