ビジネス連載

「宝宝」消費を当て込む業者は続々と出現
年が明けたとはいえ、中国ではしばらくは亥年(猪年)が続きます。同じ十二支でも、中国では旧暦にならい 2008年2月7日の旧正月(春節)を区切りとしているからです。そして、「金猪年」に巻き起こったベービーブームの余波は、大型イベントが続く今後も余波が続きそうです
結婚・出産ブームの裏事情
亥年は中国では猪(ブタ)年と呼ばれています。豚は多産や福を象徴する縁起のいい動物であるとされています。とくに 07年は、60年に一度の、金猪年」に当り、この年に生まれる子どもは福が多い子と信じられ、「猪宝宝(ベビー)」と重宝されています。
したがって、多くの若いカップルやその両親たちが「猪宝宝」の誕生を待ち望み、07年には一大ベビーブームが到来しました。
中国では、新婚夫婦が結婚の印として職場や近所でお世話になっている人たちに「喜糖」と称して飴やチョコレートを配る習慣があります。私たちが働くオフィスビルにも多くの若い女性たちが勤務していますが、戌年(イヌ)だった06年にはこの「喜糖」をたくさん頂く機会がありました。
そして 07年になると、今度はお腹の大きな女性を頻繁に見かけるようになります。日系企業に勤める若い適齢期の女性職員にも、今年産休を取った人が多いと聞いています。
結婚・出産ブームの裏事情
亥年は中国では猪(ブタ)年と呼ばれています。豚は多産や福を象徴する縁起のいい動物であるとされています。とくに 07年は、60年に一度の、金猪年」に当り、この年に生まれる子どもは福が多い子と信じられ、「猪宝宝(ベビー)」と重宝されています。
したがって、多くの若いカップルやその両親たちが「猪宝宝」の誕生を待ち望み、07年には一大ベビーブームが到来しました。
中国では、新婚夫婦が結婚の印として職場や近所でお世話になっている人たちに「喜糖」と称して飴やチョコレートを配る習慣があります。私たちが働くオフィスビルにも多くの若い女性たちが勤務していますが、戌年(イヌ)だった06年にはこの「喜糖」をたくさん頂く機会がありました。
そして 07年になると、今度はお腹の大きな女性を頻繁に見かけるようになります。日系企業に勤める若い適齢期の女性職員にも、今年産休を取った人が多いと聞いています。
「猪ベビー」は貴重になった
今年 11月の上海市人口計画生育委員会発表によると、上海市常住人口(上海に6カ月以上住んでいる住民)の今年通年の出生数は 16 万人、前年比 20 %増となります。08年のオリンピックベビー、 10年の万博ベビーを望むカップルも多く、今後数年はベビーブームが続くと見られています。一人っ子政策の影響もあって、2020年頃からは人口が減り始めるといわれる中国ですが、今年の「猪ベビー」は特に貴重な存在だといえるでしょう。
今年 11月の上海市人口計画生育委員会発表によると、上海市常住人口(上海に6カ月以上住んでいる住民)の今年通年の出生数は 16 万人、前年比 20 %増となります。08年のオリンピックベビー、 10年の万博ベビーを望むカップルも多く、今後数年はベビーブームが続くと見られています。一人っ子政策の影響もあって、2020年頃からは人口が減り始めるといわれる中国ですが、今年の「猪ベビー」は特に貴重な存在だといえるでしょう。
「ピンポイント出産」は当然?
