製造 中国
中国市場で存在感 日本と同品質の高級綱板を提供

新日本製鐵と中国の大手鉄鋼メーカー、宝山鋼鉄の合弁会社、宝鋼新日鉄汽車板(TEL=021-2664-3533)は自動車用鋼板を生産している。製造業の指針“QCDDS (Quality, Cost,Development,Deliver,Service)”の向上を旗印に日本と同品質の高級鋼板を提供。急拡大する中国市場で存在感を増している。同社の董事・副総経理、横山雄治氏に話を聞いた。
――宝鋼新日鉄汽車板は新日鉄と宝山鋼鉄の合弁会社だ。設立の経緯と双方の狙いは。
「新日鉄が中国進出を決めたのは、現地で材料を調達したいとする日系自動車メーカーからの非公式な要望が多く、また中国で自動車販売市場が急拡大すると予測していたからだ。外資は独資で事業展開できないので、数ある鉄鋼メーカーの中から中国で最も高いレベルの製鋼技術を持つ宝山鋼鉄に白羽の矢を立てた。一方、宝山鋼鉄は以前から自動車鋼板を生産していたが、外資メーカーのニーズに対応して最先端の鋼板技術を早期に獲得する必要があったと聞く。こうして両社の思惑が一致。3年近い交渉の後、04年7月に会社を設立し、05年1月から順次、生産ラインが稼動した。また新日鉄と戦略提携関係にあるルクセンブルグの鉄鋼大手、アルセロール(現アルセロール・ミッタル)にも新日鉄の持ち株の中から12%を保有してもらうことにした」
――宝鋼新日鉄汽車板は新日鉄と宝山鋼鉄の合弁会社だ。設立の経緯と双方の狙いは。
「新日鉄が中国進出を決めたのは、現地で材料を調達したいとする日系自動車メーカーからの非公式な要望が多く、また中国で自動車販売市場が急拡大すると予測していたからだ。外資は独資で事業展開できないので、数ある鉄鋼メーカーの中から中国で最も高いレベルの製鋼技術を持つ宝山鋼鉄に白羽の矢を立てた。一方、宝山鋼鉄は以前から自動車鋼板を生産していたが、外資メーカーのニーズに対応して最先端の鋼板技術を早期に獲得する必要があったと聞く。こうして両社の思惑が一致。3年近い交渉の後、04年7月に会社を設立し、05年1月から順次、生産ラインが稼動した。また新日鉄と戦略提携関係にあるルクセンブルグの鉄鋼大手、アルセロール(現アルセロール・ミッタル)にも新日鉄の持ち株の中から12%を保有してもらうことにした」
――中国の自動車生産台数は今年、850万台に達し、2010年には1000万台を超えると見られている。
「新日鉄が宝山鋼鉄との合弁交渉を始めた01年当時、中国の自動車生産台数は年間約200万台。それがたった6年で4倍以上に急成長した。これだけでも驚くべきことだが、さらに驚くべきは生産のほとんどが国内向けであることだ。日本の自動車生産台数は約1000万台だが、国内向けは半分程度しかない。いかに巨大な市場かが分かる。自動車や家電のボディなどに使用される冷延鋼板の生産量は年間約5000万t。自動車用鋼板はこのうち数百万tにしか過ぎない。武漢鋼鉄や鞍山鋼鉄などが生産しているが、主に欧米や中国のメーカー向け。日系自動車メーカーは品質要求が高いため、日本の鉄鋼メーカーからの輸入がまだまだ多い」
「新日鉄が宝山鋼鉄との合弁交渉を始めた01年当時、中国の自動車生産台数は年間約200万台。それがたった6年で4倍以上に急成長した。これだけでも驚くべきことだが、さらに驚くべきは生産のほとんどが国内向けであることだ。日本の自動車生産台数は約1000万台だが、国内向けは半分程度しかない。いかに巨大な市場かが分かる。自動車や家電のボディなどに使用される冷延鋼板の生産量は年間約5000万t。自動車用鋼板はこのうち数百万tにしか過ぎない。武漢鋼鉄や鞍山鋼鉄などが生産しているが、主に欧米や中国のメーカー向け。日系自動車メーカーは品質要求が高いため、日本の鉄鋼メーカーからの輸入がまだまだ多い」
