コンサルティング 中国
07年9月、過熱傾向が続いていた住宅市場に対して住宅ローン規制が発表された。この影響が07年末から出はじめ、自己使用以外の物件を購入する際にローンを組む動きが減少した。今回は、新しい住宅ローン規制について概観し、その影響について報告したい。

住宅ローン規制は成約量に大きな影響を与えた
「2戸目以上」の解釈をめぐって
中国人民銀行および中国銀行業監督管理委員会は、07年9月27日付で「商業性不動産への貸付管理の強化に関する通知」(銀発[2007]359号)を発表した。住宅購入者に対して直接関わりのある内容は、以下の通りである。
・1戸目の住宅購入で、建築面積90?u以下の場合は、頭金が20%以上必要
・1戸目の住宅購入で、建築面積90?u以上の場合は、頭金が30%以上必要
・2戸目以上の住宅購入の場合、頭金が40%以上必要
この通知の発表後、「2戸目以上」は何を基準にするのかという議論が出てきて、銀行により基準が異なる状況が続いた。その結果、07年12月5日、「商業性不動産への貸付管理の強化に関する補足通知」(銀発[2007]452号)が発表された。
・債務者の所帯(債務者、配偶と未成年の子女を含む)を一単位とし、住宅ローンの回数を認定する
・すでに銀行のローンを利用して1戸目の住宅を購入し、一人あたりの住宅面積が物件当該エリアの平均水準より低い場合、商業銀行に対して、再度貸付を申請するときに1戸目の住宅ローン基準が適用される
・住宅積立金を利用して住宅を購入した所帯が、商業銀行に再度住宅ローンを申請する場合、2戸目以降の規定が適用される
この補足通知を受け、各銀行は、窓口を中心に2戸目以降の住宅ローンに対して、「頭金40%以上」制度を実施しはじめた。
中国人民銀行および中国銀行業監督管理委員会は、07年9月27日付で「商業性不動産への貸付管理の強化に関する通知」(銀発[2007]359号)を発表した。住宅購入者に対して直接関わりのある内容は、以下の通りである。
・1戸目の住宅購入で、建築面積90?u以下の場合は、頭金が20%以上必要
・1戸目の住宅購入で、建築面積90?u以上の場合は、頭金が30%以上必要
・2戸目以上の住宅購入の場合、頭金が40%以上必要
この通知の発表後、「2戸目以上」は何を基準にするのかという議論が出てきて、銀行により基準が異なる状況が続いた。その結果、07年12月5日、「商業性不動産への貸付管理の強化に関する補足通知」(銀発[2007]452号)が発表された。
・債務者の所帯(債務者、配偶と未成年の子女を含む)を一単位とし、住宅ローンの回数を認定する
・すでに銀行のローンを利用して1戸目の住宅を購入し、一人あたりの住宅面積が物件当該エリアの平均水準より低い場合、商業銀行に対して、再度貸付を申請するときに1戸目の住宅ローン基準が適用される
・住宅積立金を利用して住宅を購入した所帯が、商業銀行に再度住宅ローンを申請する場合、2戸目以降の規定が適用される
この補足通知を受け、各銀行は、窓口を中心に2戸目以降の住宅ローンに対して、「頭金40%以上」制度を実施しはじめた。
「中低価格」物件購入の動き活発化へ
今回の規制以降、07年末から住宅の成約量が下落しはじめた。佑威房地産研究中心のデータによると、上海における08年1月1日から24日までの住宅成約量は72.22万平米、前月同期比15・54%減だった。これにともない、中心部を中心に住宅価格が下落する傾向も見られた。少なくとも、減少下部分は、2戸目以降を狙った投機目的の不動産購入を控える動きだったと予測される。
もっとも、中国において、投資物件を何件も保有している投資家は、わざわざ敷居の高くなったローンを引く必要がない。すなわち、今回の規制では、まさに2戸目を購入しようと考える者に対して大きな影響が出ているものと考えられる。
一方、できるだけ投機目的の不動産購入を抑制し、実需不動産の購入を奨励する政策であることから、中低価格の実需向け住宅の購入の動きが活発化するだろう。1戸目を購入しようと考える者にとっては価格が下がるチャンスとなり、多くの不動産資産をもつ投資家に対する影響は限定的だろう。今回の住宅ローン規制は、その間にいる「これから投資家になろう」としている者に対して、大きな影響を与えているものと考えられる。
