コンサルティング 中国
日本の上場会社等が連結財務諸表を作成する場合、今後は、在外連結子会社も原則として日本基準により財務諸表を作成することが求められ、当面の取り扱いとしては、国際財務報告基準(IFRSs)または米国会計基準(US GAAP)に準拠しなければならないことになりました。
2回にわたり、在外子会社の会計処理の統一の概要と、中国現地法人の具体的な対応について論じたいと思います。
2回にわたり、在外子会社の会計処理の統一の概要と、中国現地法人の具体的な対応について論じたいと思います。
1.適用規則
日本の企業会計基準委員会は、2006年5月17日に実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取り扱い」 (以下、「実務対応報告」)を公表し、在外子会社の会計処理についても日本基準もしくは、IFRSsまたはUS GAAPを採用し、連結会社における会計処理を統一しなければならないことになりました。
2.現行の規定
現行の規定では、親会社及び子会社が採用する会計処理は、原則として統一しなければならないとされているものの、当面の取扱いとして、在外子会社の会計処理については、その子会社の所在地国の会計基準により認められている会計基準をそのまま利用することができることとされています。このことより、中国の大半の現地法人は、中国基準に基づき作成した財務諸表をそのまま、連結決算に利用していました。
日本の企業会計基準委員会は、2006年5月17日に実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取り扱い」 (以下、「実務対応報告」)を公表し、在外子会社の会計処理についても日本基準もしくは、IFRSsまたはUS GAAPを採用し、連結会社における会計処理を統一しなければならないことになりました。
2.現行の規定
現行の規定では、親会社及び子会社が採用する会計処理は、原則として統一しなければならないとされているものの、当面の取扱いとして、在外子会社の会計処理については、その子会社の所在地国の会計基準により認められている会計基準をそのまま利用することができることとされています。このことより、中国の大半の現地法人は、中国基準に基づき作成した財務諸表をそのまま、連結決算に利用していました。
3.新しい規定̶実務対応報告第18号の概要
(1)原則的な取扱い
実務対応報告では、原則は、在外子会社についても日本基準で作成した財務諸表もしくは、IFRSs、US GAAPを含む各国基準で作成した財務諸表を日本基準に修正した財務諸表を利用して連結財務諸表を作成することとされています。
(2)当面の取扱い
原則の方法のほか、当面の取扱いとして、在外子会社の財務諸表または親会社へ提出する連結パッケージ等をIFRSsまたはUS GAAPに準拠して作成した場合は、後述する6項目を除き、連結決算上、それらをそのまま利用することができます。
すなわち、これまでのように中国基準に準拠して作成した財務諸表または連結パッケージをそのまま利用して連結決算手続きを行うことが認められなくなりました。
中国の連結子会社の中にも、日本の親会社の連結決算用に、主にエクセル等の表計算ソフトで作成された連結パッケージを作成し、親会社に提出している会社も多くあるかと思います。その連結パッケージにおける財務諸表は、通常は、いわゆる日本式の貸借対照表、損益計算書であり、勘定科目が異なる部分もあり、作成にあたっては、中国の会計基準で作成した財務諸表から組み替える必要があります。しかし、この組み替え作業そのものは、財務諸表を日本の会計基準で作成したことにはならず、会計処理そのものを日本基準、IFRSsまたはUS GAAPに組み替える必要があります。
IFRSsまたはUS GAAPに準拠して作成した場合でも、以下の6項目については、当該修正額に重要性が乏しい場合を除き、会計処理を修正する必要があります。
・のれんの償却
・退職給付会計における数理計算上の差異の費用処理
・研究開発費の支出時費用処理
・投資不動産の時価評価及び固定資産の再評価
・会計方針の変更に伴う財務諸表の遡及修正
・少数株主損益の会計処理
4.適用時期
(1)適用する会計年度
実務対応報告の規定は、親会社の会計年度において、08年4月1日以降に開始する連結会計年度より適用が開始されます。
すなわち、親会社が3月決算の場合は、08年4月1日より開始する連結会計年度から適用が開始され、親会社が2月決算であれば09年3月1日より開始する連結会計年度から適用が開始されることになります。
(2)中国子会社における適用開始時期
