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06年7月に発表された外国企業および外国人による不動産投資の規制を受け、外資の投資スキーム再編成の動きは落ち着きを見せていた。しかし、「五〇号文件」「一三〇号文件」に見るように監視強化を目的とした細則が今後も登場してくる可能性がある。本稿では二つの「文件」について概説したい。
五〇号文件
07年5月23日、商務部と外貨管理局は連名で、「商務部および国家外貨管理局の外商による不動産業の直接投資に関する審査認可および監督管理のさらなる強化の通知」(商資函[二〇〇七]五〇号)を発表した。主な内容は以下の通りである。
【1】外商投資不動産企業の承認を与える地方・地区レベルの商務部審査認可部門は、登記(中国語で備案)のために、商務部に承認内容を通達しなければならない
【2】登記が完了していない場合、外貨管理局および外貨指定銀行は、外商投資不動産企業の資本項目口座に対する転換手続きをとってはならない
【3】外商投資不動産企業の設立申請の前に、投資家は、(1)あらかじめ土地使用権あるいは不動産建築物所有権を取得、(2) 土地管理部門あるいは土地開発業者と土地使用権払い下げ契約あるいは土地使用権移転契約を締結、(3)不動産所有者と事前販売あるいは販売契約を締結しなければならない。
一三〇号文件
07年7月10日、国家外貨管理局は「第一回目の商務部登記済み外商投資不動産プロジェクトに関する通知」(匯総発 [二〇〇七]一三〇号)を各省市分局へ通達した(※1)。
【1】07年6月1日以降、商務部関連部門からの批准証書を取得し、商務部登記済みである外商投資不動産企業(新規および増資を含む)に対して、各分局は、外債登記および外債の人民元転に関する許認可手続きをおこなわない
【2】07年6月1日以降、商務部関連部門からの批准証書を取得しているが、商務部での登記が完了していない外商投資不動産企業に対して、各分局は、外貨登記(あるいは登記変更)および資本項目の人民元転、外貨転の手続きを行わない
五〇号文件
07年5月23日、商務部と外貨管理局は連名で、「商務部および国家外貨管理局の外商による不動産業の直接投資に関する審査認可および監督管理のさらなる強化の通知」(商資函[二〇〇七]五〇号)を発表した。主な内容は以下の通りである。
【1】外商投資不動産企業の承認を与える地方・地区レベルの商務部審査認可部門は、登記(中国語で備案)のために、商務部に承認内容を通達しなければならない
【2】登記が完了していない場合、外貨管理局および外貨指定銀行は、外商投資不動産企業の資本項目口座に対する転換手続きをとってはならない
【3】外商投資不動産企業の設立申請の前に、投資家は、(1)あらかじめ土地使用権あるいは不動産建築物所有権を取得、(2) 土地管理部門あるいは土地開発業者と土地使用権払い下げ契約あるいは土地使用権移転契約を締結、(3)不動産所有者と事前販売あるいは販売契約を締結しなければならない。
一三〇号文件
07年7月10日、国家外貨管理局は「第一回目の商務部登記済み外商投資不動産プロジェクトに関する通知」(匯総発 [二〇〇七]一三〇号)を各省市分局へ通達した(※1)。
【1】07年6月1日以降、商務部関連部門からの批准証書を取得し、商務部登記済みである外商投資不動産企業(新規および増資を含む)に対して、各分局は、外債登記および外債の人民元転に関する許認可手続きをおこなわない
【2】07年6月1日以降、商務部関連部門からの批准証書を取得しているが、商務部での登記が完了していない外商投資不動産企業に対して、各分局は、外貨登記(あるいは登記変更)および資本項目の人民元転、外貨転の手続きを行わない
市場への影響
これまで、外商投資企業の登記は、地方・地区レベルで行われ、承認が撤回されるケースは稀であり、関連する外貨管理局の登記および承認もタイムリーに与えられてきた。今後は、中央の商務部による最終承認が必要なため、新規あるいは増資の手続きに時間がかかるほか、商務部が外資進出のスピードと規模をコントロールする可能性が高くなってきた。
また、五〇号文件の【3】に関して、地方レベルの関係部署の中には、単純な LOIやMOUでは条件を満たしていないとする立場をとっているとの噂が流れている。実際には、どの水準の契約が必要になるのか不透明なままであるため、申請間近の企業は、弁護士や関係部局などに再確認する必要があるだろう。
