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物流 中国
物流の常識は非常識?(12)ここまで来ている、中国物流!
流はサイエンスであり、意外と奥深いものだということを半年間に渡って書き綴ってきました。しかし中には「中国の物流はまだそこまで進んでいない。まずは商品を壊さずに安い運賃で運んでくれればそれでいい」とお考えの方も多いと思います。最終回の今回は、そんな中国で一歩進んだロジスティクスを実践している事例を紹介します。米系の消費財メーカーA社で、物流を請け負っているのは当社のグループ会社であるST-ANDA社です。

A社は3カ所ある工場から、10カ所の倉庫を経由して全国の顧客に納品しています。ここで凄いのは、10カ所の倉庫に必要最小限の在庫しか送らない仕組みができていることです。通常10カ所も倉庫があると、ある倉庫は過剰在庫だが、ある倉庫は過少在庫というような在庫の偏在によって、倉庫間の在庫移動が発生し、それが物流費を押し上げます。A社は在庫移動量の決め方が上手ということなのですが、それを実践しているのがインベントリーマネージャーです。

彼は実に膨大な量のデータから、統計的に在庫移動量を計算しています。そして、その基データを提供しているのはST-ANDAのウェブ対応型倉庫管理システムです。このシステムはST-ANDAの全国31カ所の倉庫の在庫情報を一元的にウェブ上で一覧できるもので、必要なデータをいつでも自分のパソコンにダウンロードできます。インベントリーマネージャーは必要なデータをダウンロードした後、エクセルで自動計算させるだけで、各倉庫への適正な在庫移動量を求めることができます。

A社の物流の特徴は、物量が多く、売り上げの季節変動が比較的少ないことです。とはいえ、多少の季節変動はあります。そのため、通常は倉庫Xへの在庫移動に10t車をチャーターするだけの物量があるのに、ある時期は量がまとまらず、混載便にせざるを得ない時期がありました。その様な場合に、A社では経由する倉庫を機動的に変更しています。つまり、倉庫Xへの物量がまとまらない場合、倉庫Yがカバーする一部の地域を倉庫Xからカバーするようにして、倉庫Xへ10t車をチャーターできるようにするのです。
勿論、その様な判断を下す前にシミュレーションを行う必要があることはいうまでもありません。通常、このようなシミュレーションが面倒、またはこの様な代替案に気付かないために、何もアクションを起こさないのが普通です。しかしA社では、全国在庫データのみならず、輸配送データも一元管理しており、オペレーション効率が悪い箇所を常に特定できるようになっているため、自ら継続的な改善が可能なのです。そして、これを可能にしているのが、ST-ANDAが提供する一元化された物流データベースです。

ST-ANDAの顧客の約9割は欧米系の外資系企業ですが、A地点からB地点まで安く、確実に運ぶという基準だけで物流業者を選定する段階はとっくに過ぎています。オペレーションを確実にこなすことは当然のこととして、その次の段階、すなわちこの広い中国でムダのないロジスティクスをいかに実現するかということを既に考えているのです。(終わり)
情報提供: BiZpresso Vol.47 6月17日発行
2008/06/24 更新
片山正樹 氏
上海フットワークサプライチェーン
プロフィール…DHLジャパン、佐川急便を経て現職

上海フットワークサプライチェーン
[住所] 上海市中山西路933号虹橋銀城615室
[電話] 021-5150-4173 / [FAX] 021-5150-4172
[E-mail]ma_katayama@footworksc.com
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