コンサルティング 中国
前号では、ホーチミンおよびハノイの不動産市場について概観した。賃料の上昇圧力、高い稼働率および限定的な新規供給を見ると、多くの機関投資家にとって、ベトナム不動産市場は魅力的に映る。今回は、ベトナムの土地・住宅制度と投資ストラクチャーについて概説したい。
外資は土地の「賃貸利用」のみが可能
ベトナムでは、土地は全人民所有という名で「国有」とされているため、個人の所有は一切認められていない。中国と似ている点があるが土地・住宅制度はより複雑である。
国は、土地に関する処分権を有し、土地使用権を他の主体に移転させることができる。ベトナム企業・ベトナム人には、国からの割当による土地使用 (永久・一定期間)が認められている。
一方、外国企業・外国人は土地割当を受けることができない。そのため、利用期間 (通常は50年以下)の土地賃借料を一括あるいは分割で支払い、土地を借りることになる。土地使用権を取得できるベトナム企業・ベトナム人に対して、外国企業・外国人は賃借料を支払って土地の「利用」ができるにすぎない。
分譲住宅を開発するベトナム企業は、土地使用権料を、外国企業の場合は土地賃借料を一括で支払う必要がある。一括で支払うことで、土地賃借権と土地に付随する資産を譲渡・サブリース・抵当に入れることができる。一括支払いでない場合、土地以外の資産のみが譲渡やサブリースなどの対象となる。
賃貸住宅を開発した外国企業に対しては、住宅所有証明書が発行される一方、分譲住宅の場合は、住宅所有証明書は発行されず、住宅購入者に発行される。一括払いを済ませた外国企業が開発した住宅を購入する場合、住宅購入者には関連部局から土地使用権証明書が発行される(ただし、これが永久なのか一定期間なのか議論が分かれる)。
実際には、土地使用権の提供を受け、ベトナム企業と同等のステータスとなるジョイント・ベンチャー(JV)形式を採用するのが一般的である(次項)。
ベトナムでは、土地は全人民所有という名で「国有」とされているため、個人の所有は一切認められていない。中国と似ている点があるが土地・住宅制度はより複雑である。
国は、土地に関する処分権を有し、土地使用権を他の主体に移転させることができる。ベトナム企業・ベトナム人には、国からの割当による土地使用 (永久・一定期間)が認められている。
一方、外国企業・外国人は土地割当を受けることができない。そのため、利用期間 (通常は50年以下)の土地賃借料を一括あるいは分割で支払い、土地を借りることになる。土地使用権を取得できるベトナム企業・ベトナム人に対して、外国企業・外国人は賃借料を支払って土地の「利用」ができるにすぎない。
分譲住宅を開発するベトナム企業は、土地使用権料を、外国企業の場合は土地賃借料を一括で支払う必要がある。一括で支払うことで、土地賃借権と土地に付随する資産を譲渡・サブリース・抵当に入れることができる。一括支払いでない場合、土地以外の資産のみが譲渡やサブリースなどの対象となる。
賃貸住宅を開発した外国企業に対しては、住宅所有証明書が発行される一方、分譲住宅の場合は、住宅所有証明書は発行されず、住宅購入者に発行される。一括払いを済ませた外国企業が開発した住宅を購入する場合、住宅購入者には関連部局から土地使用権証明書が発行される(ただし、これが永久なのか一定期間なのか議論が分かれる)。
実際には、土地使用権の提供を受け、ベトナム企業と同等のステータスとなるジョイント・ベンチャー(JV)形式を採用するのが一般的である(次項)。
WFOEへ転向する場合の課題
2000年の外国投資法の改正により、JVや事業協力契約などに限定されていた外国からの投資に加え、外商投資企業(WFOE)による投資も可能となった。 WFOEの場合、土地使用権の取得や、関 連部局との交渉を外資単独で行うことがきわめて困難であることから、実際の投資には、JVや事業協力契約などの形態を採用するのが一般的、現実的である。ただし、ベトナム人個人とはJVを組成することはできない。
ベトナム側パートナーから土地使用権の提供を受ける場合、外国企業は土地使用権を取得するのと同様の扱いを受けることになるほか、土地賃借料を支払う必要がない。しかし、JVからWFOEへ転向する場合、土地使用権ではなくなり、土地賃借に変更しなければならない。ベトナム側パートナーから土地使用権の現物出資を受け、外国パートナー側が資金や設備を提供する方法をとるのが現実的である。
土地使用権の問題を避けるには、ベトナム企業への出資も考えられる。株式未公開企業の場合は30%、上場企業の場合は49%が上限となっている。しかし、現在、ベトナムの株式市場は暴騰気味であるほか、未公開・上場株ともに圧倒的な不足状態が続いており、投資先を見つけるのは困難な状況である。
前回までの「中国不動産「投資」レポート」
中国不動産「投資」レポート Vol7:ベトナム不動産投資環境(1)
中国不動産「投資」レポート Vol6:外資に対する相次ぐ不動産投資規制
2000年の外国投資法の改正により、JVや事業協力契約などに限定されていた外国からの投資に加え、外商投資企業(WFOE)による投資も可能となった。 WFOEの場合、土地使用権の取得や、関 連部局との交渉を外資単独で行うことがきわめて困難であることから、実際の投資には、JVや事業協力契約などの形態を採用するのが一般的、現実的である。ただし、ベトナム人個人とはJVを組成することはできない。
ベトナム側パートナーから土地使用権の提供を受ける場合、外国企業は土地使用権を取得するのと同様の扱いを受けることになるほか、土地賃借料を支払う必要がない。しかし、JVからWFOEへ転向する場合、土地使用権ではなくなり、土地賃借に変更しなければならない。ベトナム側パートナーから土地使用権の現物出資を受け、外国パートナー側が資金や設備を提供する方法をとるのが現実的である。
土地使用権の問題を避けるには、ベトナム企業への出資も考えられる。株式未公開企業の場合は30%、上場企業の場合は49%が上限となっている。しかし、現在、ベトナムの株式市場は暴騰気味であるほか、未公開・上場株ともに圧倒的な不足状態が続いており、投資先を見つけるのは困難な状況である。
前回までの「中国不動産「投資」レポート」
中国不動産「投資」レポート Vol7:ベトナム不動産投資環境(1)
中国不動産「投資」レポート Vol6:外資に対する相次ぐ不動産投資規制
情報提供:
Whenever CHINA 07年11月号
Whenever CHINA 07年11月号2007/11/15 更新
筆者:安田明宏氏
Stasia Capital調査部主任研究員
Stasia Capital Holding Limited (ステイジア・キャピタル)
[住所] 上海市長楽路801号華爾登広場203室
[電話] 021-5404-6486 / [FAX] 021-5404-5368
[E-mail] yasuda@stasiacapital.com
[URL] http://www.stasiacapital.com
Stasia Capital調査部主任研究員
プロフィール…名古屋大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。インドネシア・スラバヤ国立大学大学院国家教育研究科博士課程留学。専攻は文化人類学。
Stasia Capital Holding Limited (ステイジア・キャピタル)
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