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業界インタビュー
日本財産保険(中国) 董事・上海支店総経理 田原敏行 氏
華東での事業着手 リスク診断サービスで差別化

損保ジャパンの現地法人、日本財産保険(中国)が華東地区での事業拡大に着手した。これまで遼寧省を中心に展開してきたが9月25日付けで上海支店(TEL=021-5407-5828)を設立、 10月から業務を開始した。まずは保険業務から着手、提携企業のリスク診断サービスなどコンサルティングも行う総合的なリスクマネジメントで差別化を図る。これまでの取り組みや今後の戦略ついて、董事で上海支店総経理の田原敏行氏に話を聞いた。

――御社は05年、大連に日系損保保険会社として初めて現地法人を設立し、中国事業の土台を固めた。これまでの成果は。
「当社は日系保険会社初の現地法人をまず大連で立ち上げた。大連は電子、IT産業などの日系企業が多く集中しているエリア。また、他の日系損保会社が進出していなかったこともあり、当社が独占的に多くのニーズを汲み上げることができた。物流分野におけるニーズも高く、輸送中の事故で生じた損害を補償する貨物運送保険が全体商品の4割。火災、自然災害での損害を補償する財産保険も4割強を占め、中国保険会社との提携も行い遼寧省全域に渡って事業展開してきた」
――今回、上海を中心とした華東地区に進出した。現在、業務体制を整えているが事業展開はどう進めていくか。
「9月25日付けで中国保険監督管理委員会から上海支店設立認可を取得し、10月に業務を開始した。日系損保会社としては初めて中国で2カ所の拠点を持つことになる。既にネットを駆使した事故データ処理、分析システムも構築しており、事故情報などを即座にデータ化、顧客のニーズに応じて迅速にサービスを提供できる基盤も整った。上海でも大連と同様に、当面は貨物運送保険と財産保険の2本柱で展開していく」

――業務の国際化が進むにつれ複雑化する企業のリスク回避に対応するため、どのようなサービスが求められているのか。
「保険商品の販売以外にも様々な付加価値サービスを提供していく。その中で注力するのがリスク診断コンサルティングだ。専門スタッフを編成し日系企業の製造現場の実地調査で具体的な防災対策を提案する。また、日系企業が提携する地元運送会社のリスク診断サービスも展開。これは中国の社団法人、中国物流購買聯合会との協力で進める。現地調査、アンケートを通じて車両、積載の管理状況、貨物盗難リスク、ドライバーの運転マナーに至るまで包括的な診断を行い報告書としてまとめるものだ。国内輸送ニーズが拡大していく中、製品を安全に納品するまでの管理サービスのニーズはますます高まっており、他社との差別化を図るためにもこのサービスを強くアピールしていく」
――日系企業の集中する華東地区は損保業界の競争も激しくなっている。現在の市場の現状は。
「華東地区の損保市場は日系を含む外資系保険会社が既に進出しており、遅れて進出してきた当社は初めは厳しい競争に直面するだろう。また、保険料という観点からも中国でも伸び率の高いマーケットであり、中国系保険会社も含め競争は一段と激しくなっている。ただし、当社は競争一辺倒ではなく、それぞれの分野で中国系保険会社とアライアンスを組みながら市場に参入していきたいと思っている」

――今後の市場動向の展望、中長期的な計画は。
「現在、上海には約4000社の日系企業が進出しているといわれる。そのうちできるだけ多くの企業と保険、コンサルティングなどを通して関係を築いていきたい。現在は“モノ”を対象とした財産保険分野が主流だが、先々には損害保険でも“ヒト”を対象とした商品ニーズが高まってくると考える。駐在員のみならずローカルスタッフ職員の業務災害、職業病などに対する人的保険の整備が進む見込みがあり、これらのシェアも開拓していきたい」
情報提供: BiZpresso Vol.33 11月20日発行
2007/11/23 更新
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