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上海オフィス不動産事情(3):物件探し、即断即決を無料期間の交渉がポイント
LIFE不動産 経理 李玉祥 氏
物件は早めに押さえないとすぐに流れてしまいがち
上海におけるオフィス物件探しには即断即決が不可欠だ。ただでさえ良好な物件が少なく、賃料が高騰、売り手市場となっている状況下、物件は早めに押さえないとすぐに流れてしまう。仮押さえはできるものの、賃貸代理会社は継続的に別の借り手も捜し続けるため、別の借り手がより高い賃料で借りる場合、抑えることはできなくなるからだ。
物件探しはまず、上海市内の様々な物件を下見して回る「見学」から始まる。一般に予算に合わせて1エリアにつき5-6件程度を見て回ることになる。あらかじめ予算をはっきり決めて見学することをおすすめする。予算が確定できない場合にはA、B、Cそれぞれのランクのビルを見て、コストとメリットを比べるのも重要だ。
物件を決定後、仲介先の賃貸代理会社と契約条件交渉に入ることになる。条件交渉で重要になるのは、(1)賃料、(2)契約期限、(3)原状回復、(4)無料期間の設定の4点だ。
有利な無料期間設定でアドバンテージを
賃料は市場全体が今年、上昇率のピークを迎えている現状から考えても、なかなか交渉するのが難しいところ。仲介役の賃貸代理会社はデベロッパーから賃料の最低条件を指示されてはいるものの、市場は目下、完全に売り手市場になっている。
その中で、賃料交渉を進める上で重要になるのが「無料期間」の設定だ。無料期間とはいわばオフィス内の内装や設備を整える期間のこと。中国では一般にオフィスから出る借り手は、内装をはがし部屋内を素の状態にする「原状回復」をしなければならない。従って、次の借り手は物件を借りる際に自費で内装をしなければならないことになる。
無料期間は2,3年契約で1カ月程度設定してもらえる。これが1年契約だと2週間程度になる。また、部屋の広さにもより、1,000平米で1カ月、 100平米だと2週間程度といわれる。賃料はなかなか減額してもらえない分、しかし無料期間の設定を長めに設定できればトータルの賃料コストは多少なりとも減額に繋がるという計算だ。

当面は“売り手市場”が続く上海のオフィス不動産
途中で解約できるようなフレキシブルな契約も手
契約期限は一般的なのが2,3年契約。従来は売り手市場として推移してきたため、できるだけ長い契約をしたほうが得だといえた。しかし、 08年を賃料高騰のピークとして、2010年の上海万博終了後には賃料が落ち着き始めることを考えれば、あまり長い契約はおすすめしない。
とはいえ、まだまだ売り手市場である現時点では、1年契約では翌年、自社より高い借り手が現れることを見込んで契約できなくなる恐れもある。
そこでベターなのが、3年契約を結ぶものの、オプションとして2年目の契約満了時にその物件から出ることのできるフレキシブルな契約を結ぶこと。契約期間中に事業規模拡大やスタッフ増員に伴ったり、事業の撤退や引越しなどで出る場合には違約金が発生するからだ。実際、そのために苦慮している日系企業も少なくはない。

入居3カ月前には契約するのが理想
物件を契約した後、次にそのスペースをオフィス向けに内装することになる。最高級のAランクビルについてはあらかじめ基本的な内装が整っているケースもあるが、ほとんどのビルは新たな借り手が自費で内装をしなければならない。
物件の規模や内装の程度にもよるが、契約してから入居するまでに1,2カ月を要する。工事には予期せぬ事態が発生してしまうこともあるので、余裕をもって進めたいところだ。入居時期が決まっている場合、物件探しは4カ月ぐらい前から始めるのが相応しいといえる。そして3カ月前には契約するのが理想だ。
一概にはいえないが、一般に中国系の内装業者の場合は100平米で1-2万元、日系の場合は100平米で5万元というのが相場だといわれている。
また、契約終了後にその物件から出る際に、その物件を原状回復しなければならない。これはその物件から出る際に、内装をはがしてコンクリートむき出しの元の状態にすることで、契約上義務化されている。当該ビルを管理している物業会社や専門業者を通すのが一番楽だが、コスト面を考える企業は中国人スタッフに個人事業者を探し出してもらい、低コストで解決するという手もある。

とにかく日系企業で多いのが、いいと思う物件を見つけたものの即断即決できずに結局その物件を逃してしまうパターンだ。特に予算を確定しないまま進出を考えている企業は、いくつかの物件を見てまわり、写真を撮って本社にお伺いを立てなければならないケースもある。1-2カ月であれば仮押さえもできるが、別の借り手がより高い賃料でも応じる場合はそちらに流れてしまうことになる。物件探しも契約もできるだけ即断即決をというのが一番のアドバイスだろう。


前回までの「上海オフィス不動産事情」
上海オフィス不動産事情(2):08年が高騰のピーク 伸び率は下半期にも鈍化へ
上海オフィス不動産事情(1):未だ供給不足が続く 賃料高騰で移転する企業も
情報提供: BiZpresso Vol.39 2月26日発行
2008/03/07 更新
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