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中国ビジネス相談Q&A:従業員を転籍させるときの勤続年数の取扱いについて
「Q」 当社は在上海市の日系独資企業です。親会社が隣接地に別会社を設立し、当社の一部従業員をこの新会社へ転籍させる意向ですが、従業員の転籍について留意点等を教えて下さい。

「A」 従業員の勤続年数は、労働契約解除時の経済補償金算定、無期限労働契約の締結要件、年次有給休暇日数および病気休暇期間中の給与額計算などに影響して来ます。
中国の『労働法』と『労働契約法』及び関連規定によれば、従業員の受ける福利待遇は勤続年数によって異なりますので、転籍については本人の同意を得て、「転籍に関する協議書」と、転籍先との「新たな労働契約書」を締結することをお勧めします。従業員との同意によって転籍を機に経済補償金を支払って勤続年数を引継がない場合もありますが、一般的には勤続年数を新会社に引き継がないと従業員の福利待遇面で不利益を生じますので勤続年数をどう引き継ぐかは新会社との労働契約書に明記しなければなりません。
1.勤続年数と経済補償金との関係
(1)2008年1月1日施行の『労働契約法』第 46条により、会社都合により労働契約の途中解除或いは期限終止をする場合、会社は経済補償金を支払う必要があり、その金額は従業員の会社の勤続年数に基づき、勤続満1年毎に1ヶ月分の給与(6ヶ月以上1年未満の場合は1ヶ月、6ヶ月未満の場合は半月分として計算)とされています。契約期限満了で再延長しない場合の勤続年数は 2008年1月1日以降の期間ですが、途中解除の場合はそれ以前の勤続年数を全て含みます。
(2)貴社のケースでは、新会社への転籍を機に労働契約を協議一致中途解除として、旧会社入社日から新会社転籍日までの経済補償金を一旦精算する場合と、経済補償金は精算せず、新会社が無条件で勤続年数を引継いで新しい労働契約を締結する場合が考えられ、さらに経済補償金は精算しても勤続年数を引継ぐ場合と、引継がない場合の両方が考えられ、引継ぐ場合は経済補償金の前払いのような形になります。いずれの場合も会社側、従業員側の有利不利に大きな差異は無く、会社の方針と各転籍従業員の希望に従って話合って処理すれば良いでしょう。

2.勤続年数と無期限労働契約の関係
(1)従業員の勤続年数が10年を超える場合、従業員が希望すれば、会社は当該従業員と定年までの無期限労働契約を締結しなければならず(『労働契約法』第14条)、勤続年数の長さは従業員にとって大きな問題です。
(2)従業員と合意の下、労働契約を一旦解除して経済補償金を支払い、2〜3日経過後に新たな労働契約を締結するというような動きが華南の一部企業にありましたが、連続10年勤務の無期限労働契約締結要件への該当を回避する為の意図的行為として当局の指導で撤回されています。
当局の指導を受けるまでもなく、同一企業での勤続が実質的に連続しているならば勤続年数も連続するのは当然ですが、転籍の場合は本人同意があれば勤続年数のリセットは可能なケースがあります。

3.勤続年数と年次有給休暇の関係
(1)『従業員年次有給休暇条例』(2007年12月7日付公布、2008年1月1日施行)により、従業員の勤続年数に応じて会社が手配しなければならない有給休暇日数は、勤続 1年以上10年未満の場合は5日、勤続10年以上20年未満の場合は10日、勤続20年以上の場合は15日、且つ未取得日数は給与の300%で要買取の旨が規定されました。この点からも勤続年数の扱いは重要な意味を持ちます。
(2)尚、ここでいう勤続年数については、条例文章の表現からこれまでの勤務先全てを含む合計年数を指しているようで、立法当局筋もその考え方を是認していますが、実際問題としてこれまでの勤務歴を調べることは不可能であり、客観的且つ公正な過去の勤務歴の記録制度が存在しない情況では、当面の間は「自社における勤続年数」で年次有給休暇日数を付与する方法しかないと思われ、実施細則が出される、判例が出る等で扱いが明確になればそれに従う、ということになりそうです。
4.勤続年数と医療期間の関係
同一会社での勤続年数は、従業員が病気になった際に取得できる医療期間(病気休暇を取得しても解雇出来ない期間)と病気休暇の給与額にも関わります。
従業員が疾病または非労災負傷により取得できる医療期間の累計月数は[勤続年数の数字+2]ヶ月と規定されており、4年勤続の人は累計6ヶ月の医療期間を取得可能で、上限は24ヶ月です。

5.勤続年数と病気休暇給与の関係
病気休暇の給与も勤続年数により異なり、上海市のケースでは、本人給与額の 70%を基数として、病気休暇が6ヶ月以内の場合は、勤続年数が2年未満、4年未満、6年未満、8年未満、8年以上にしたがって、60%、70%、80%、90%、100%となり、病気休暇が6ヶ月を超えた後は、勤続年数が 1年未満、3年未満、3年以上にしたがって40%、50%、60%となります。(各地により基準が若干異なります)
尚、上記の病気休暇の給与額には上限と下限が設けられており、上海市の場合は前年度社会平均給与が上限、市が定める最低給与基準(従業員個人負担分の養老保険料、医療保険料、失業保険料及び住宅積立金は含まない)の80%が下限となります。

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このコーナーは、弊社が会員向けに毎日配信している『日刊華鐘通信』の中国ビジネス相談Q&Aの中から転載してお送りしています。毎日の中国ビジネス相談Q&Aは一般公開の弊社ホームページ(http://www.shcs.com.cn)でご覧いただけます。またウィルス情報については、弊社システム部専用ホームページ(http://www.itomo.net)でご覧いただけます。


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情報提供: Whenever CHINA 08年2月号
2008/02/26 更新
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