Campany Review 中国
「安全」「環保」に大きな発展空間 2桁成長を持続、産業地図に変化の兆し

豊田産業車輌(上海)有限公司の田村恵一 総経理
すでに成熟産業とみなされる米国、日本のフォークリフト市場に対して、中国市場は高い成長率を堅持。高まる「安全」「環境」需要を受けて、ハイエンド市場の開拓が進む。日本で42年間もの間シェアトップを走るトヨタ産業車輌も03年進出という後発ながら、群雄割拠の中国市場で2桁成長を持続、シェア拡大に挑む。

米国、日本、中国のフォークリフト市場比較
― 世界最大市場のアメリカは、サブプライム危機のあおりを受けて前年割れを示した
2桁成長続ける中国市場
一般的に成熟市場とされる日本のフォークリフト市場に対し、中国は2桁台の成長を続け、いまや販売量では日本を抜き世界第2位の市場規模となっている。 2006年のデータによると、日本の販売台数8万台に対して中国は10.6万台だ。世界の大市場の中で毎年2桁台の成長を保てるポテンシャルがある国・地域は中国だけであり、今後も120〜130%の成長率を持続していくことが見込まれる。
さて、フォークリフトは大きくバッテリー車とエンジン車に分類され、用途別に見れば5つのクラスがある。classI〜classIIがバッテリー車、classIIIがウェアハウス用トラック、classIV〜classVがエンジン車という区分けだ。
現在、日本では職場環境の改善、環境保護、排気ガス規制などを目的として、バッテリー車の伸びが顕著だ。およそ4割のシェアを持つまでに至っている。
対して中国の現状は、市場の成長が急で、堅調な需要の伸びをエンジン車の供給でまかなっている面がある。バッテリー車のシェアもまだ2割程度にとどまっている。また、内資が外資に比し伸びが顕著な情況である。
一般的に成熟市場とされる日本のフォークリフト市場に対し、中国は2桁台の成長を続け、いまや販売量では日本を抜き世界第2位の市場規模となっている。 2006年のデータによると、日本の販売台数8万台に対して中国は10.6万台だ。世界の大市場の中で毎年2桁台の成長を保てるポテンシャルがある国・地域は中国だけであり、今後も120〜130%の成長率を持続していくことが見込まれる。
さて、フォークリフトは大きくバッテリー車とエンジン車に分類され、用途別に見れば5つのクラスがある。classI〜classIIがバッテリー車、classIIIがウェアハウス用トラック、classIV〜classVがエンジン車という区分けだ。
現在、日本では職場環境の改善、環境保護、排気ガス規制などを目的として、バッテリー車の伸びが顕著だ。およそ4割のシェアを持つまでに至っている。
対して中国の現状は、市場の成長が急で、堅調な需要の伸びをエンジン車の供給でまかなっている面がある。バッテリー車のシェアもまだ2割程度にとどまっている。また、内資が外資に比し伸びが顕著な情況である。

中国CLASS I〜V販売台数シェア(不包含出口)
― 中国市場は高い伸び率で成長しており、2007年には10万台を突破した
ハイエンド市場拡大へ
中国市場の特徴として、バッテリー車の比率の低さを挙げたが、もう一点指摘しておきたいのは、ローエンド市場とハイエンド市場の両極化である。
前者がコスト一辺倒のニーズが主流であるのに対して、後者は「物流―生産」工程において、よりクオリティーの高いものを導入することで、稼働率・生産性の向上を狙いとするニーズがベースにある。現段階ではその比率は7対3ぐらいだと見られる。また環境対応面でも有効なバッテリー車やLPG仕様の車両がハイコスト市場に含まれる。
しかし、昨年の共産党大会で「環境重視」の声明がなされたことでも示されるように、ハイエンド市場の裾野が今後、速やかに広がっていくことが予測される。
弊社が販売ターゲットとするのもハイエンド市場にほかならない。そのうえで13年という長期にわたる使用を可能にした製品の「耐久性」、SAS(転倒防止装置)などに代表される「安全・安心」は大きな売りとなるはずだ。
じつはフォークリフトの操作中における事故の中でも、最も危険度が高く、かつ頻度が多いのが転倒事故である。弊社では、事故発生後への対処 (Passive)だけでなく、事故予防(Active Safety)をコンセプトとした、より確かな安全確保に向けて対策を講じてきた。たとえば、旋回時後輪の上下スイングをロックして左右安定性を向上する、オペレータがシートに着座していない場合、荷役操作の停止と動力による走行の停止により、運転席を離れた時の事故防止するなど、SAS(SYSTEM OF ACTIVE STABILITY)やOPS(OPERATOR PRESENCE SENSING)を、中国では2005年以来、主力車両に標準装備している。
