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コンサルティング 中国
中国法曹界、今後の潮流:法律をビジネススキームにどう応用していくかが重要
潤明律師事務所上海分所 執行パートナー・弁護士 陳軼凡 氏

「現場主義、原点主義で事実に基づき、中国における法律制定の歴史的背景や今後の方向性を把握しながら、中国の日系企業の皆様に、一層、専門的な法務サービスをご提供させて頂きたい」――。そう語るのは潤明律師事務所上海分所(TEL=021-6886-2381)の執行パートナーで弁護士の陳軼凡氏だ。今年1月に上海市世代律師事務所から移籍。労務管理や物流商流などを中心とした専門的な法律問題についての解決方法の提案を行っている。法規制の変化が激しい中国では、法律をどうビジネススキームの維持と構築に応用していくかが重要になると強調する。
日系企業の幅広い法務コーディネーター
陳氏は日本の文部省(当時)国費留学生として、中央大学法学修士号を取得した後、02年より加施徳諮詢(上海)(キャストコンサルティング上海)に勤務。そして、上海市世代律師事務所を経て、年初から潤明律師事務所に移籍した。一貫して日系企業の幅広い法務案件に携わり、昨年は上海日本商工クラブ後援のセミナーなど国内外で24回のセミナーで講演、日経産業新聞などで50本もの執筆活動を精力的にこなしてきた。
潤明律師事務所には中国法曹界の生き字引的存在のベテラン弁護士達を筆頭に、11名のパートナーを含む、33名の特定分野の専門を持つ弁護士が揃っている。経験を共有し、チームでサービスを提供する同所で、陳氏は日系企業と専門弁護士を結ぶコーディネーターとしても、実務的な解決策の提案を行っている。
日系企業の将来のニーズ
陳氏の今回の移籍の最大の理由は、中国の将来を考えるに、単に国際経験がある中国人弁護士だけでは不十分で、今後は、ますます中国の法律の各専門分野の深い知識を兼ね備えたプロの集団を構築しなくては、日系社会も含めた世の中のニーズに対応していけないと確信したからだ。
確かに、専門書から関連各紙などは当然として、最近ではインターネットの書き込みまでも含めた、迅速かつ幅広い情報収集能力とその理解力が不可欠となっている。それなしには、立法に携わる関係者と対等に渡り合い、情報交換していくのは難しいのが現状だ。その背景にある中国文化の理解は、いわずもがなである。
特に、中国の法律は、その政府の政策を基に制定され、それに対応して市場が動くトップダウン式になることが多いため、新しい法律をチェックすることが市場の動きを読むポイントになるという。ただし、「中国では法律が改正されても、申請など実務面に反映されるには時間がかかることも、経営者は忘れてはいけない」と強調する。

労務管理関連の案件が増加中
今年1月1日に労働契約法が施行されたこともあり、ここ1年ほどは労務管理関連の問い合わせが急増しているという。賃金など福利厚生にとどまらず、実際に工場で起きたストライキの交渉なども何件も手掛けている。
現地の日系企業では言葉の問題、当局の方針や司法の習慣に対する理解不足、反日感情などから直接対応するのが困難なケースが多く、陳氏のように現場を知り、日本語でも交渉力のある中国人弁護士が必要になってくる。そのため、賃金の集団交渉などに絡んだ相談案件が今後、さらに増えるものと見ている。
今後2-3年は外資が中国からの撤退などに関わる法務案件も増加しそうだという。心強いのは、中国労働部政策法規局の出身で各方面に強いパイプを持つ、同所の親日派の斎弁護士をパートナーとして持っていることだ。
陳氏は「中国における日系企業のニーズに応じて、国際レベルの優れた法律サービスを拡大していきたい」と熱く語っている。
情報提供: BiZpresso Vol.39 2月26日発行
2008/03/04 更新
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