近年のベビーブームは、70〜80年代のベビーブームに生まれた一人っ子世代が、出産適齢期に入ったという背景があります。また、上海に来て働く地方出身者も急激に増え、上海人と結婚するケースが増えてきたこともその一端を担っています。
さらに、外国人と上海人の結婚も増え、最近の結婚届けの3分の1以上は上海戸籍者と地方戸籍、外国籍者のものです。そして、今年はこうした背景に60年に1度の「金猪年」が拍車をかけたわけです。
06年は「猪ベビー」前哨戦の結婚ブームで、ブライダル関連、家具、不動産などの業界が活況を呈し、07年はマタニティー、出産、ベビー服、ベビー用品などの業界が活況を示しています。ここ数年は、「猪ベビー」をめぐるビジネスが「猪宝宝婚育経済」と呼ばれて熱を帯びているのです。
ただ、その一方で、設備の整った病院は、急増する出産対応に悲鳴を上げているようです。都市部では一人っ子政策のため赤ちゃんは正に「宝」。両親はもとより親戚一同が応援して、万全の態勢で出産に臨み、地元上海ばかりか、隣の江蘇省や浙江省から少しでも良い医療環境での出産を求めて検査や出産にやって来きます。
また、最後の出産については事前に予約までされていると聞きます。出産は病気と違い予定日があり、ある程度予測されるものの、最近の上海では約半数が帝王切開のため、事前予約どころか吉日を選んだピンポイント出産までも予約可能だということです。
これからどんどん成長していく「猪ベビー」は、入試や就職には猛烈な競争にさらされるのでしょうが、これからも、その成長に合わせて入学、受験、就職、結婚などの節目ごとに消費を刺激し、「猪宝宝経済」が繰り返されるたびに、企業にとっては大きなビジネスチャンスが訪れることでしょう。
前回までの「中国路地裏経済漫歩」
中国路地裏経済漫歩 第9回:隣町感覚となった上海 日中経済交流新時代の予感
中国路地裏経済漫歩 第8回:人気興隆、そしてブーム失墜へ 「土家焼餅」に見る上海外食産業事情
中国路地裏経済漫歩 第7回:「面子」語らずして中国経済は語れず 日本の「世間体」消費との大きな差異
中国路地裏経済漫歩 第6回:上海で19年繁盛し続ける老舗バー 変わらぬ経営スタイルが「伝説」に
このコラムは日本中小企業ネット@上海(http://sme.shanghai.or.jp/)のメールマガジンでも配信しています。
近年のベビーブームは、70〜80年代のベビーブームに生まれた一人っ子世代が、出産適齢期に入ったという背景があります。また、上海に来て働く地方出身者も急激に増え、上海人と結婚するケースが増えてきたこともその一端を担っています。
さらに、外国人と上海人の結婚も増え、最近の結婚届けの3分の1以上は上海戸籍者と地方戸籍、外国籍者のものです。そして、今年はこうした背景に60年に1度の「金猪年」が拍車をかけたわけです。
06年は「猪ベビー」前哨戦の結婚ブームで、ブライダル関連、家具、不動産などの業界が活況を呈し、07年はマタニティー、出産、ベビー服、ベビー用品などの業界が活況を示しています。ここ数年は、「猪ベビー」をめぐるビジネスが「猪宝宝婚育経済」と呼ばれて熱を帯びているのです。
ただ、その一方で、設備の整った病院は、急増する出産対応に悲鳴を上げているようです。都市部では一人っ子政策のため赤ちゃんは正に「宝」。両親はもとより親戚一同が応援して、万全の態勢で出産に臨み、地元上海ばかりか、隣の江蘇省や浙江省から少しでも良い医療環境での出産を求めて検査や出産にやって来きます。
また、最後の出産については事前に予約までされていると聞きます。出産は病気と違い予定日があり、ある程度予測されるものの、最近の上海では約半数が帝王切開のため、事前予約どころか吉日を選んだピンポイント出産までも予約可能だということです。
これからどんどん成長していく「猪ベビー」は、入試や就職には猛烈な競争にさらされるのでしょうが、これからも、その成長に合わせて入学、受験、就職、結婚などの節目ごとに消費を刺激し、「猪宝宝経済」が繰り返されるたびに、企業にとっては大きなビジネスチャンスが訪れることでしょう。
前回までの「中国路地裏経済漫歩」
中国路地裏経済漫歩 第9回:隣町感覚となった上海 日中経済交流新時代の予感
中国路地裏経済漫歩 第8回:人気興隆、そしてブーム失墜へ 「土家焼餅」に見る上海外食産業事情
中国路地裏経済漫歩 第7回:「面子」語らずして中国経済は語れず 日本の「世間体」消費との大きな差異
中国路地裏経済漫歩 第6回:上海で19年繁盛し続ける老舗バー 変わらぬ経営スタイルが「伝説」に
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情報提供:
Whenever CHINA 08年1月号
Whenever CHINA 08年1月号2008/02/26 更新
村岡健司 (むらおか・けんじ)氏
日中経済貿易センター 上海事務所所長
中国社会科学院 中日経済研究センター特約研究員
上海市外国投資促進中心高級顧問
日中経済貿易センター 上海事務所所長
中国社会科学院 中日経済研究センター特約研究員
上海市外国投資促進中心高級顧問
『週刊エコノミスト』(毎日新聞社)「チャイナウォッチ」にて連載中
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