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IT 中国
変革迎える中国コールセンタ(8):大連オフショアコールセンタ
進むIP化、ロケーションフリーへ
日系企業の対中進出により、最近では中国市場だけではなく、日本市場に目を向けたアウトソーシングビジネスが増えてきている。特に大連ではこうした動きが活発だ。大連は、日本とは地理的にも近く、また、市政府が積極的誘致を行っていることから、数多くの日系企業が進出している。IT分野やサービス業での新規ビジネス立ち上げを目指して進出する企業も多い。中でも、大連市郊外に位置するソフトウェアパークは「対日重視」を方針として打ち出していて積極的な宣伝活動を展開。現在、パーク内には360社以上が操業しており、このうち外資系企業は43%。中でも日系企業の比率は高く、全体の27%を占めている。
コールセンタも同様で、ランニングコストの低減を目的に、日本側業務の一部を中国にシフトする企業が増えている。ニーズとしては、日本からの問い合わせ受付けを行うインバウンドよりも、業務内容が定型化しやすく、また日本側に電話をエスカレーションする必要のないアウトバウンド業務が多い。テレマーケティングや電話セールス、アンケート調査、フォローアップコールなどの営業支援業務である。最近では、自社内サポートだけではなく、データ入力や情報配信、市場調査などのマーケティング業務を自主事業として他社に展開する企業も増えてきた。
こうした日系企業が大連を選択する理由は、北京や上海に比べて人件費や場所代が安いことに加え、何よりも日本語人材が豊富なことによる。大連には、日本語が話せる中国人も多いが、企業側で学費や住居費をサポートするインターンシップ制度を利用して、語学留学しながら働く日本人の若者が多いのも魅力的な要因である。中にはこうしたインターンシップ制度を看板に日本側で採用活動を行った後、中国側で雇用契約する企業も出てきている。
さて、大連のようなアウトソーシングを目的としたコールセンタの場合、サーバや顧客データベースは日本側に設置し、中国側にはオペレータ用クライアント端末だけを配置するオフショアモデルのニーズが多い。これは、日本側の基幹・業務システムとの連携が必要であるということと、コア機能が日本側にあるため日本側で管理、メンテナンスしたいという理由からである。実は、こうしたオフショアモデルもそうであるが、広大な中国では長距離通話コストの削減や複数拠点統合のニーズが強く、日本以上にIPコールセンタへの要望が多い。システムは一極集中、人はフレキシブルに配置というロケーションフリーな分散型システムである。
ただし、中国ではまだまだIPネットワークのコストが高く、普及にはいたっていないのが現状である。しかし、コールセンタだけではなく通信全体のIP化の波はグローバルで加速中。中国市場も、今後はIP化へとシフトしていくことで、こうした分散型の新しいコールセンタ市場が急速に立ち上がっていくであろう。(終わり)
情報提供: BiZpresso Vol.41 3月25日発行
2008/04/01 更新
池上あき子 氏

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