こうした努力の成果もあって、弊社の調べでは、前述の安全機能を搭載した機器については作業現場では転倒事故による死亡事故が発生していない。
全クラスで製品を網羅
弊社の製品をふくめ、外国ブランド製品はイニシャルコストでは高くつくというのがユーザーの一般的な印象かと思われる。事実、日本からの輸入で供給をまかなうバッテリー車についていえば、中国国内メーカーのものと比べかなり割高になる。
しかし、その後のランニングコスト、耐久性等について考えればおつりが出る程十分に投資回収ができる。カンバン方式やアンドン方式など高効率の生産方式を維持しつつ、無理・無駄を極限までなくすことを期していくうえでは、「耐久性」「安全性」に長けた製品の導入を図ることがより重要であると考える。
弊社も月次点検などサポート体制を整備し、故障頻度をより減らすための対応強化を図っている。
現在、弊社が昆山工場で生産するのはエンジン車である。バッテリー車については日本からの輸入に頼っており、まだ現地での生産計画は具体化していない情況にあるが、拡大傾向にあるバッテリー市場の動向を見ながら新たな生産体制の構築も視野に入れていくことになるだろう。
弊社はclassIからVまでの全てのニーズをカバーするラインナップを揃えている。従来、ClassIIIの領域は手薄感があったが、ウェアハウス用機器の領域で、高性能かつコストパフォーマンスに優れたスウェーデンのBTブランドを00年に傘下に収め、07年年頭より中国市場にも製品投入を始めた。
ディーラー養成に注力
中国市場における外資ブランドの草分け的な存在は、ドイツのLinde(林徳)である。1993年の時点ですでに中国に進出した。
ライバルのLindeから遅れること10年、03年に進出した弊社は後発の立場にある。高い伸張率を誇る内資企業だけでなく、日本国内の主要メーカーがこぞって中国に進出するなど、市場競争は熾烈を極めるようになってきた。それでも弊社製品の「安全性」に対する顧客からの評価は高く、それが業績の伸びに反映している。ちなみに、弊社の07年売上げ台数は3,018台(そのうちエンジン車1,700台)、08年については5,100台(うちエンジン車が2,500台)と高い成長を見込む。
現在、中国全土に20のディーラーが45地域に分布している。事務所扱いだった天津を昨年、分公司に切り替え、メーカーが集積する華東・華南地域だけでなく、華北地域においても大市場を中心に販売攻勢をかけていく予定だ。
そのうえで、ディーラーの教育体制整備が大きなカギとなるだろう。すでに昆山に研修センターを設け、月に1度は全国からディーラーを集め、研修を行っている。
遠方地域からの参加率をいかに高めるかなど課題はまだあるが、概ねディーラーは技術・知識習得に熱心であり、教育成果は上々だ。
今後、さらにハイエンド・生産効率向上へのニーズが高まり、環境問題対策、中長期的な投資効率などに顧客がより多く配慮していくことになれば、中国の市場地図にも大きな変化が現れることになるだろう。その変化に対応し、より最適なサービスが提供できるように弊社もより確かな体制づくりを進めていきたい。顧客の方々から可愛がってもらえる存在でありたいというのが私の本望だ。
中国市場の特徴として、バッテリー車の比率の低さを挙げたが、もう一点指摘しておきたいのは、ローエンド市場とハイエンド市場の両極化である。
前者がコスト一辺倒のニーズが主流であるのに対して、後者は「物流―生産」工程において、よりクオリティーの高いものを導入することで、稼働率・生産性の向上を狙いとするニーズがベースにある。現段階ではその比率は7対3ぐらいだと見られる。また環境対応面でも有効なバッテリー車やLPG仕様の車両がハイコスト市場に含まれる。
しかし、昨年の共産党大会で「環境重視」の声明がなされたことでも示されるように、ハイエンド市場の裾野が今後、速やかに広がっていくことが予測される。
弊社が販売ターゲットとするのもハイエンド市場にほかならない。そのうえで13年という長期にわたる使用を可能にした製品の「耐久性」、SAS(転倒防止装置)などに代表される「安全・安心」は大きな売りとなるはずだ。
