上海ウェネバーオンライン ビジネス
中国ビジネス情報満載!!
Whenever ONLINEビジネスHP  >> 巻頭インタビュー 一覧  >> 巻頭インタビュー 詳細
巻頭インタビュー
東芝泰格信息系統(深圳)有限公司 中国事業総部 董事 総経理 須毛原勲 氏
「代理店との絆」「現地化」武器に MFP マーケットリーダーの地歩固める

8年連続で中国複写機市場トップシェア(注:A3機以上、インフォトレンズ調べ)という快挙を成し遂げた東芝泰格信息系統(深圳)有限公司。同社の董事総経理、須毛原勲氏はこれまで、「人財現地化」「代理店との強い絆」のふたつに注力しながら、組織の強化を図ってきた。「人財現地化こそ最大のCSR」と説く須毛原氏は、トップシェアの地位を不動のものとすべく、ディーラーとの関係を強化しつつ直販も開始するなど、攻めの経営を続けている。

人材現地化こそ最大のCSR
――2007年も中国複写機市場でトップシェアを確保しました。これで 8年連続となります。御社の強みはどこにあるのでしょうか。
豊富なラインナップと高い品質の製品が中国の市場に広く受け入れられているのは間違いありません。それらを市場の隅々までにお届けし、サービスを提供する強力な体制を築いているのがわれわれの強みです。その体制の要諦となっているのが、「代理店との強い絆」と「人財の現地化」です。

「人財」の現地化については、私が04 年に総経理に就任以来、目指していた組織ができあがりつつあると思っています。俗に「ガラスの天井」といいますが、日系企業では現地スタッフは一定の地位までいくと、なかなか昇進できないといわれます。わたしは過去、米国やシンガポールで働いてきましたが、その経験から海外において、「日本人にしかできない仕事」というのは、ほとんどないと思っています。

優秀な中国人スタッフを採用、育成、活用し、信頼し、現地化を促進する。中国人スタッフで勝負をする――これを大きな経営テーマとしてきました。現在、弊社MFP事業の部門長のほとんどは、中国人スタッフが担っています。まだ道半ばですが、当社では最終的には中国人による経営を目指しています。

――最大のCSR(企業の社会的責任)は人材現地化だというのが自説です。
東芝グループ全体の経営の柱のひとつとして、「CSR経営」を掲げておりますが、当社では「希望小学校」の建設や環境保護活動、成都パンダ研究所への支援などに積極的に取り組んでいます。今回の四川省の大震災にも義捐金を寄贈しました。今後ともこれらの活動を通じて、中国社会に少しでも貢献していきたいと考えております。

「人財」の現地化もある意味、足下ですべきCSRの第一歩ではないかと考えています。

――人材現地化といっても、丸投げでは上手くいきません。どのように現地スタッフの登用を進めているのでしょうか。
トップダウンとボトムアップのほどよい案配、それを推し進める上での日々のコミュニケーション。その過程で、自然と権限委譲が進んでいきます。

当社の優秀なスタッフほど、私に「任されている」と強く実感しているはずです。丸投げはダメですが、勇気を持って権限委譲を進めていくことが必要でしょう。ラグビーに例えると、センターがボールを持って、ウイング(スタッフ)にボールを回す(権限委譲)のに似ています。ボールを回すタイミングが大事になりますが、時には、その後、トライ(得点)まで行かなくてもいいのです。失敗すれば、そこから何かを必ず学び取るはずです。スタッフは、ボールを回されたことを決して忘れません。

もちろん、委譲だけしていればいいのではありません。トップダウンで物事を推し進めていく、強いリーダーシップも必要です。どの国でもリーダーシップが大切なのは同じです。スタッフが本当に困ったときに、リーダー自らが出ていく。自分のパフォーマンスを見せなければ、スタッフはついてきません。

――もうひとつの強み、代理店との強い絆についてお話ください。
全国に700余りの代理店網を築いています。これまでわたし自身全国に足を運び、代理店開拓、整備・拡充に努めながら、当社のビジネスの最前線を担う代理店の方々との信頼関係を築いてきました。当社と代理店の間には、どの競合他社にも負けない強い絆があると自負しています。代理店の皆さんに、東芝の製品を販売していることを誇りに思っていただいておりますし、何より我々との関係を重要視していただいている証左に、きちんとお金を払ってくださいます。

その一方で、06年より直販もスタートさせました。これは直販を行うことで、よりお客様に質の高いサポートをご提供したいと考えたからです。直販と代理店展開は、一見相反するようですが、当社では両立すると考えています。我々が直販を通じて、お客様から学んだことで我々自身のオペレーションの質を向上させ、それらを支援という形で代理店に還元していく。仮に直販と代理店展開に矛盾がでてくれば、席を設けしっかり話し合う、我々はそうした関係にあります。

座右の銘は、「没有圧力、没有意思、没有挑戦、不是人生」 (プレッシャーが無ければ面白くない、挑戦がなければ人生じゃない) 。今年の個人的な目標は減量と、ゴルフでも人生でも、肩の力を抜くこと。 健康の秘訣は毎朝食べる水戸納豆。
セミナーでカラー・ニーズ喚起
――中国の複合機市場ではカラー化がなかなか進みませんが、どのように見ていますか。
07年の中国の MFP(複合機: Multi Function Peripheral)販売台数は約43万台となり、前年比で二桁成長を遂げました。うちカラーMFPは、全体の2 〜3%に留まり、先進国に比べ、非常に遅れをとっています。

