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全国人大常委会の4回の審議を経て昨年6月29日に採択された「中華人民共和国労働契約法」は今年1月1日より施行に至った。本法が労資関係及び企業の労働人事、そして人的資源管理に計り知れない影響を及ぼしていることは想像に難くなく、施行後も様々な議論がわき起こっている。本連載では、労働契約法の主な論点について再説する。
はじめに:
「労働契約法」においては、1年以内の短期契約は雇用単位に対し必ずしも有利ではないと予見されてきた。雇用単位は頻繁に労働者の解雇を推進する可能性がある一方、数年後、雇用単位の労働者の大部分は無固定期間労働契約の労働者になり、「大鍋飯」(注「: 待遇が一律で、給料をもらうだけで仕事をしないことの比喩)に戻ってしまうのではないかという指摘である。
また、企業の管理コスト及び管理難度が高くなる恐れもある。「労働契約法」の中で労務派遣機関が被派遣労働者と2年以上の固定期間労働契約を締結しなければならないと規定していることから、今後労務派遣市場は縮小するのではないかという懸念の声もあった。
今後、労働契約法についての新たな立法解釈、司法解釈がなされる一方、条文の不備を補うかたちで地方法規、政府規章及び規範的文書が制定される動きも出てくるだろう。本拙文がたたき台となり、立法、司法機関、労働や社会保障部門及び法学者に少しでも参考になれば幸いである。
はじめに:
「労働契約法」においては、1年以内の短期契約は雇用単位に対し必ずしも有利ではないと予見されてきた。雇用単位は頻繁に労働者の解雇を推進する可能性がある一方、数年後、雇用単位の労働者の大部分は無固定期間労働契約の労働者になり、「大鍋飯」(注「: 待遇が一律で、給料をもらうだけで仕事をしないことの比喩)に戻ってしまうのではないかという指摘である。
また、企業の管理コスト及び管理難度が高くなる恐れもある。「労働契約法」の中で労務派遣機関が被派遣労働者と2年以上の固定期間労働契約を締結しなければならないと規定していることから、今後労務派遣市場は縮小するのではないかという懸念の声もあった。
今後、労働契約法についての新たな立法解釈、司法解釈がなされる一方、条文の不備を補うかたちで地方法規、政府規章及び規範的文書が制定される動きも出てくるだろう。本拙文がたたき台となり、立法、司法機関、労働や社会保障部門及び法学者に少しでも参考になれば幸いである。
1.無固定期間労働契約の締結条件について(「労働契約法」第14条第2項)
「労働契約法」第14条第2項は次のように定めている。「雇用単位と労働者は協議により合意に達すれば、無固定期間労働契約を締結することができる。以下の状況のいずれかに該当する場合、労働者が労働契約の継続、締結を要求又は同意した場合、労働者が固定期間労働契約の締結を提起する場合を除き、無固定期間労働契約を締結しなければならない。…(三)2回連続して固定期間労働契約を締結し、且つ労働者が本法第39条及び第40条第1項、第2項に規定されている状況にないとき、労働契約の締結を継続する場合」
3号の規定をめぐって、本号が労務派遣機関に適用すべきかが論点となっている。一般的に言えば、本号は「但し書き」又は除外規定がないことから、労務派遣機関への適用を排除することはできない。しかし労務派遣の性質から言えば、労務派遣機関に被派遣労働者と無固定期間労働契約の締結を要求することは適当ではない。
また、「労働契約法」第58条第2項には「労務派遣機関は被派遣労働者と2年以上の固定期間労働契約を締結しなければならない」と規定がある。もし本項が本法第14条の特別条項であると見られれば、労務派遣機関はいずれの場合にあっても被派遣労働者と無固定期間労働契約を締結することがない。しかし、本項が「特別条項」であるかどうかは、我々は無断で判断することはできない。いかに上述条項の関係を理解するかは、関係する有権解釈に準じなければならないだろう。
『「労働契約法」の貫徹実施に関する規定 (意見徴収案)について』(「“ 労働契約法」実施細則”))によれば、労務派遣機関が締結する労働契約は「労働契約法」第14条第2項第3号の制約を受けない。
第2の論点は、労働者と連続して2回連続して固定期間労働契約を締結した後、雇用単位は労働契約を終了する選択権を有するかどうかという点である。
もし立法者の意図が雇用単位の上記選択権を否定するのであれば、本項第3号にある「労働契約の締結を継続する」という記載は蛇足であるといえる。
文法的にみれば本号の規定は、
(1)2回連続し固定期間労働契約を締結
(2)労働者が本法第39条及び第40条第1 項、第2項に規定されている状況にない
(3)(双方同意)労働契約の締結を継続する
という並列した条件を示している。
言い換えれば、雇用単位が労働契約締結の継続を同意しない場合は、本項第3号に定められた3つの法定条件は完全に満たされないことから、雇用単位は労働者と無固定期間労働契約を締結する義務がない。
法理上から言えば、契約は双方の合意であり、契約期間満了後、いずれの一方も引き続き締結するかどうかの選択権を有し、この選択権は当然のことであり、疑いもなく立法を通じて奪い取られないものである。
