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IT 中国
変革迎える中国コールセンタ(5):インバウンドコールセンタ
IT化で埋もれた 情報を資産に
コールセンタには大きく分けて、電話受付を主とする『インバウンドシステム』と、電話をかけることを主とする『アウトバウンドシステム』の2つがある。どちらをメインにするかで運用形態は大きく異なってくる。
『インバウンドシステム』の典型例は、カスタマサポート(CS)や通販などの注文受付である。例えばCSセンタの一般的業務フローは、(1)電話を受ける、(2)受付シートの作成、(3)問い合わせ内容調査/保守要員の派遣、(4)作業完了、 (5)お客様への完了確認報告。コールセンタは単なる電話の受発信システムと誤解されがちだが、実はこうした一連の作業をIT化して管理できることが大きなメリットでもある。
こうした作業をIT化する目的は、単なる業務の効率化だけではない。一番の目的は、お客様への対応を漏れなく、遅滞なく、確実に実施すること。例えば、管理者は、お客様へのコールバックスケジュールを設定することで、オペレータの『うっかりミス』を防止できる。また、日々の対応状況や残作業をリアルタイムに確認することで、迅速かつ的確な業務指示を与えられるのである。
さらに重要なのは、業務フローの定型化と電話や対応履歴のデータ化である。一見当たり前のことだが、実はこうした作業が未だ紙ベースで管理されていて、何がどうなっているのか分からない状況が存外多い。蓄積されたデータは、企業にとっては重要な情報資産。市場で発生している問題を的確に把握し、データを分析することではじめて商品や販売戦略に的確なフィードバックできるのである。
また、よくある問い合わせについてはFAQとして社内で情報共有することも重要だ。問合せ対応の迅速化や均等化とともに、オペレータの短期教育にも役立つ。こうしたFAQは、二次利用でユーザや代理店向けに情報公開をすることでサポートの効率化も図れる。
さて、こうしたインバウンドシステムの場合、業務フローを完全にIT化するには、最終的に社内の他の業務システム(顧客情報、商品情報、在庫管理、受発注システムなど)と連携する必要がある。しかし、最初から完璧を目指してはシステムの開発に時間がかかる上、導入コストもかさんでしまう。また、あまり複雑なシステムにしてしまうと、社員が使いこなせないということもある。
業務フローを社内で習慣づけ、ルールを徹底させることは意外に努力を要する。高価なIT システムも使いこなさなければ宝の持ち腐れ。従って、小規模かつ特定業務フローから初めて徐々にアップデートしていく方が実運用に適したシステムになるであろう。導入の際には、こうした要望に耐えうるものかどうか、将来の拡張性やシステムの柔軟性を十分に吟味する必要がある。次回は『アウトバウンドシステム』についてご紹介する。


以前のコラム
変革迎える中国コールセンタ(4):攻めのIT投資で価値競争へ
変革迎える中国コールセンタ(3):事例にみる中国事情[2]
変革迎える中国コールセンタ(2):事例にみる中国事情[1]
変革迎える中国コールセンタ(1):急成長を遂げる市場
情報提供: BiZpresso Vol.37 1月22日発行
2008/02/13 更新
池上あき子 氏

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