IT 中国
「縮む日本」なる言葉が話題となる日本と対照的に、北京五輪・上海万博を控え、市場としての魅力が増大する中国において、流通サービス系日本企業の進出が活発化しつつある。本稿では、野村総合研究所(以下、NRI)が提供している流通サービス企業向けのソリューションサービスについて、事例を交え紹介する。
新たなブームの中国進出
中国では1990年代以降、市場経済への移行が本格化する過程で地場系小売業が次々に誕生し、時を同じくして外資系企業の進出ブームが訪れた。これにより百貨店、スーパー、コンビニなどの各業態が一斉に誕生し、内外入り乱れての競争が繰り広げられることとなった。
しかし、外資系企業は、規制(出資比率、出店地域、店舗数)、物流インフラの未整備、地場系企業と政府の密接な関係、サービスに対する考え方の相違など、本国との大きな違いに直面し、厳しい時代を過ごさざるを得なかった。そのため、進出早々に撤退した例や地場系企業に吸収された例も少なくない。
こうした状況が変化する節目となったのは、2001年の中国のWTO(世界貿易機関)への加盟である。これ以降、外資系小売業への規制緩和が進み、ビジネス環境が大きく変化することになった。その結果、アパレルや家具などの製造小売業を中心に、工場ではなく市場としての中国に出店するケースがここ数年で増加している。その多くは中国の消費者に受け入れられ、出店地域も拡大しつつあり、第2の進出ブームとなってきている。
新たなブームの中国進出
中国では1990年代以降、市場経済への移行が本格化する過程で地場系小売業が次々に誕生し、時を同じくして外資系企業の進出ブームが訪れた。これにより百貨店、スーパー、コンビニなどの各業態が一斉に誕生し、内外入り乱れての競争が繰り広げられることとなった。
しかし、外資系企業は、規制(出資比率、出店地域、店舗数)、物流インフラの未整備、地場系企業と政府の密接な関係、サービスに対する考え方の相違など、本国との大きな違いに直面し、厳しい時代を過ごさざるを得なかった。そのため、進出早々に撤退した例や地場系企業に吸収された例も少なくない。
こうした状況が変化する節目となったのは、2001年の中国のWTO(世界貿易機関)への加盟である。これ以降、外資系小売業への規制緩和が進み、ビジネス環境が大きく変化することになった。その結果、アパレルや家具などの製造小売業を中心に、工場ではなく市場としての中国に出店するケースがここ数年で増加している。その多くは中国の消費者に受け入れられ、出店地域も拡大しつつあり、第2の進出ブームとなってきている。
中国進出で直面するシステム化の課題
業態、進出先を問わず、海外拠点のシステムをどう構築するかは、進出を決めた企業が必ず直面する課題である。
日本のシステムを現地化するか、現地パッケージを活用するか、スクラッチ開発(一から独自開発すること)は可能か、運用はどこで行うかなど、進出企業の情報システム部門は、トップからの「進出決定」の号令の後、情報収集に奔走することとなる。一方で、ビジネスの成否が不透明ななかでは多額のシステム化投資の決断がしにくく、また、日本と中国のサービス水準や生活水準の差が、適切なシステム化投資とその効果を推し量ることを困難にしている。
中国に限らず、海外進出の際のスタートアップ時におけるシステム導入では、システム化の予算は大きいとは言えず、導入までの期間も限られているケースが多い。スクラッチ開発の考え方でシステム構築を行うと、その国の特殊な商習慣や法制度などの面で、予想しなかった対応が必要となるケースが少なくない。そのため、実績のある現地のパッケージやグローバルパッケージをいかに組み合わせるかといった視点が最初は重要だといえる。サービスが現地に根付き、ビジネスの規模が拡大するにしたがって、パッケージでは対応しきれない機能を段階的にスクラッチ開発などで置き換えていくといった考え方も必要となってこよう。
業態、進出先を問わず、海外拠点のシステムをどう構築するかは、進出を決めた企業が必ず直面する課題である。
日本のシステムを現地化するか、現地パッケージを活用するか、スクラッチ開発(一から独自開発すること)は可能か、運用はどこで行うかなど、進出企業の情報システム部門は、トップからの「進出決定」の号令の後、情報収集に奔走することとなる。一方で、ビジネスの成否が不透明ななかでは多額のシステム化投資の決断がしにくく、また、日本と中国のサービス水準や生活水準の差が、適切なシステム化投資とその効果を推し量ることを困難にしている。
中国に限らず、海外進出の際のスタートアップ時におけるシステム導入では、システム化の予算は大きいとは言えず、導入までの期間も限られているケースが多い。スクラッチ開発の考え方でシステム構築を行うと、その国の特殊な商習慣や法制度などの面で、予想しなかった対応が必要となるケースが少なくない。そのため、実績のある現地のパッケージやグローバルパッケージをいかに組み合わせるかといった視点が最初は重要だといえる。サービスが現地に根付き、ビジネスの規模が拡大するにしたがって、パッケージでは対応しきれない機能を段階的にスクラッチ開発などで置き換えていくといった考え方も必要となってこよう。
