業界インタビュー
各開発区は得意分野で差別化へ 日系企業は地方への進出も視野に

華東地区の開発区では今後当分、外資進出が滞ることから、これまで以上に特長を打ち出す形で、他と差別化を進める動きが顕著となっている。華東地区以外の開発区も、土地、労働力の安さを売りにした誘致を積極化させる中、日系企業はいかに自社に合った開発区を選別するかが焦点となっている。全国110の開発区と協力関係を結び、日系720社に開発区情報を提供している上海華鐘投資諮詢(TEL=021-6467-1198)董事長、総経理の古林恒雄氏に今後の動向について話を聞いた。
人件費、地価の高騰に加え、金融危機が追い打ちをかけており、08年後半から外資の開発区への進出は激減している。最近は日系製造企業の新規中国進出は、ほぼ7割を自動車関連企業が占めていた。同分野が金融危機のダメージを最も大きく受けて、来年の新規進出が頭打ちするのは必至だ。また、今年まで増加傾向にあった欧州企業の進出も滞るだろう。
このため、圧倒的多数の開発区が、ハイテク企業を優先するといった条件を挙げている場合ではないのが実情だ。来年以降は、少ない外資進出のパイを取り合うようになり、開発区間の淘汰が始まる可能性は高い。00年以降に起きた中央政府の主導による、再編、統廃合が再度進展することも考えられる。
このような状況下、各開発区は独自色を打ち出して、競争力を高める動きが鮮明となっている。例えば、上海のいくつかの開発区や、浙江省嘉興市の開発区、シンガポールとの国家提携で運営する蘇州工業園区などは、今後は第3次産業にも注力しようとしている。サービス業の外資投資が加速するのを受け、全国でも有数のアウトソーシング拠点としていく構えだ。また、蘇州工業園区は中国でも数少ない住環境、商業施設も整備された“都市付随型”開発区としての特長も整備しつつある。
全国的にサービス、ハイテク分野への産業転換が進み、化学分野の企業が行き所をなくしている中で、逆に化学分野を集中的に受け入れる開発区も出てきている。常熟経済開発区は大規模フッ素産業が集中していることが特色だ。また、江蘇省北部に位置する塩城市や連雲港市の開発区は、土地資源が強み。自然干拓で土地面積が毎年33平方km
以上のペースで拡大している。将来的に、規制の厳しい大規模化学工業などの装置産業が広大な土地を利用し、住環境に影響を与えない形で展開するのに有利といえる。
そのほか、特色のある例として紹興酒で有名な浙江省の紹興袍江工業区が挙げられる。同区の特長は豊富な水資源。地下から直接取水することが可能で、給水能力より廃水処理能力の方が大きく、1日の水処理能力が80万tと、一般の開発区の平均レベルである20万tを大きく上回る。この高い処理能力を生かして、汚水規準の高い食品加工といった業種の誘致に注力している。
一方、江蘇省北部、浙江省南部、安徽省に点在する知名度の低い開発区は、日系の中小規模企業の誘致へ向けた取り組みを強化している。例えば、新たに日本語の窓口を設置するなど、日系企業の開発区への信用に大きく影響する日本語人材を採用して対応させている。また、これら地方の開発区は、近年の華東地区全体のインフラ整備を足掛かりに、コスト高の上海からの企業移転先としての受け皿となれる可能性も高まっている。
今後の日本企業の事業展開を考えた場合、コスト高、金融危機の向かい風に立ちながらも、やはり、巨大な市場である中国での拠点構築は必要不可欠だ。ただし建設も操業も安いコストで、しかし上海付近を離れたくないなどの要望は通用しない。欧米と比べ、中小企業の進出が多い日系企業は、地価や建設費、人件費などが安い地方の開発区への進出に活路を求めることも検討すべき時期に入ったといえる。
一方で地方の開発区への進出には、慎重な選別も必要だ。正規の批准を経て設立しているか、土地使用権譲渡は合法的かなどを、綿密に調査する必要がある。そのためには、コンサル業界も含め、情報収集の仕組みを今まで以上に充実したものにしていかねばならない。
人件費、地価の高騰に加え、金融危機が追い打ちをかけており、08年後半から外資の開発区への進出は激減している。最近は日系製造企業の新規中国進出は、ほぼ7割を自動車関連企業が占めていた。同分野が金融危機のダメージを最も大きく受けて、来年の新規進出が頭打ちするのは必至だ。また、今年まで増加傾向にあった欧州企業の進出も滞るだろう。
このため、圧倒的多数の開発区が、ハイテク企業を優先するといった条件を挙げている場合ではないのが実情だ。来年以降は、少ない外資進出のパイを取り合うようになり、開発区間の淘汰が始まる可能性は高い。00年以降に起きた中央政府の主導による、再編、統廃合が再度進展することも考えられる。
このような状況下、各開発区は独自色を打ち出して、競争力を高める動きが鮮明となっている。例えば、上海のいくつかの開発区や、浙江省嘉興市の開発区、シンガポールとの国家提携で運営する蘇州工業園区などは、今後は第3次産業にも注力しようとしている。サービス業の外資投資が加速するのを受け、全国でも有数のアウトソーシング拠点としていく構えだ。また、蘇州工業園区は中国でも数少ない住環境、商業施設も整備された“都市付随型”開発区としての特長も整備しつつある。
全国的にサービス、ハイテク分野への産業転換が進み、化学分野の企業が行き所をなくしている中で、逆に化学分野を集中的に受け入れる開発区も出てきている。常熟経済開発区は大規模フッ素産業が集中していることが特色だ。また、江蘇省北部に位置する塩城市や連雲港市の開発区は、土地資源が強み。自然干拓で土地面積が毎年33平方km
以上のペースで拡大している。将来的に、規制の厳しい大規模化学工業などの装置産業が広大な土地を利用し、住環境に影響を与えない形で展開するのに有利といえる。
そのほか、特色のある例として紹興酒で有名な浙江省の紹興袍江工業区が挙げられる。同区の特長は豊富な水資源。地下から直接取水することが可能で、給水能力より廃水処理能力の方が大きく、1日の水処理能力が80万tと、一般の開発区の平均レベルである20万tを大きく上回る。この高い処理能力を生かして、汚水規準の高い食品加工といった業種の誘致に注力している。
一方、江蘇省北部、浙江省南部、安徽省に点在する知名度の低い開発区は、日系の中小規模企業の誘致へ向けた取り組みを強化している。例えば、新たに日本語の窓口を設置するなど、日系企業の開発区への信用に大きく影響する日本語人材を採用して対応させている。また、これら地方の開発区は、近年の華東地区全体のインフラ整備を足掛かりに、コスト高の上海からの企業移転先としての受け皿となれる可能性も高まっている。
今後の日本企業の事業展開を考えた場合、コスト高、金融危機の向かい風に立ちながらも、やはり、巨大な市場である中国での拠点構築は必要不可欠だ。ただし建設も操業も安いコストで、しかし上海付近を離れたくないなどの要望は通用しない。欧米と比べ、中小企業の進出が多い日系企業は、地価や建設費、人件費などが安い地方の開発区への進出に活路を求めることも検討すべき時期に入ったといえる。
一方で地方の開発区への進出には、慎重な選別も必要だ。正規の批准を経て設立しているか、土地使用権譲渡は合法的かなどを、綿密に調査する必要がある。そのためには、コンサル業界も含め、情報収集の仕組みを今まで以上に充実したものにしていかねばならない。
情報提供:
BiZpresso Vol.60 1月6日発行
BiZpresso Vol.60 1月6日発行2009/04/24 更新
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