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物流 中国
物流の常識は非常識?(7):在庫管理と投資信託
一見、何のつながりもなさそうな2つの言葉ですが、実は共通点があるんです。モノを売る会社にとって、どのくらいの在庫を持っておくかを決めることは、重要な問題です。多過ぎれば運転資金が増えてしまいますし、少な過ぎれば顧客に迷惑をかけたり、機会損失にもなってしまいます。 ところが、重要な問題であるにも関わらず、経験と勘に頼って決めている場合がほとんどです。そして、ここをきめ細かく管理することによって、もうこれ以上は減らせないと思っていた在庫が思いのほか減らせた、というケースを私は数多く目撃してきました。簡単な例として、販売数量が次表のような2 つの商品があったとします。どちらの商品が、より多くの在庫が必要だと思いますか?
販売量(箱)
1日
2日
3日
4日
5日
商品A
99
100
101
110
90
商品B
20
60
100
10
110
直感的には商品Aの方が多く売れていますので、より多くの在庫が必要な感じです。少し進んだ会社では、販売量の平均をとると商品Aは100箱、商品Bは60箱ですので、商品Aは100×a+b、商品Bは60×a+bというような計算で、それぞれの必要在庫量を求めています。このやり方でも、やはり、商品Aの方が多くの在庫を持つことになります。
しかし、さらに進んだ会社では、平均だけでなく、ばらつきも考慮しています。商品Aは安定した売れ行きでばらつきが小さいが、商品Bはそうではなく、何箱売れるか予測しづらいリスクの大きい商品と考えるのです。例えば、商品Aが1日に130箱売れる可能性はほとんどなくても、商品Bの場合は十分ありえそうです。
このようなリスク、つまりばらつきは、標準偏差を求めることにより数値化できます。進んだ会社では平均だけでなく、この標準偏差も使って 在庫レベルを設定しています。実際この考え方で、欠品率を3%に抑えるために必要な在庫量 を計算すると、商品Bの方が約30%も多くの在庫を持つべきという結果になります。
このように、ばらつきをリスクと見る考え方は、 意外といろいろな場面で使われています。分かりやすいのは、投資信託などの金融商品です。新興国市場に投資するどんなにリターンの高いファンドがあっても、下がって損をするリスクも大きいと考えるからこそ、皆がこのような商品に殺到することはあり得ません。
つまり、金融商品はリターンだけでなく、リス クも考慮した上で評価されます。そして、リターンは得られるであろう利益の平均、リスクは標準偏差で表されます。平均と標準偏差を同時 に考慮する必要があるというのは、正に先ほどの在庫レベルを決める話しと同じですね。在庫レベルを売上数量だけから決めるということは、 リスクを考慮せずに、リターンだけで投資信託を買うことと同じなのです。


前回までの「物流の常識は非常識?」
物流の常識は非常識?(6):確立100兆分の1!?]
物流の常識は非常識?(5):倉庫減らしても在庫は減らない!?[2]
物流の常識は非常識?(4):倉庫減らしても在庫は減らない!?[1]
物流の常識は非常識?(3):1万円、1日寝かせていくら?[2]
物流の常識は非常識?(2):1万円、1日寝かせていくら?[1]
物流の常識は非常識?(1):今、物流が面白い!?
情報提供:
2008/04/17 更新
片山正樹 氏
上海フットワークサプライチェーン
プロフィール…DHLジャパン、佐川急便を経て現職

上海フットワークサプライチェーン
[住所] 上海市中山西路933号虹橋銀城615室
[電話] 021-5150-4173 / [FAX] 021-5150-4172
[E-mail]ma_katayama@footworksc.com
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