中国業界人記事
現在、中国国内で、インフレ懸念に拍車がかかっている。国家統計局が発表した今年5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比7.7%増だった。近年、CPIは低水準で推移していた経緯もあり、現在のインフレ傾向は中央政府にとっても、各業界にとっても、注目の的となっている。食料品を中心に価格の上昇が目立ち、市場やスーパーなどに行くと、日に日に価格が上昇しているのを実感できる。世界的な原油高も現在のインフレに大きな影響を与えていることだろう。
インフレ懸念を強める中央政府は、継続的に金融引き締め政策を実施している。中国人民銀行(中央銀行)は6月7日、金融機関の預金準備率を15日と25日に0.5%ずつ引き上げ、17.5%にすると発表した。今年に入ってから5回目の引き上げであり、06年7月から断続的な金融引き締め政策が続いている。
金融引き締め政策は、株式市場へも波及している。去年10月に上海総合指数は6000ポイントと突破したが、その後は下落に転じ、今年6月12日には3000ポイントを割り込んだ。国内の企業活動の鈍化が経済成長の鈍化へつながるとの警戒感に加え、世界的な景気の後退も懸念材料として取り扱われ、株式市場では停滞感が漂う状況となっている。
05年7月、人民元に対するドル固定相場制が廃止され、事実上の変動相場制に移った。その前から人民元の過小評価が中国国外で問題視されていたが、世界的なインフレ傾向が続く現在、人民元の切り上げ圧力がさらに高まっている。しかし、中国政府は、現在の為替政策から人民元の切り上げを「大幅に」容認する姿勢を見せていない。インフレを中心とする懸念から金融引き締め政策が矢継ぎ早に打ち出される一方、海外からのホットマネーの流入は増加傾向が続いている。
人民元レートが上昇すれば、現在の輸出過剰のみならず、インフレの抑制にも効果があると考えられる。しかし、切り上げを容認すると、人民元とドルの為替差益を狙うホットマネーの流入に拍車をかける結果となる。現在、中央政府は、外貨(米ドルが中心)を人民元で買い上げる方針を続けている。そのため、人民元のマネーサプライ(M2)は上昇基調が続いている。債権などの売りオペなどによってマネーサプライを抑制しようとする動きは活発ではない。過剰となった人民元はインフレを加速させる大きな要因となり、現在、金融引き締め政策からこれを吸収しているような状況である。
金融引き締め政策を実施することで、国内生産品に関しては、ある程度価格の上昇に歯止めをかけることができるかもしれない。しかし、原料(とくに原油)の国際価格が上昇基調にある現在、製造コストの上昇が抑えられないとなるならば、必然的に末端の価格も上昇せざるを得ない状況が生まれるだろう。中国国内のインフレは、国内の事情を加味するだけで解決できるような問題ではない。
インフレ懸念を強める中央政府は、継続的に金融引き締め政策を実施している。中国人民銀行(中央銀行)は6月7日、金融機関の預金準備率を15日と25日に0.5%ずつ引き上げ、17.5%にすると発表した。今年に入ってから5回目の引き上げであり、06年7月から断続的な金融引き締め政策が続いている。
金融引き締め政策は、株式市場へも波及している。去年10月に上海総合指数は6000ポイントと突破したが、その後は下落に転じ、今年6月12日には3000ポイントを割り込んだ。国内の企業活動の鈍化が経済成長の鈍化へつながるとの警戒感に加え、世界的な景気の後退も懸念材料として取り扱われ、株式市場では停滞感が漂う状況となっている。
05年7月、人民元に対するドル固定相場制が廃止され、事実上の変動相場制に移った。その前から人民元の過小評価が中国国外で問題視されていたが、世界的なインフレ傾向が続く現在、人民元の切り上げ圧力がさらに高まっている。しかし、中国政府は、現在の為替政策から人民元の切り上げを「大幅に」容認する姿勢を見せていない。インフレを中心とする懸念から金融引き締め政策が矢継ぎ早に打ち出される一方、海外からのホットマネーの流入は増加傾向が続いている。
人民元レートが上昇すれば、現在の輸出過剰のみならず、インフレの抑制にも効果があると考えられる。しかし、切り上げを容認すると、人民元とドルの為替差益を狙うホットマネーの流入に拍車をかける結果となる。現在、中央政府は、外貨(米ドルが中心)を人民元で買い上げる方針を続けている。そのため、人民元のマネーサプライ(M2)は上昇基調が続いている。債権などの売りオペなどによってマネーサプライを抑制しようとする動きは活発ではない。過剰となった人民元はインフレを加速させる大きな要因となり、現在、金融引き締め政策からこれを吸収しているような状況である。
金融引き締め政策を実施することで、国内生産品に関しては、ある程度価格の上昇に歯止めをかけることができるかもしれない。しかし、原料(とくに原油)の国際価格が上昇基調にある現在、製造コストの上昇が抑えられないとなるならば、必然的に末端の価格も上昇せざるを得ない状況が生まれるだろう。中国国内のインフレは、国内の事情を加味するだけで解決できるような問題ではない。
金融引き締め政策を断続的に実施しながら、ホットマネーの流入をどのようにして抑制するのか、現在、むずかしい駆け引きが続いている。このような状況の中、中国不動産投資はどのような方向に向かうのだろうか。今回から4回にわたり、中央政府が抱える政策的ジレンマの中での中国不動産投資について報告する。
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情報提供:
Stasia Capital Holding Limited
Stasia Capital Holding Limited2008/07/11 更新
筆者:安田明宏氏
Stasia Capital調査部主任研究員
Stasia Capital Holding Limited (ステイジア・キャピタル)
[住所] 上海市長楽路801号華爾登広場203室
[電話] 021-5404-6486 / [FAX] 021-5404-5368
[E-mail] yasuda@stasiacapital.com
[URL] http://www.stasiacapital.com
Stasia Capital調査部主任研究員
プロフィール…名古屋大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。インドネシア・スラバヤ国立大学大学院国家教育研究科博士課程留学。専攻は文化人類学。
Stasia Capital Holding Limited (ステイジア・キャピタル)
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