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中国業界人記事
中国の労務管理 第一回:人の採用(仲介会社の利用について)
【仲介会社とは】
中国で新卒生に対し就職指導を行うと「仲介会社の仕事(サービス)ってどんなものですか?」という質問をよく受けます。企業サイドからは、「日本でも利用しているから知っていますよ」といわれます。しかし、一概にはそうともいえません。なぜなら日本では「派遣」が主流なのです。今回はその本当の存在意義をご理解いただき、採用のツールとしてどのような活用が有効であるかをご説明いたします。

「いくつかの紹介業者を併用しています。今回この候補者は××会社からも紹介受けていますが、あちらは○○RMBですよ。おたく、高いね」
こんな質問を受けるとご理解されていないことを痛感します。
つまり、このご質問からは、「この人いくら」という認識に根付いていることが窺ええます。まずご理解いただきたいのは、人材仲介業とは、しょせん仲買人であるということです。企業と個人が「採用」というトレードをするにあたり、そのトレードが正当に効率よく行われるべく示唆を与え、フォローをする。これが仲介業者の本来あるべき姿です。つまり「サービス」への対価をいただくのです。仲介業者にとっては双方共に顧客。良質なコンサルタントは双方に有利であることを求め、不利を招くことに警鐘を鳴らします。人を売っているわけではないのです。
また、仲介業と派遣業との取り違いとして良くみられるのが、採用後に発生する労務問題の仲介業者への責任の転嫁もあります。本件については回避の方法と合わせて、次回のテーマと致します。
今回はまず「選別」です。紹介会社からどのように上記のような「良質」を探すのでしょうか。
1.仲介業者の仕事への取り組み(その質)を反映するもの
簡単なところでは、推薦前に候補者への意思確認を行っているか否か。常識である筈ですが、実際には履歴書をデーターベースから横流しという状態をもって「推薦」という形をとっている会社は少なくありません。しかし企業サイドからは「早くたくさんの履歴書が見られて嬉しい」という賞賛の声も。しかしこの取り組みの結末は、実際には、面談に来る人がいなかったり、何で面談に来ているか解らないという候補者に対面するリスクが高くなります。

契約書内容もまたその企業を反映しています。簡単な契約を持って、サービスを提供できる会社は、業界知識がないか、責任の追求を恐れていると判断できます(断言できない例外もあります)。

紹介会社内部の給与システムは、コンサルタントに完全なコミッション制をとっている会社が圧倒的に多く、自己利益確保のために求人および人材情報の独占、もしくは成功に至った登録者の横取り紹介など仲介業者の社内競合の与える影響もあります。上海の人材仲介の歴史の中で、仲介業者の質を低めてきたのは、これが原因ともいえます。貴社のコンサルタントの給与体制はいかがでしょうか。

2.コンサルタントの能力:この能力とは、企業サイド、候補者サイド双方の条件を把握する能力です。ここでいう条件とは、企業サイドの要求する仕事内容およびその条件、職場環境、給与、組織構成、発展性などと候補者の学歴、職歴、環境、意向などを示します。つまりコンサルタントの能力とは、企業、候補者双方に対して該当案件の価値があるかないかを見極める能力ともいえます。

この2点を抑えているかで、仲介業者にとってはコストが大きく異なります。安いサービス料には、コストを安く抑えるのが常識です。
コンサルタントのレベルを知るにあたっては、コンサルタントと名乗る担当者に人材市場や労務管理について質問してみて下さい。
【仲介会社の利用価値を知る】
「この募集には1年以上も自社で尽力をつくしてきましたが限界です。紹介会社にお願いします。」さて仲介会社は何を提供するのでしょう。仲介会社の利用価値は、コストの削減です。しかし多くの企業は「人」=「料金」、仲介費の「額」に目を奪われ、無形の損失(欠員による業務停滞など)によるコスト増加とは認識していません。「1年も探している」「100人面接した」のであればなんと高いコストを費やしていることでしょう。良質のコンサルタントは情報を知識として蓄えています。探している人材が、中国市場においてどこに存在しているかを把握し、また彼らを導くためには何が必要かを知っています。採用の対策として、その情報を利用することに本来の価値は存在しています。

しかし上海において、前述した内容を日系企業に提供できる本当のコンサルタントはそれほど多くはないことでしょう。
仲介業会のさらなる成長を望んで已みません。
情報提供: IMPAC
2008/06/04 更新
筆者:趙峰(Zhao Feng)
復旦大学 国際政治学部法学士、香港大学MBA修士取得。<専門分野:人事諸制度構築 労働法規 労使折衝>
時代とともに在中日系企業の特質と管理体制を分析してきた。<職場での日中キャリア意識の差>、<管理体制の現地化>、<職務分析>など、日系企業の抱える労務問題を幅広くテーマとし、人事労務情報『インパクサロン』を執筆。労使折衝、労使交渉代行、社内問題調査、賃金評価システム、経営アドバイスなど中国における雇用問題の専門家として評価を得ている。

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