流通業向けグローバルSCMソリューション
NRIでは、中国や他のアジア諸国、米国などへの海外進出企業に対してグローバルSCMソリューションサービスを提供している。
各業種・業態に対応したソリューションを用意しているが、流通業向けには、基幹系(マスタ、発注、在庫管理、会計機能など)にグローバルERP(統合基幹業務システム)パッケージを用い、店舗系(販売管理、売上管理、店舗管理、データ集配信機能など)に現地パッケージを活用した構成をとっている(図参照)。基幹系にグローバルERPパッケージを用いることで、標準でマルチ言語対応、マルチカレンシー(多通貨)対応が可能である。また、導入までの期間が比較的短いのも大きな特徴である。
たとえば2007年度には、台湾の日系流通企業に対し、システム受注から店舗のオープンまで3カ月半という短期間で導入を行った。開発期間の大幅な短縮の結果、導入コストも抑えることが可能となった。また、システム選定・導入にあたっては、以下の点も重視している。
(1)本部から店舗管理、物流、海外調達まで含めた幅広い機能のシステム化
(2)今後の海外複数地域展開を視野に入れたシステム化
(3)各地域における商習慣への対応
(4)現地ベンダーサポート及び必要機能の実現
(5)将来の多店舗展開を見据え、スケーラビリティに問題がないこと
一方、導入後の現場ユーザーへのサポート面では、中国語、英語および日本語による電話・メール等での問い合わせ窓口サービスを用意し、システムに関する問い合わせへの対応を一括して行っている。ちなみに当事例では、現地のお客様拠点にシステム要員はゼロである。
NRIでは、流通サービス企業向けに、店舗型だけではなく、通販やECサイトなど無店舗型のビジネス形態にも対応するサービスも提供している。
これについては、次回詳述したい。

NRIでは、中国や他のアジア諸国、米国などへの海外進出企業に対してグローバルSCMソリューションサービスを提供している。
各業種・業態に対応したソリューションを用意しているが、流通業向けには、基幹系(マスタ、発注、在庫管理、会計機能など)にグローバルERP(統合基幹業務システム)パッケージを用い、店舗系(販売管理、売上管理、店舗管理、データ集配信機能など)に現地パッケージを活用した構成をとっている(図参照)。基幹系にグローバルERPパッケージを用いることで、標準でマルチ言語対応、マルチカレンシー(多通貨)対応が可能である。また、導入までの期間が比較的短いのも大きな特徴である。
たとえば2007年度には、台湾の日系流通企業に対し、システム受注から店舗のオープンまで3カ月半という短期間で導入を行った。開発期間の大幅な短縮の結果、導入コストも抑えることが可能となった。また、システム選定・導入にあたっては、以下の点も重視している。
(1)本部から店舗管理、物流、海外調達まで含めた幅広い機能のシステム化
(2)今後の海外複数地域展開を視野に入れたシステム化
(3)各地域における商習慣への対応
(4)現地ベンダーサポート及び必要機能の実現
(5)将来の多店舗展開を見据え、スケーラビリティに問題がないこと
一方、導入後の現場ユーザーへのサポート面では、中国語、英語および日本語による電話・メール等での問い合わせ窓口サービスを用意し、システムに関する問い合わせへの対応を一括して行っている。ちなみに当事例では、現地のお客様拠点にシステム要員はゼロである。
NRIでは、流通サービス企業向けに、店舗型だけではなく、通販やECサイトなど無店舗型のビジネス形態にも対応するサービスも提供している。
これについては、次回詳述したい。

情報提供:
2008/09/10 更新
伊達一朗(だて いちろう)
野村総研(北京)上海分公司 上級システムエンジニア
野村総研(北京)上海分公司
[住所]上海市浦東南路588号浦発大厦24階B単元
[電話]021-5840-3500
[URL] http://shanghai.nri.com.cn
[E-mail]gscm-sales2@nri.co.jp
野村総研(北京)上海分公司 上級システムエンジニア
91年NRI入社、5年の台湾地区駐在を経て、2006年より現職。専門はアジアにおける流通システムの開発・導入など。
野村総研(北京)上海分公司
[住所]上海市浦東南路588号浦発大厦24階B単元
[電話]021-5840-3500
[URL] http://shanghai.nri.com.cn
[E-mail]gscm-sales2@nri.co.jp
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