コンサルティング 中国
「Q」 日系製造子会社ですが、日本本社への製品輸出価格について税務局より移転価格税制に関する照会を受けました。今後の対応を含め注意点を教えて下さい。
「A」 中国でも移転価格税制問題は業種を問わず、多くの企業にとってますます大きい税務リスクとなりつつあります。中国の移転価格税制は基本的にはOECDガイドラインを参考にしており、日本とほぼ同様の考え方を採っていますが、特徴的なことは、中国国内の異なる税務局間の取引も対象としていますので注意が必要です。外国だけでなく中国国内の関係会社取引きの価格設定を今一度整理されることをお勧めします。
弊社では、移転価格税制への対応プランニングと対策をサポート致します。
「A」 中国でも移転価格税制問題は業種を問わず、多くの企業にとってますます大きい税務リスクとなりつつあります。中国の移転価格税制は基本的にはOECDガイドラインを参考にしており、日本とほぼ同様の考え方を採っていますが、特徴的なことは、中国国内の異なる税務局間の取引も対象としていますので注意が必要です。外国だけでなく中国国内の関係会社取引きの価格設定を今一度整理されることをお勧めします。
弊社では、移転価格税制への対応プランニングと対策をサポート致します。
1.関連企業の定義と取引の範囲
資本関係及び実質支配関係を関連企業の認定基準としている点では日本と同様ですが、%が大きく異なります。
1)相互に直接又は間接的に、一方の株式の25%以上を所有する場合(日本では50%以上)
2)直接又は間接的に、同一第三者が25%以上の株式を所有又は支配する場合(日本では50%以上)
3)他企業より資金の50%以上借り入れている場合、又は借入れ総額の10%以上の保証を受けている場合
4)董事や高級管理職の半数以上又は1名以上の常務董事が他企業から派遣されている場合
5)企業の生産経営が他企業の特許権に依存している場合
6)原材料、部品等の購入が他企業により供給され、支配されている場合
7)製品、商品の販売が他企業により支配されている場合
8)企業の生産経営、取引を実質的に支配し、或いはその他の利益上の関係がある場合(家族、親族関係を含む)
上記の如く、中国の場合は、関連企業の定義が大変広範囲で、これらの企業相互取引きは全て関連企業間の取引とされます。また、ご質問のようなモノの売買に限らず、特に注意しなければならないのは、商標、ブランド、特許やノウハウ使用権などの無形資産の譲渡価格、また融資や債務保証提供の際の金利、保証料など、各種サービスの役務提供価格等の妥当性が対象になり得ます。
2.独立企業間価格の算定方法
税務当局との間で争点となる「独立企業間価格」の算定には、独立価格比準法(CUP)、再販売価格基準法(RP)、原価基準法(CP)及びその他の代替方法が用いられます。
独立価格比準法(CUP)は、類似の取引条件下で非関連企業と同種取引の際に用いられる価格を基準とするものですが、取引内容や条件により単純比較が困難な場合もあります。
再販売価格基準法は、関連企業間取引の買い手側企業がその商品を非関連企業に販売する価格から合理的な利潤を控除した後の利益を基準とする方法で、日本の親会社が中国の子会社から製品を輸入販売する場合など、輸入価格の妥当性を再販売価格から検討する場合に用いられます。
原価基準法(CP)は、関連企業間取引における製造原価または販売原価に合理的利潤を加えた金額を基準とする方法です。この方法は、モノの製造販売のほか、役務提供、無形資産の譲渡価格等に比較的広く用いられています。
資本関係及び実質支配関係を関連企業の認定基準としている点では日本と同様ですが、%が大きく異なります。
1)相互に直接又は間接的に、一方の株式の25%以上を所有する場合(日本では50%以上)
2)直接又は間接的に、同一第三者が25%以上の株式を所有又は支配する場合(日本では50%以上)
3)他企業より資金の50%以上借り入れている場合、又は借入れ総額の10%以上の保証を受けている場合
4)董事や高級管理職の半数以上又は1名以上の常務董事が他企業から派遣されている場合
5)企業の生産経営が他企業の特許権に依存している場合
6)原材料、部品等の購入が他企業により供給され、支配されている場合
7)製品、商品の販売が他企業により支配されている場合
8)企業の生産経営、取引を実質的に支配し、或いはその他の利益上の関係がある場合(家族、親族関係を含む)
上記の如く、中国の場合は、関連企業の定義が大変広範囲で、これらの企業相互取引きは全て関連企業間の取引とされます。また、ご質問のようなモノの売買に限らず、特に注意しなければならないのは、商標、ブランド、特許やノウハウ使用権などの無形資産の譲渡価格、また融資や債務保証提供の際の金利、保証料など、各種サービスの役務提供価格等の妥当性が対象になり得ます。
2.独立企業間価格の算定方法
税務当局との間で争点となる「独立企業間価格」の算定には、独立価格比準法(CUP)、再販売価格基準法(RP)、原価基準法(CP)及びその他の代替方法が用いられます。
独立価格比準法(CUP)は、類似の取引条件下で非関連企業と同種取引の際に用いられる価格を基準とするものですが、取引内容や条件により単純比較が困難な場合もあります。