この中国の「カラー化」の遅れはいろいろいわれますが、私は、「まだだまだカラーMFPの機能的、経済的優位性が中国のお客様に十分に認識されていないこと」と、「製品本体の価格帯がまだまだ中国の市場にあっていない」ことが大きな理由だと見ています。我々は、今夏から秋に投入する新製品では、高いコストパフォーマンスのローエンド機をいくつか準備しています。

――今後、カラー化を促進していくのにメーカーの努力も欠かせません。
今後とも粘り強く、お客様にカラー MFPの優位性を訴求して行きたいと思います。カラーMFPはただのカラーコピアではありません。特に、情報の電子化を促進する中で、高速カラースキャンと電子ファイル機能は、お客様に強く支持されております。メールに添付するためのカラースキャンなども手軽にできます。こうしたオフィスの情報のハブとしてのカラーMFPの利便性を、我々は訴えていく必要があります。

当社では昨年に続いて、今夏以降も「カラードキュメント・ソリューション・セミナー」と題し、全国の主要都市約300カ所でのセミナーを計画しております。また、ディーラーの売場などでも、小規模なセミナーを頻繁に行っていくなど、お客様に我々のカラー MFPを体感して頂く機会を数多く設けたいと思います。

――中国の複写機市場には、ニセモノ、詰め替え品の問題があります。
この問題の解決には時間がかかると思います。初めから詰め替え品やニセモノを使うつもりでいるエンドユーザーに純正品を使ってもらおうと努力しても難しいでしょう。我々は、純正品を使う可能性のある層に向けて、最終的にユーザーベネフィットにつながる純正品の使用を推奨していきます。

その一方、ニセモノの製造業者に対しては、当局と連携し取り締まりなど断固とした措置を図っていきます。モグラ叩き的な面もありますが、地道に続けていくしかないでしょう。

芝複合機は成都のパンダ研究基地を支援し、2007年に産まれた双子のパンダに"東東"、"芝芝"と名づけた。この実話をもとに、シリーズ広告を展開している
市場シェア一位の地位を不動に
――昨年からマス広告を東芝グループ全体で展開しています。
イメージキャラクターに飛び込みの郭晶晶選手を採用し、TVCMや街頭の看板、交通機関への広告出稿、オフィスビルのディスプレイ広告を実施しています。郭晶晶さんは何かと話題の多い選手で、注目度では中国のスポーツとしてはダントツです。日系企業がこうした中国のアスリートを起用し、応援するのは初めてのケースではないでしょうか。

MFPのTVCMでは、「Access Your Dreams」をテーマにしています。これは、私自身が考えたフレーズで、今回のTVCMでは郭選手の"夢"の実現の応援の意味も込めています。

雑誌媒体には、漫画家わたせせいぞう氏のオリジナルのカラフルな作品による広告を展開しております。多方面から大きな反響を得ています。ストーリー展開の漫画による広告は、中国初ではないかと思います。実はこれも、わたせさんと我々で、ストーリーから一緒に考えています。もうすぐ、新シリーズが始まります。テーマは、中国に古くから伝わる「白蛇伝」。いろいろな雑誌にて展開しておりますので、是非、ご覧ください。


東芝のカラーMFP。高速カラースキャンと電子ファイル機能、メールにアタッチするためのカラースキャンなど、オフィスの情報のハブとしての機能がユーザーの支持を集める
――今後の目標をお聞かせください。
勿論、マーケットシェアナンバーワンを出来るだけ長く維持したいとは思いますが、それはひとつの結果であり、目標にはなり得ないと思います。それよりも、我々の目標は現状に満足することなく、常に新しいことにチャレンジして行くこと、あらゆる面でイノベーション(創新)を起こしていくこと、それらを通じて関わっていただいている人たちに、何らかの形で驚きと感動をもたらすことができたらいいなと思っています。敢えていえば、それが私の目標ですね。結果は自ずとついてくると信じています。現在、目標実現のための秘密兵器を着々と準備しているところです。

中国人スタッフには、本当に優秀な人が多いです。いい「人財」を採用、育成し、彼らが日々、わくわくドキドキした気持ちで仕事をしていける環境をつくっていくことで、本当に強い組織ができあがると信じています。中国では、リスクマネージメントしながら「人財の現地化」に成功した企業が最終的には、勝ち残るのではないでしょうか。

当社は、中国ナンバーワンの複写機事業の組織と、日本でトップのPOS の会社が合併してできた組織で、東芝の電子白板、バーコードプリンター、パソコンやプロジェクターの直販も行っています。これらの製品を含め、オフィスでの様々なニーズにお応えするトータルソリューションをお客様にご提供できればと考えております。
情報提供: Whenever CHINA 08年7月号
2008/11/19 更新
須毛原勲 氏
東芝泰格信息系統(深圳)有限公司 中国事業総部 董事 総経理
1885年東芝入社以来、一貫して23年間、通信機器、PC、複写機等情報通信機器の海外事業に携わる。東芝アメリカ情報システム社勤務、東芝シンガポール社ゼネラルマネージャーを経て、2004年4月より上海着任。これまで、ディーラー開拓のためなどで、中国のすべての省・自治区・直轄市を訪れている。訪問した都市は70都市を数える。

東芝泰格信息系統(深圳)有限公司 中国事業総部
[住所] 上海市徐匯区長楽路989 号世紀商貿広場8F
[電話] 021-6103-0888
巻頭インタビュー 一覧
  1 |    総計ページ 1
もっと見る


中国ビジネストピックス
巻頭インタビュー
業界インタビュー
中国業界人記事
ビジネスイベント
コンサルティング 中国
IT 中国
製造 中国
物流 中国
マーケティング 中国
Campany Review 中国
飲食 中国
ビジネス連載