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業界インタビュー
日立建機(上海) 董事総経理 坂井 徹氏
販路拡大へ注力 2010年販売台数を65%増へ

日立建機の現地法人で建設機械の販売を行う日立建機(上海)(HCS、TEL=021-5866-8686)が、販路の拡大を進めている。2010年までに販売台数を今期の65%増となる2万台にまで拡大する。既に設備投資を進め、生産能力を増強したほか、新会社を設立し部品などの販売拡大に着手、またファイナンス会社も設立した。中国における取り組みや市場の動向、先々の展望について、董事総経理の坂井徹氏に話を聞いた。
――日立建機が中国に進出したのは95年。以前は日本製品の輸入販売を行ってきたが、進出以降は国産製造、販売を推進し、98年に独資でHCSを設立。現在、中国企業のエンドユーザーを顧客の100%として事業展開している。
「日立建機グループは現在、中国に製造会社5社、販売会社5社を展開している。当グループ売上高の海外比率は72%に達しており、そのうち中国は13%にまで成長している。中国における建機販売ビジネスは現地化が進んでおり、市場でも高いシェアを占めつつある。HCSは安徽省合肥の工場で組み立てた製品を、全国30の代理店を通じて販売している。そのほか、関連会社で香港系のELLEを通じて28の代理店で日本製輸入機を販売している。当グループはいち早く海外展開を進めてきた背景から、どこで作っても均質的な高いクオリティを生み出せるブランド“メイド・バイ・ヒタチ”を築いている。中国では日本と同品質の製品を低コストで生産で きるのが強みだ」

――メインの製品は6t以上の「油圧ショベル」、6t以下の「ミニショベル」に大別できる。そのほか、大型のショベルや応用製品と呼ばれる超大型のクレーンなども販売している。
「中国で主力となるのは20tの油圧ショベルだが、5.5tのミニショベルから300t超クラスの超大型ショベル、ダンプトラック、クレーンなど製品のレンジは広い。また、昨年からは中国から海外向けの輸出販売も行っている。いまや中国では溶接、組み立てなどの技術面で日本と遜色はない」

――今期は合肥工場製の製品を中国で1万台販売、2010年にはこれを65%増となる1万7000台にまで拡大する計画だ。販路拡大に向けた施策は。
「設備投資を行い、生産工場を拡張、生産能力も大幅に増幅した。合肥工場は既に第2工場も完成し大幅な生産能力増を実施済みだ。また、職業訓練校とタイアップして昨年9月、安徽省合肥市に日立技術養成校を設立し、人材育成を支援している。その中でも優秀な技術者を人材として獲得している。地域貢献として力を入れ、先々にはマンパ ワーの確保に活かしていきたい」
――企業の固定資産投資は増加傾向にあり、マーケットは成長傾向にある。建機の市場動向は。
「6tを超える『油圧ショベル』分野では、00年に6500台だった市場が07年には4万台を超え、今年は6万台近くになる見通しだ。市場は予測以上の伸びを記録しており、先々にも緩やかながら確実に拡大する傾向にある。市場の3割が華東地域といわれており、中でも上海周辺の地域が大きな割合を占める。今後、全国的な大開発が進むことから、華北や華南での建機の大きな需要が見込まれ、マーケットは華東地域を軸としながらも、内陸部にも移行していく。プレイヤーという観点では、10を超える外資系企業がひしめくという独特の市場を形成している。外資系で市場の84%を占めるといわれるが、当グループはHCSとELLEでそのうちの20%を占めている。6t以下の『ミニショベル』分野も基本的には同様の傾向で今後、内陸部を中心に全国的に伸びていく。07年度の需要は1万台だったが、08年度は1万2000台前後になる見通しだ。もともと韓国系の斗山と現代が寡占していたが、日立建機グループが03年より参入して市場を開拓、現在は16%強を占有している」

――今後の事業戦略として掲げるのが販路の拡大。製品を軸に、マイニング(採掘)分野の開拓、応用製品の販売強化、それらに付帯する直販ビジネス展開を進める。
「世界的に見れば建機市場はマイニング分野で大きく伸びている。例えば鉄鉱石や石炭の採掘現場で活躍する190−300tというダンプカーや超大型の建機などだ。マイニングは中国においては未開放だが将来的に市場の中心になる分野。また業界では初めて200―300tの電動式油圧ショベルを4台受注した。顧客の採掘現場に発電所があることからできたことだが、環境エネルギー的にも先々には必ず転換期が訪れる。こういった製品もどんどん提案していきたい。また、油圧ショベルは掘削作業のみならずマテリアルハンドリング、ビル解体などの応用製品分野ではこれからが期待される。例えば、ビルの解体や自動車のスクラップ、地下鉄の工事など需要は多いが、まだまだ開拓できていない分野なので、営業提案を強化していきたい。
そのほか、グループでは06年に山東省青島に設立した青島誠日(QCM)を通じて小売り、サービス事業にも着手している。また、今年、日立建機金融租賃(HCLC)を設立して ファイナンスリースも事業化した」

――GPS(GlobalPositioningSystem)を生かした様々なサービス提案も行っている。00年に業界で先駆けて導入、03年にはオプション化し、06年からはすべての建機にGPSを標準装備している。
「GPSを導入することで、建機の位置が測定できるが、さらには仕事量や故障などの機器管理などにも活用できる。建機はコンピュータで制御していることから、機器の稼動具合から作業内容とその質、故障内容も把握できるようになっている。ウェブ上にはそれらの情報が適時閲覧できるユーザー専門のページ『G e-Service』も設けている。ユーザーは機器や仕事量の管理が的確にできる。当社にとっても、修理やメンテナンスを計画的に行えるほか、ユーザーの作業内容が把握でき、部品交換や機器の修理など的確に効果的な提案型のサービスができる“攻めのツール”になる。また、中国では建機購入者の大半が個人ユーザーで、その多くは割賦販売。GPSで管理することで建機の作動を止めたりできるため、建機を購入した後の支払いの滞りを防ぐ手立てにもなる。そういう意味でも、今年1月からファイナンス会社を設立し、リースを始めたたことは大きく、このGPSがリスク管理の大きなツールになっている。GPSを活用することで、マーケットを分析する上での判断材料の1つにもなり、また需要の把握にも繋げられる。当社は高品質の製品、部品、サービスを三位一体で提供し、それにより販売代理店、ユーザーとともに“トリプルウィン”で利益を上げて行きたい」
情報提供: BiZpresso Vol.44 5月6日発行
2008/06/12 更新
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