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中国不動産「投資」レポート Vol7:ベトナム不動産投資環境(1)
最近、中国不動産投資に加え、「チャイナ・プラスワン」と呼ばれて久しいベトナムの不動産市場への参入を検討する投資家が増えてきた。それにあわせ、中国市場のみならず、ベトナム市場について質問を受ける機会が増えている。今号ではベトナムの不動産市場 (ホーチミンとハノイ)の歴史的変遷について、次号ではベトナムの投資環境について概説したい。
ホーチミン
(1)サービスアパート市場
95年当時、ホーチミンには、サービスアパートが300戸前後しか存在せず、平均稼働率は軒並み90%以上、賃料は40米ドル/㎡/月を維持していた。 96年には、供給が2倍に増えたが、それでも需要高は解消されなかった。しかし、 97年に発生したアジア通貨危機の影響を受け、外国人からの需要が激減、平均稼働率は70%まで下落、平均賃料は99 年に20米ドル/㎡/月以下となった。
平均稼働率が85%程度まで回復したのが01年。賃料は20米ドル/㎡/月程度で推移し、04年までは供給量にも増加傾向が見られた。
最近は、供給が限定的になってきており、稼働率は90%以上の高水準を維持している。また、賃料はゆるやかな増加傾向が続いている。
(2)オフィス市場
ホーチミンのオフィス開発の先駆けとなったのは、95年の「The Landmark」竣工だった。これ以降、オフィス市場の拡大がはじまったが、低供給と高需要が続いたことから、稼働率は軒並み85%以上の水準で推移した。九七年は、既存ストックが前年比200%増を記録したものの、アジア通貨危機後は、賃料と稼働率の大幅に下落し、99年まで低迷が続いた。
2000年前後から、市場は回復傾向を見せはじめたが、新規供給が少ない状態が続いている。賃料と稼働率は、ゆるやかな上昇基調をたどり、現在まで続いている。

ハノイ
(1)サービスアパート市場
95年から96年にかけては低供給と高需要が続き、賃料は50米ドル/㎡/月の高水準を維持。そのあと、アパート供給のラッシュが引き起こり、今度は、賃料と稼働率の下落が見られた。
アジア通貨危機でこの傾向は00年まで続き、00年頃に賃料は19米ドル/㎡/月の水準まで下落した。その後、市場は回復に向かうが、02年から06年までに新規供給されたサービスアパートはわずか160戸程度にとどまった。最近では、賃料と稼働率は安定的に推移し、稼働率は軒並み90%以上を維持している。
(2)オフィス市場
95年のHITC竣工がきっかけとなり、ハノイのオフィス市場の拡大がはじまった。95年から96年までの低供給と高需要は賃料を高い水準に引き上げた。開発ラッシュが押し寄せて供給がはじまり、今度は賃料と入居率の下落を引き起こした。アジア通貨危機によって状況はさらに悪化し、00年頃に最低水準となった。
01年からは上昇ペースが回復、4%増/年で推移しているほか、稼働率は 02年以降、90%以上を維持している。とくに、05年以降は、95%以上の高水準となっている。
ベトナム不動産投資の可能性
アジア通貨危機以前、ベトナムの不動産市場は規模が小さく、ごく限られたプレイヤーしか存在しなかった。全体的に見ると、市場は、通貨危機の影響を受けた 97年から00年までが低迷期となり、そのあとは回復傾向が続いている。最近は、賃料の上昇圧力が強くなってきており、稼働率も高水準が続いているほか、新規では、限られた供給しか見られない。この三つの要素は、外国プレイヤーにとって、魅力的に映る。 現在、好況を背景に、競争は熾烈になりつつある。

最近のベトナム不動産データ
種別ホーチミン(2007Q1)ハノイ(2007Q2)
サービスアパートグレードA賃料(米ドル/㎡/月)26.9430.15
稼働率(%)97.097.0
グレードB賃料(米ドル/㎡/月)22.5819.34
稼働率(%)98.095.0
オフィスグレードA賃料(米ドル/㎡/月)38.8835.87
稼働率(%)10098.8
グレードB賃料(米ドル/㎡/月)29.4024.34
稼働率(%)99.598.0
(Chesterton Petty Vietnam、Savillsのデータよりベターハウス調査部作成)


前回までの「中国不動産「投資」レポート」
中国不動産「投資」レポート Vol6:外資に対する相次ぐ不動産投資規制
情報提供: Whenever CHINA 07年10月号
2007/11/15 更新
筆者:安田明宏氏
Stasia Capital調査部主任研究員
プロフィール…名古屋大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。インドネシア・スラバヤ国立大学大学院国家教育研究科博士課程留学。専攻は文化人類学。

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