じつはフォークリフトの操作中における事故の中でも、最も危険度が高く、かつ頻度が多いのが転倒事故である。弊社では、事故発生後への対処 (Passive)だけでなく、事故予防(Active Safety)をコンセプトとした、より確かな安全確保に向けて対策を講じてきた。たとえば、旋回時後輪の上下スイングをロックして左右安定性を向上する、オペレータがシートに着座していない場合、荷役操作の停止と動力による走行の停止により、運転席を離れた時の事故防止するなど、SAS(SYSTEM OF ACTIVE STABILITY)やOPS(OPERATOR PRESENCE SENSING)を、中国では2005年以来、主力車両に標準装備している。
こうした努力の成果もあって、弊社の調べでは、前述の安全機能を搭載した機器については作業現場では転倒事故による死亡事故が発生していない。
全クラスで製品を網羅
弊社の製品をふくめ、外国ブランド製品はイニシャルコストでは高くつくというのがユーザーの一般的な印象かと思われる。事実、日本からの輸入で供給をまかなうバッテリー車についていえば、中国国内メーカーのものと比べかなり割高になる。
しかし、その後のランニングコスト、耐久性等について考えればおつりが出る程十分に投資回収ができる。カンバン方式やアンドン方式など高効率の生産方式を維持しつつ、無理・無駄を極限までなくすことを期していくうえでは、「耐久性」「安全性」に長けた製品の導入を図ることがより重要であると考える。
弊社も月次点検などサポート体制を整備し、故障頻度をより減らすための対応強化を図っている。
現在、弊社が昆山工場で生産するのはエンジン車である。バッテリー車については日本からの輸入に頼っており、まだ現地での生産計画は具体化していない情況にあるが、拡大傾向にあるバッテリー市場の動向を見ながら新たな生産体制の構築も視野に入れていくことになるだろう。
弊社はclassIからVまでの全てのニーズをカバーするラインナップを揃えている。従来、ClassIIIの領域は手薄感があったが、ウェアハウス用機器の領域で、高性能かつコストパフォーマンスに優れたスウェーデンのBTブランドを00年に傘下に収め、07年年頭より中国市場にも製品投入を始めた。
ディーラー養成に注力
中国市場における外資ブランドの草分け的な存在は、ドイツのLinde(林徳)である。1993年の時点ですでに中国に進出した。
ライバルのLindeから遅れること10年、03年に進出した弊社は後発の立場にある。高い伸張率を誇る内資企業だけでなく、日本国内の主要メーカーがこぞって中国に進出するなど、市場競争は熾烈を極めるようになってきた。それでも弊社製品の「安全性」に対する顧客からの評価は高く、それが業績の伸びに反映している。ちなみに、弊社の07年売上げ台数は3,018台(そのうちエンジン車1,700台)、08年については5,100台(うちエンジン車が2,500台)と高い成長を見込む。
現在、中国全土に20のディーラーが45地域に分布している。事務所扱いだった天津を昨年、分公司に切り替え、メーカーが集積する華東・華南地域だけでなく、華北地域においても大市場を中心に販売攻勢をかけていく予定だ。
そのうえで、ディーラーの教育体制整備が大きなカギとなるだろう。すでに昆山に研修センターを設け、月に1度は全国からディーラーを集め、研修を行っている。
遠方地域からの参加率をいかに高めるかなど課題はまだあるが、概ねディーラーは技術・知識習得に熱心であり、教育成果は上々だ。
今後、さらにハイエンド・生産効率向上へのニーズが高まり、環境問題対策、中長期的な投資効率などに顧客がより多く配慮していくことになれば、中国の市場地図にも大きな変化が現れることになるだろう。その変化に対応し、より最適なサービスが提供できるように弊社もより確かな体制づくりを進めていきたい。顧客の方々から可愛がってもらえる存在でありたいというのが私の本望だ。
情報提供:
Whenever CHINA 08年3月号
Whenever CHINA 08年3月号2008/03/12 更新
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[住所] 上海市長寧区婁山関路555号 長房国際広場17F
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