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スポーツマーケット考察:中国サッカー"復活"への道(3)

中国プロリーグのスポンサーによるファン参加型イベントの様子。各クラブの本拠地で行われ、2007年の風物詩だった
2010年ワールドカップ南アフリカ大会出場をかけて、旧正月の大晦日、アジア地区予選が本格的にスタートします。中国では、地元開催の五輪を前に、五輪代表中心の強化を行ってきたため、年齢制限のない代表チームで臨むW杯予選を不安視する声も聞こえてきます。しかし、国内リーグにファンの心が戻りつつあることから、サッカー関係者は、力強いサポートを得られるとの期待を抱いています。

メディア間競争の負の影響
2008年は、中国のプロサッカーリーグ誕生15周年、再編5年に当たります。そんな節目を前に、07年には、観客動員数、テレビ視聴者数などにおいて、再編後最高の数字を記録しました。しかし、まだまだ「最も輝かしい時代」といわれる1990年代後半のレベルには回復していません。本連載の第一回で紹介した「サッカー界のイメージ低下」につながったマイナス要素のほか、「メディア間の負の競争」の影響を受けたことも、背景にあると考えられます。
04年には、中国第二のメディアグループであるSMG(傘下に上海テレビ、ドラゴンテレビなど)が、中国最大メディアのCCTVに変わって国内リーグの放映権を獲得。スポーツ中心の番組構成により、CCTVに対抗しようという意図が強く感じられた時期でした。一方CCTVは、サッカーの中国代表チームや外国リーグの報道は行うものの、国内リーグの試合中継とニュース報道は行わない方針を示し、国内リーグを黙殺したのです。放映権の関係で、試合を中継できないことは当然のことですが、サッカー関連の報道をする際に、国内リーグの内容を意図的に減らす方針が、不自然ながらも06年まで続きました。
国内リーグへの注目度復活?
このような報道環境は、CCTVのスポーツチャンネル(現オリンピックチャンネル)のみにチャンネルを合わせる視聴者が、国内リーグの話題に触れる機会を減少させ、ファンにとっても、サッカー市場全体にとってもマイナス要素でした。しかしCCTVが07年、SMGに次ぐサブブロードキャストとして中継を再開したことで、いびつな環境は改善されます。SMGと他の地方テレビ局、紙媒体、新メディアなどが支えてきた国内リーグ市場に、新たな活力が注入され、07 年の国内リーグが注目を集める環境が整った形です。
CFA(中国サッカー協会)は、07年リーグの延べテレビ視聴者人口は、これまで全く歯の立たなかったイングランド1部リーグをしのぐ数字と表現しています。CCTVの中継再開だけが原因となり、中国人の目が国内リーグへ向いたとは言えませんが、CCTVの影響力の大きさが改めて示された結果といえそうです。
もちろん、不安要素もあります。本稿執筆段階で、07年に冠スポンサーとしてリーグを支えた金威ビールが、プロモーション戦略の転換を理由に撤退を決め、契約満了の一部協賛企業もまだリーグとの交渉を継続中の状況です。
中国のリーグでは、協賛企業との間で単年契約を結んでいるケースが多いことから、シーズン終了後には、たびたび今年と同様のケースが見られます。とはいえ、リーグ関係者と話していても、あせりは感じられません。数社との契約交渉が進んでいると想像できます。
スポーツへの関心を喚起するには、試合の魅力だけでなく、選手のタレント性、運営における娯楽性、メディアにおけるイメージ作りなど、様々な要素を複合的に結びつける必要があります。今の中国サッカー界は、そんな環境作りに向けて、前進し始めた段階にあると言えるでしょう。


前回までの「スポーツマーケット考察」
スポーツマーケット考察:中国サッカー"復活"への道(2)
スポーツマーケット考察:中国サッカー"復活"への道(1)
スポーツマーケット考察:GO! GO! チャイナGOLF(3)
スポーツマーケット考察:GO! GO! チャイナGOLF(2)
スポーツマーケット考察:GO! GO! チャイナGOLF(1)
情報提供: Whenever CHINA 08年2月号
2008/02/26 更新
筆者:坪井信人 氏
プロフィール…静岡県出身。明治学院大学国際学部卒業。出版社勤務後、北京に語学留学。中国国営の出版社を経て、2004年8月にスポーツマーケティング会社オーシャンズ入社。現在、日本部部長として、ジュビロ磐田や読売巨人軍の中国コンサルティング、中国において開催される国際スポーツ大会のスポンサーシップコンサルティングなどを担当。

オーシャンズ・マーケティング(北京欧迅体育文化伝播有限責任公司)

[住所] 北京市朝陽区東三環中路39号 建外SOHO 9号楼702室

[電話] 010-5869-5236 / [FAX] 010-5869-9844

[URL] http://www.oceans-marketing.com
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