なお、住宅の売却を考える者にとっても、買い手がつきにくくなる可能性が高まる。中国で住宅を保有する外国人は、売却時期の見極めが必要になってくるだろう。
前回までの「中国不動産「投資」レポート」
中国不動産「投資」レポート Vol11:J-REITの海外投資解禁に向けた動き
中国不動産「投資」レポート Vol10:日系デベロッパーの開発可能性
中国不動産「投資」レポート Vol9:不良債権化と新たな投資チャンス
中国不動産「投資」レポート Vol8:ベトナム不動産投資環境(2)
中国不動産「投資」レポート Vol7:ベトナム不動産投資環境(1)
中国不動産「投資」レポート Vol6:外資に対する相次ぐ不動産投資規制
今回の規制以降、07年末から住宅の成約量が下落しはじめた。佑威房地産研究中心のデータによると、上海における08年1月1日から24日までの住宅成約量は72.22万平米、前月同期比15・54%減だった。これにともない、中心部を中心に住宅価格が下落する傾向も見られた。少なくとも、減少下部分は、2戸目以降を狙った投機目的の不動産購入を控える動きだったと予測される。
もっとも、中国において、投資物件を何件も保有している投資家は、わざわざ敷居の高くなったローンを引く必要がない。すなわち、今回の規制では、まさに2戸目を購入しようと考える者に対して大きな影響が出ているものと考えられる。
一方、できるだけ投機目的の不動産購入を抑制し、実需不動産の購入を奨励する政策であることから、中低価格の実需向け住宅の購入の動きが活発化するだろう。1戸目を購入しようと考える者にとっては価格が下がるチャンスとなり、多くの不動産資産をもつ投資家に対する影響は限定的だろう。今回の住宅ローン規制は、その間にいる「これから投資家になろう」としている者に対して、大きな影響を与えているものと考えられる。
なお、住宅の売却を考える者にとっても、買い手がつきにくくなる可能性が高まる。中国で住宅を保有する外国人は、売却時期の見極めが必要になってくるだろう。
前回までの「中国不動産「投資」レポート」
中国不動産「投資」レポート Vol11:J-REITの海外投資解禁に向けた動き
中国不動産「投資」レポート Vol10:日系デベロッパーの開発可能性
中国不動産「投資」レポート Vol9:不良債権化と新たな投資チャンス
中国不動産「投資」レポート Vol8:ベトナム不動産投資環境(2)
中国不動産「投資」レポート Vol7:ベトナム不動産投資環境(1)
中国不動産「投資」レポート Vol6:外資に対する相次ぐ不動産投資規制
情報提供:
Whenever CHINA 08年3月号
Whenever CHINA 08年3月号2008/03/12 更新
筆者:安田明宏氏
Stasia Capital Holding Limited投資顧問事業部(市場調査研究担当)主任研究員
Stasia Capital Holding Limited (ステイジア・キャピタル)
[住所] 上海市長楽路801号華爾登広場203室
[電話] 021-5404-6486 / [FAX] 021-5404-5368
[E-mail] yasuda@stasiacapital.com
[URL] http://www.stasiacapital.com
Stasia Capital Holding Limited投資顧問事業部(市場調査研究担当)主任研究員
プロフィール…名古屋大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。インドネシア・スラバヤ国立大学大学院国家教育研究科博士課程留学。専攻は文化人類学。
Stasia Capital Holding Limited (ステイジア・キャピタル)
[住所] 上海市長楽路801号華爾登広場203室
[電話] 021-5404-6486 / [FAX] 021-5404-5368
[E-mail] yasuda@stasiacapital.com
[URL] http://www.stasiacapital.com
コンサルティング 中国 一覧