まして第14条第2項の文頭には「雇用単位と労働者は協議合意により無固定期間労働契約を締結することができる」とある。ならば、雇用単位が同意しなければ、いかに「協議合意」に達するのだろう。
「労働契約法」第14条第2項は次のように定めている。「雇用単位と労働者は協議により合意に達すれば、無固定期間労働契約を締結することができる。以下の状況のいずれかに該当する場合、労働者が労働契約の継続、締結を要求又は同意した場合、労働者が固定期間労働契約の締結を提起する場合を除き、無固定期間労働契約を締結しなければならない。…(三)2回連続して固定期間労働契約を締結し、且つ労働者が本法第39条及び第40条第1項、第2項に規定されている状況にないとき、労働契約の締結を継続する場合」
3号の規定をめぐって、本号が労務派遣機関に適用すべきかが論点となっている。一般的に言えば、本号は「但し書き」又は除外規定がないことから、労務派遣機関への適用を排除することはできない。しかし労務派遣の性質から言えば、労務派遣機関に被派遣労働者と無固定期間労働契約の締結を要求することは適当ではない。
また、「労働契約法」第58条第2項には「労務派遣機関は被派遣労働者と2年以上の固定期間労働契約を締結しなければならない」と規定がある。もし本項が本法第14条の特別条項であると見られれば、労務派遣機関はいずれの場合にあっても被派遣労働者と無固定期間労働契約を締結することがない。しかし、本項が「特別条項」であるかどうかは、我々は無断で判断することはできない。いかに上述条項の関係を理解するかは、関係する有権解釈に準じなければならないだろう。
『「労働契約法」の貫徹実施に関する規定 (意見徴収案)について』(「“ 労働契約法」実施細則”))によれば、労務派遣機関が締結する労働契約は「労働契約法」第14条第2項第3号の制約を受けない。
第2の論点は、労働者と連続して2回連続して固定期間労働契約を締結した後、雇用単位は労働契約を終了する選択権を有するかどうかという点である。
もし立法者の意図が雇用単位の上記選択権を否定するのであれば、本項第3号にある「労働契約の締結を継続する」という記載は蛇足であるといえる。
文法的にみれば本号の規定は、
(1)2回連続し固定期間労働契約を締結
(2)労働者が本法第39条及び第40条第1 項、第2項に規定されている状況にない
(3)(双方同意)労働契約の締結を継続する
という並列した条件を示している。
言い換えれば、雇用単位が労働契約締結の継続を同意しない場合は、本項第3号に定められた3つの法定条件は完全に満たされないことから、雇用単位は労働者と無固定期間労働契約を締結する義務がない。
法理上から言えば、契約は双方の合意であり、契約期間満了後、いずれの一方も引き続き締結するかどうかの選択権を有し、この選択権は当然のことであり、疑いもなく立法を通じて奪い取られないものである。
まして第14条第2項の文頭には「雇用単位と労働者は協議合意により無固定期間労働契約を締結することができる」とある。ならば、雇用単位が同意しなければ、いかに「協議合意」に達するのだろう。
以上が「労働契約法」第14条を最初に拝読した際の筆者の所感であり、「労働法」の起草に参与した北京某知名学者の見解に賛同するものである。
今の労働法学界、実務界では「労働契約法」第39条及び第40条第1項、第2項に規定されている状況にさえなければ、労働者が雇用単位と2回連続して固定期間労働契約を締結した後、「全て」を決める権利を有するというのが主流の意見となっている。即ち、2回目の固定期間労働契約を締結する際には、労働者は自分が同意しない場合を除き、将来雇用単位と無固定期間労働契約を締結すると予見できる。
立法者の意図が確かに上述のようであれば、「労働契約法」第14条第2項にはまだ未整備な点があり、必ずしも労働者を保護する作用を十分に起こすに足るものでないという意見も成り立つ。(次号に続く)
今の労働法学界、実務界では「労働契約法」第39条及び第40条第1項、第2項に規定されている状況にさえなければ、労働者が雇用単位と2回連続して固定期間労働契約を締結した後、「全て」を決める権利を有するというのが主流の意見となっている。即ち、2回目の固定期間労働契約を締結する際には、労働者は自分が同意しない場合を除き、将来雇用単位と無固定期間労働契約を締結すると予見できる。
立法者の意図が確かに上述のようであれば、「労働契約法」第14条第2項にはまだ未整備な点があり、必ずしも労働者を保護する作用を十分に起こすに足るものでないという意見も成り立つ。(次号に続く)
情報提供:
Whenever CHINA 08年2月号
Whenever CHINA 08年2月号2008/03/14 更新
筆者:斎斌 弁護士
潤明法律事務所 上海支所パートナー
潤明法律事務所
[URL] http://www.runminglaw.com
潤明法律事務所 上海支所パートナー
1999年に弁護士登録。現在、潤明法律事務所の執行パートナーを務める。企業経営や企業法務の面で豊富な経験を背景に、多くの日系多国籍企業の対中投資計画に参与、ビジネスモデルの設計及び外商投資企業 (投資性企業も含む)の設立から清算までの各分野の法律業務に携わる。
潤明法律事務所
[URL] http://www.runminglaw.com
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