中国現地法人は、規定によりすべて12月決算となっています。 また、日本の連結財務諸表の基準では、親会社が3月決算の場合、中国現地法人の12月決算数値をそのまま利用して連結財務諸表を作成することが可能です。すなわち、08年4月1日より開始する親会社の決算期については、中国の08年度の数値と連結することが可能ですので、四半期連結決算を考えた場合、中国の08年度第一四半期(08年1月から3月)と日本の08年度第一四半期(08年4月から6月)を連結することになりますので、早い会社では、08年1月より新しい規定に沿った会計処理を行うことが必要になります。
前回までの「会計講座」
会計講座 第8回:新《労働契約法》における経済補償金の会計と税務(2)
会計講座 第7回:新《労働契約法》における経済補償金の会計と税務(1)
会計講座 第6回:遡及期間、罰金、延滞税と告発の奨励について
(1)原則的な取扱い
実務対応報告では、原則は、在外子会社についても日本基準で作成した財務諸表もしくは、IFRSs、US GAAPを含む各国基準で作成した財務諸表を日本基準に修正した財務諸表を利用して連結財務諸表を作成することとされています。
(2)当面の取扱い
原則の方法のほか、当面の取扱いとして、在外子会社の財務諸表または親会社へ提出する連結パッケージ等をIFRSsまたはUS GAAPに準拠して作成した場合は、後述する6項目を除き、連結決算上、それらをそのまま利用することができます。
すなわち、これまでのように中国基準に準拠して作成した財務諸表または連結パッケージをそのまま利用して連結決算手続きを行うことが認められなくなりました。
中国の連結子会社の中にも、日本の親会社の連結決算用に、主にエクセル等の表計算ソフトで作成された連結パッケージを作成し、親会社に提出している会社も多くあるかと思います。その連結パッケージにおける財務諸表は、通常は、いわゆる日本式の貸借対照表、損益計算書であり、勘定科目が異なる部分もあり、作成にあたっては、中国の会計基準で作成した財務諸表から組み替える必要があります。しかし、この組み替え作業そのものは、財務諸表を日本の会計基準で作成したことにはならず、会計処理そのものを日本基準、IFRSsまたはUS GAAPに組み替える必要があります。
IFRSsまたはUS GAAPに準拠して作成した場合でも、以下の6項目については、当該修正額に重要性が乏しい場合を除き、会計処理を修正する必要があります。
・のれんの償却
・退職給付会計における数理計算上の差異の費用処理
・研究開発費の支出時費用処理
・投資不動産の時価評価及び固定資産の再評価
・会計方針の変更に伴う財務諸表の遡及修正
・少数株主損益の会計処理
4.適用時期
(1)適用する会計年度
実務対応報告の規定は、親会社の会計年度において、08年4月1日以降に開始する連結会計年度より適用が開始されます。
すなわち、親会社が3月決算の場合は、08年4月1日より開始する連結会計年度から適用が開始され、親会社が2月決算であれば09年3月1日より開始する連結会計年度から適用が開始されることになります。
(2)中国子会社における適用開始時期
中国現地法人は、規定によりすべて12月決算となっています。 また、日本の連結財務諸表の基準では、親会社が3月決算の場合、中国現地法人の12月決算数値をそのまま利用して連結財務諸表を作成することが可能です。すなわち、08年4月1日より開始する親会社の決算期については、中国の08年度の数値と連結することが可能ですので、四半期連結決算を考えた場合、中国の08年度第一四半期(08年1月から3月)と日本の08年度第一四半期(08年4月から6月)を連結することになりますので、早い会社では、08年1月より新しい規定に沿った会計処理を行うことが必要になります。
前回までの「会計講座」
会計講座 第8回:新《労働契約法》における経済補償金の会計と税務(2)
会計講座 第7回:新《労働契約法》における経済補償金の会計と税務(1)
会計講座 第6回:遡及期間、罰金、延滞税と告発の奨励について
情報提供:
Whenever CHINA 07年12月号
Whenever CHINA 07年12月号2008/01/28 更新
筆者:川嶋広行
望月コンサルティング(上海)有限公司 パートナー 公認会計士
望月コンサルティング(上海)有限公司 公認会計士 望月一央事務所
[住所] 上海市浦東新区張楊路560号 中融恒瑞国際大厦西棟1702室
[電話] 021-5835-9960 / [FAX] 021-5835-9964
[URL] http://www.mochizuki.com.cn
望月コンサルティング(上海)有限公司 パートナー 公認会計士
日本公認会計士。1990年2次試験に合格。92年大学を卒業後、同年より日本の大手監査法人にて法定監査、IPO支援業務に従事する。2000年同法人を退職後、北京での1 年間の語学留学を経て E&Y上海事務所にて日系企業の監査、税務アドバイザリー業務に従事し、06年より望月コンサルティングに参画する。現在、業務改善支援や財務デューディリジェンス業務等を手がけている。
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