五〇号文件の【2】をさらに厳格にした一三〇号文件では、商務部で登記が完了していたとしても、外債登記および外債の人民元転に関する許認可手続きをおこなわない旨が規定された。これにより、外商投資不動産企業のオフショア銀行からのクロスボーダー借り入れや、親子間のローンが困難になると考えられる。外商投資不動産企業にとっては、ファイナンススキームの変更を余儀なくされる事態になるだろう。外貨借り入れができなくなったあとの対応策としては、国内オンショアローン、オフショアローンを活用した増資などが考えられる(※2)。
今回発表された一連の政策は、過熱傾向にある不動産投資の抑制が大きな目的である。今後、細則が発表される可能性もあることから、不動産投資を考える外国企業は、政策発表に対して引き続き注視する必要がある。
(※1)国家外貨管理局が各省市分局に指示を出した内部通達であると考えられる。ベターハウス調査部が上海分局に確認したところ、130号文件は施行されているとの回答を得た。
(※2)増資にも商務部の承認が必要になるため、時間的な問題が生じる可能性がある。
これまで、外商投資企業の登記は、地方・地区レベルで行われ、承認が撤回されるケースは稀であり、関連する外貨管理局の登記および承認もタイムリーに与えられてきた。今後は、中央の商務部による最終承認が必要なため、新規あるいは増資の手続きに時間がかかるほか、商務部が外資進出のスピードと規模をコントロールする可能性が高くなってきた。
また、五〇号文件の【3】に関して、地方レベルの関係部署の中には、単純な LOIやMOUでは条件を満たしていないとする立場をとっているとの噂が流れている。実際には、どの水準の契約が必要になるのか不透明なままであるため、申請間近の企業は、弁護士や関係部局などに再確認する必要があるだろう。
五〇号文件の【2】をさらに厳格にした一三〇号文件では、商務部で登記が完了していたとしても、外債登記および外債の人民元転に関する許認可手続きをおこなわない旨が規定された。これにより、外商投資不動産企業のオフショア銀行からのクロスボーダー借り入れや、親子間のローンが困難になると考えられる。外商投資不動産企業にとっては、ファイナンススキームの変更を余儀なくされる事態になるだろう。外貨借り入れができなくなったあとの対応策としては、国内オンショアローン、オフショアローンを活用した増資などが考えられる(※2)。
今回発表された一連の政策は、過熱傾向にある不動産投資の抑制が大きな目的である。今後、細則が発表される可能性もあることから、不動産投資を考える外国企業は、政策発表に対して引き続き注視する必要がある。
(※1)国家外貨管理局が各省市分局に指示を出した内部通達であると考えられる。ベターハウス調査部が上海分局に確認したところ、130号文件は施行されているとの回答を得た。
(※2)増資にも商務部の承認が必要になるため、時間的な問題が生じる可能性がある。
お知らせ
中国とベトナムにおける不動産投資マニュアルが完成いたしました。これまで情報が錯綜としていた土地制度、投資スキーム、不動産関連政策など、不動産投資に必須の機関投資家向けノウハウを網羅しております。お問い合わせは下記連絡先まで。
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情報提供:
Whenever CHINA 07年9月号
Whenever CHINA 07年9月号2007/12/21 更新
筆者:安田明宏氏
Stasia Capital調査部主任研究員
Stasia Capital Holding Limited (ステイジア・キャピタル)
[住所] 上海市長楽路801号華爾登広場203室
[電話] 021-5404-6486 / [FAX] 021-5404-5368
[E-mail] yasuda@stasiacapital.com
[URL] http://www.stasiacapital.com
Stasia Capital調査部主任研究員
プロフィール…名古屋大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。インドネシア・スラバヤ国立大学大学院国家教育研究科博士課程留学。専攻は文化人類学。
Stasia Capital Holding Limited (ステイジア・キャピタル)
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