再販売価格基準法は、関連企業間取引の買い手側企業がその商品を非関連企業に販売する価格から合理的な利潤を控除した後の利益を基準とする方法で、日本の親会社が中国の子会社から製品を輸入販売する場合など、輸入価格の妥当性を再販売価格から検討する場合に用いられます。
原価基準法(CP)は、関連企業間取引における製造原価または販売原価に合理的利潤を加えた金額を基準とする方法です。この方法は、モノの製造販売のほか、役務提供、無形資産の譲渡価格等に比較的広く用いられています。
3.当局の調査と不服申し立て
従来より、関連企業と取引のある企業は主管税務局に所定の報告を提出する必要がありましたが、実際には会計監査報告書に簡単に記載をして済ませるケースもありました。しかし2008年1月1日施行の新「企業所得税法」では、関連企業と取引のある企業は年度納税申告時の「年度の関連業務往来報告書」提出を明確に義務付けています。
税務当局は特に、赤字が連続2年以上継続の企業や、経営規模は拡大しているにも関わらず利益が僅かな企業、隔年毎に黒字と赤字を出す企業等を重点的に調査しています。当局は照会による書類調査を経て、現地調査(工場、倉庫の視察や帳簿調査等)を行い、問題ありとする場合は、前述のいずれかの独立企業間価格の算定方法により税務更正、追徴、罰金などの行政処分を行います。
企業は税務更正に不服の場合、一級上の税務局へ不服申し立てが出来ますが、先ず更正結果に基づく追徴税額を供託納付する必要があります。
4.事前確認制度(APA)
事前確認制度(APA)とは、関連企業間移転価格の算定方法、重要な前提条件を事前に納税者と税務当局が取り決める制度です。これには一国のみの税務当局と合意するユニラテラルAPAと、納税者と国外関連企業がある国の税務局同士が同意する2国間(バイラテラル)APAがあります。納税者にとっては、APAにより税務政策が安定する一方で、移転価格を決めるための前提条件(取引条件)が安定していない企業には不向きと言えます。APAの手続きには一年以上かかることもあります。
最後に、移転価格税制対応は、当局からの照会を受ける前に、調査を想定して日常より対応策を講じておくことが特に重要です。
お知らせ
このコーナーは、弊社が会員向けに毎日配信している『日刊華鐘通信』の中国ビジネス相談Q&Aの中から転載してお送りしています。毎日の中国ビジネス相談Q&Aは一般公開の弊社ホームページ(http://www.shcs.com.cn)でご覧いただけます。またウィルス情報については、弊社システム部専用ホームページ(http://www.itomo.net)でご覧いただけます。
前回までの「中国ビジネス相談Q&A」
中国ビジネス相談Q&A:入国旅客手荷物及び個人郵送物品の納税について
中国ビジネス相談Q&A:中国における個人情報保護に関する法律や規定
中国ビジネス相談Q&A:『労働契約法』についての解説(2)
中国ビジネス相談Q&A:『労働契約法』についての解説(1)
従来より、関連企業と取引のある企業は主管税務局に所定の報告を提出する必要がありましたが、実際には会計監査報告書に簡単に記載をして済ませるケースもありました。しかし2008年1月1日施行の新「企業所得税法」では、関連企業と取引のある企業は年度納税申告時の「年度の関連業務往来報告書」提出を明確に義務付けています。
税務当局は特に、赤字が連続2年以上継続の企業や、経営規模は拡大しているにも関わらず利益が僅かな企業、隔年毎に黒字と赤字を出す企業等を重点的に調査しています。当局は照会による書類調査を経て、現地調査(工場、倉庫の視察や帳簿調査等)を行い、問題ありとする場合は、前述のいずれかの独立企業間価格の算定方法により税務更正、追徴、罰金などの行政処分を行います。
企業は税務更正に不服の場合、一級上の税務局へ不服申し立てが出来ますが、先ず更正結果に基づく追徴税額を供託納付する必要があります。
4.事前確認制度(APA)
事前確認制度(APA)とは、関連企業間移転価格の算定方法、重要な前提条件を事前に納税者と税務当局が取り決める制度です。これには一国のみの税務当局と合意するユニラテラルAPAと、納税者と国外関連企業がある国の税務局同士が同意する2国間(バイラテラル)APAがあります。納税者にとっては、APAにより税務政策が安定する一方で、移転価格を決めるための前提条件(取引条件)が安定していない企業には不向きと言えます。APAの手続きには一年以上かかることもあります。
最後に、移転価格税制対応は、当局からの照会を受ける前に、調査を想定して日常より対応策を講じておくことが特に重要です。
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前回までの「中国ビジネス相談Q&A」
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中国ビジネス相談Q&A:『労働契約法』についての解説(2)
中国ビジネス相談Q&A:『労働契約法』についての解説(1)
情報提供:
Whenever CHINA 07年12月号
Whenever CHINA 07年12月号2007/12/21 更新
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