――交渉期間を含め6年にわたる合弁関係の中で、意思決定やコミュニケーション、仕事の進め方などの面で苦労した点、違いを意識した点は。
「合弁交渉に3年もかかったことは、コミュニケーションとネゴシエーションの難しさを示している。多国籍な環境で仕事をする際に重要なのは、粘り強いコミュニケーションと謙虚な姿勢だ。現在、私は宝山鋼鉄から出向してきた総経理とは週1回以上、半日かけて2人だけで話し合うようにしている。また両社幹部が顔を合わせる機会をできる限りセッティングするようにもしている。中国流の意思決定で印象的なのはトップダウンだということ。根回しとコンセンサスを重んずる日本式の意思決定とは対照的だ。また、考えるのはエリートの仕事で、現場スタッフはいわれたことをきちんとこなすのが仕事だ。それ以外のことをするのはリスクを伴う。仕事は与えられるものではなく作るものだとして、現場のスタッフ1人1人に改善活動を要求する日本式のモノ作りとは大きく異なる」
――自動車用鋼板では、JFEスチールが広州鋼鉄と提携。ドイツのテッセンも鞍山鋼鉄と組み、中国に進出している。御社の生産状況と今後の戦略は。
「当社の生産能力は現在、主要生産ラインが4本で、年産約180万t。そのうち自動車用が100-110万t。残りは家電や建材用の鋼板になる。材料になるホットコイルは新日鉄と宝山鋼鉄から供給を受ける。ただ、自動車用鋼板の販売量に占める日系自動車メーカーの割り合いはまだ2-3割程度だ。日系メーカーはテストに長い時間をかけ、採用しても一気に生産を増やすことをしないからだ。割り合いは今後、徐々に増えていくだろう。メーカーの要求に合わせ、新日鉄と同品質の鋼板を提供し続ける。今後も需要過多の売り手市場に奢らず、QCDDSの向上を旗印に安定した価格と供給体制を築いていきたい」
「合弁交渉に3年もかかったことは、コミュニケーションとネゴシエーションの難しさを示している。多国籍な環境で仕事をする際に重要なのは、粘り強いコミュニケーションと謙虚な姿勢だ。現在、私は宝山鋼鉄から出向してきた総経理とは週1回以上、半日かけて2人だけで話し合うようにしている。また両社幹部が顔を合わせる機会をできる限りセッティングするようにもしている。中国流の意思決定で印象的なのはトップダウンだということ。根回しとコンセンサスを重んずる日本式の意思決定とは対照的だ。また、考えるのはエリートの仕事で、現場スタッフはいわれたことをきちんとこなすのが仕事だ。それ以外のことをするのはリスクを伴う。仕事は与えられるものではなく作るものだとして、現場のスタッフ1人1人に改善活動を要求する日本式のモノ作りとは大きく異なる」
――自動車用鋼板では、JFEスチールが広州鋼鉄と提携。ドイツのテッセンも鞍山鋼鉄と組み、中国に進出している。御社の生産状況と今後の戦略は。
「当社の生産能力は現在、主要生産ラインが4本で、年産約180万t。そのうち自動車用が100-110万t。残りは家電や建材用の鋼板になる。材料になるホットコイルは新日鉄と宝山鋼鉄から供給を受ける。ただ、自動車用鋼板の販売量に占める日系自動車メーカーの割り合いはまだ2-3割程度だ。日系メーカーはテストに長い時間をかけ、採用しても一気に生産を増やすことをしないからだ。割り合いは今後、徐々に増えていくだろう。メーカーの要求に合わせ、新日鉄と同品質の鋼板を提供し続ける。今後も需要過多の売り手市場に奢らず、QCDDSの向上を旗印に安定した価格と供給体制を築いていきたい」
情報提供:
BiZpresso Vol.32 11月6日発行
BiZpresso Vol.32 11月6日発行2007/11/23 更新
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