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製造 中国
岐路に立つ日系製造業―(4)
海外では身軽な経営を早期の清算と撤退も検討する
撤退コストも含め収支の計画を
企業として経営陣が絶えず考えておくべきなのが事業の予測と清算、撤退です。企業環境の変化により自ら撤退するか、撤退させられるかの違いはありますが、撤退には進出以上の労力とコストがかかることは皆さんもご承知のことと思います。撤退終了までに数年もかかるケースもあり、結果的に何のための進出か分からない赤字収支で終わることも多々あります。
日本では自社を取り巻く協力企業体制ができていますが、現地では社内での業務対応が予想以上に多くなることや、新規工場の立ち上げと経営の経験者が少ないことから、小さく生んだつもりが実は重い負担だったということがあります。特に中国では労務費が安いと錯覚を起こし、人員が過剰になるか給料基準が高めになりがちです。
海外展開は“企業を身軽にする経営”を基本構想として、変動する撤退コストを収支計画に含めて考えなくてはいけません。“身軽にする経営の手法”としては、電子・電気業界では自社で設備コストをかけない運営の仕方もあります。また、製造工場が協力企業に自社設備貸与をすることにより、継続的に設備と備品のコストを負担させる手法もあります。当たり前のことですが、永久的にコストが安い地域などありません。
事前の危機管理と回避行動が必須
最近では、山東省での韓国系企業の夜逃げ、撤退騒ぎや広東省での台湾地区系、香港地区系企業の撤退が起きています。夜逃げはあまりにも無責任ではありますが、その見極めの速さには驚きます。狩猟民族と農耕民族の違いというか、あるいは単に実利的なのか、日本人には不思議な感覚でしょう。“ダメなことをダメといえない”日本人は自社の業務や自身の職位に対して執着があるので、簡単に真似はできないでしょう。
しかし、それでも最近は問題のすり替えにしか思えない無謀な現地化が行われています。何を意図としての経営判断なのかは図りかねますが、企業体制もできていないのに、“コスト削減=形式だけの現地化”のため日本人社員を削減しているという話をよく聞きます。
本来の現地化ができているなら良いかと思いますが、急速な法整備化の時期だけに外部から見ていると複雑な気持ちです。単に現状のコスト削減だけを考えるだけで、再生も進化もできない企業は早めに撤退、清算、譲渡を検討された方が良いでしょう。
社員雇用契約の解除、設備の売却と処分費用、取引先との関係、協力企業との契約解消、撤退資金準備など多くの処理が必要となります。そのような状況になってから考えるのではなく、危機管理の1つとして今、撤退したら費用がいくらかかるのかを絶えず頭に入れておく必要があります。
日本の短・中・長期計画と中国での計画では、初めから時間軸が違うことをあらためて認識する必要があります。それすら考えられないようであれば、早めに撤退の検討をするようお勧めします。ババ抜きゲームのババを引かされる可能性が一番高いのは駐在の管理職で、事前に危機管理と回避行動ができていたかどうかにより、帰国後の席の有無が決まってくることにもなります。
情報提供: BiZpresso Vol.45 5月20日発行
2008/06/17 更新
中村 和彦氏傑恩士信息科技(上海)(G.i.S) 董事長兼統括総監
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