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フィールドワークとしての中国不動産市場 第9回:内装狂想曲―共有スペースの私有化―(中編)
内装工事をするには、内装業者を選ぶ必要がある。われわれだけで工事をするならば、内装業者は自分たちで選べばよい。しかし、今回は2階と3階の住人も工事に加わるわけなので、彼らの同意も得なければならない(もちろん、各々が選ぶ内装業者でもできるのだが、やはり配管や配電の施工が統一できないと、あとあと問題が生じる可能性がある)。

最初に見積りをとったのは、近所に住む私の妻の親戚から紹介された内装業者A社である。1社だけだと相場がわからないので、別のB社からも見積りをとってみた(これは私の妻の同僚から紹介された)。すると、最初のA社は、相当、内装費を水増ししていることが判明した。なぜなら、B社は材料を自分で選んで購入するという前提で作成されたものであり、「材料費で儲けない」というスタンスであったからだ。また、2階の住人も材料費を細かく調べたらしく、最初の見積もりには納得がいかなかったようだ。われわれとしては、「材料費でだまされて、かつ施工内容もひどい」より「材料費は適切だが施工内容はひどい」ほうがマシだろうという考えに至り、B社を採用することにした。なお、3階の住人は、とりあえず工事をやってもらえればいいのでどこでもいい、という上海人にしては珍しく意見の少ない住人であった。

さて、内装工事をはじめるとしても、あくまで違法な共有スペースの私有化である。われわれが選んだB社は、「いちおう物業管理会社に連絡してからでないとまずい」という。物業管理会社が許可を出したところで違法でなくなるということはないのだが、工事がスムーズに進行するよう話をしておきたいということらしい。これには、内装工事で出る廃棄物の処理方法を教えてもらうという意味も含まれているようだ。

そうこうして内装工事がはじまった。数名の民工(出稼ぎ農民)が工事にあたった。以下は、工事の進捗を撮影したものである。

外観(赤で囲まれた部分が埋められて私有化される)内装工事前の状態工事進捗(1)工事進捗(2)
工事進捗(3)工事進捗(4)工事進捗(5)工事進捗(6)
ついでに南側のスペースも(工事前)若干広くなった南側のスペース

情報提供: Stasia Capital Holding Limited
2008/06/13 更新
筆者:安田明宏氏
Stasia Capital調査部主任研究員
プロフィール…名古屋大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。インドネシア・スラバヤ国立大学大学院国家教育研究科博士課程留学。専攻は文化人類学。

Stasia Capital Holding Limited (ステイジア・キャピタル)
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