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スポーツマーケット考察:中国サッカー"復活"への道(2)

ジュビロ磐田の右近弘社長と山東魯能の康夢君社長がサイン入りボールを交換(提携調印式にて)
CCTVで放映された特別番組「サッカー三国志」には、中国サッカー界が日本と韓国から何を学ぼうとしているかが、詳しく紹介されていました。かつての中国サッカーといえば、日本に選手を供給、Jリーグ誕生前後には日本人選手を引っ張る貴重な戦力として、数多くの中国人選手が日本でプレーしていました。今でもアジアの強豪であることに変わりはありませんが、中国のサッカー人、メディア人は危機感を募らせています。
一人だけのサッカー
FIFA(国際サッカー連盟)の世界ランキングは、日本33位、韓国42位、中国85位(07年11月現在)。1993年当時には拮抗していた日中のランキングが、大きく開いてきています。これは国別代表の実力を知る公式データであり、参考になる程度ですが、協会やリーグの成熟度を測る指標とみなすこともできるでしょう。
日韓サッカーがなぜ強くなったのか。中国に欠けているものは何なのか。「サッカー三国志」10回シリーズに貫かれていたテーマでした。強いリーダーシップを発揮するキーパーソンがいたこと、長期計画に基づいた地道な積み重ねがあったこと、そして、国民性が違うこと。これこそが、日韓、特に日本サッカーを変えた力になったと総括されています。
番組の第1回目のテーマは、「一人だけのサッカー」。主役は、JFA(日本サッカー協会)キャプテン(会長)の川淵三郎氏でした。同氏が、「独裁者」と言われるほどの強い態度で、Jリーグ設立の先頭に立ち、日本サッカーを変える力になったことは、改めて紹介するまでもありません。しかし、一人の力で社会を変えられるはずもなく、「サッカー三国志」では、Jリーグクラブの地域密着型経営、漫画「キャプテン翼」の影響力、サッカーの街・清水の取り組み、プロ化前後の日本でプレーした中国人サッカー選手の談話など、様々な角度から日本のモデルを紹介しています。弊社が番組企画当初から制作に関わったことで、筆者も番組プロデューサーの「中国サッカーに警鐘を鳴らそう」という悲壮なまでの決意と愛情を肌で感じることができました。
ライバルからパートナーへ
アジアのサッカーは、世界的に見れば、まだまだ二流に甘んじています。それだけに、日中韓のサッカー界は長く、欧州や南米から学ぶ姿勢を取ってきました。そんな環境下で03年、アジア3カ国のプロリーグ王者による大会、 A3チャンピオンズカップが生まれました。ライバル国リーグが切磋琢磨し、強いアジアに生まれ変わろう、パートナーになろうと一歩を踏み出した変化です。
クラブレベルでも、類似の動きが起こっています。ジュビロ磐田と中国の山東魯能クラブは06年3月、パートナー提携を結びました。共に国内の強豪クラブであり、「育成こそクラブの礎」という発想を持っていたことから、まずは、ジュニアユースと呼ばれる13歳以下チームの親善試合を実施。具体的なプロジェクトをスタートさせています。日本はテクニック、中国はフィジカルに秀でていると言われますが、この世代でも、そんな特徴ははっきりと現れています。
子どもの世代から他者の持つ優位性を肌で知ること。わずか3時間程度で移動できる距離に、学び合えるお手本があることは、今後の東アジアサッカーの発展にとって、かけがえのない財産です。両クラブではこのほか、クラブの経営・運営情報なども交換。世界に羽ばたくクラブを目指すイメージを共有しています。ちなみに、山東で3年目のシーズンを迎えるジブコヴィッチ選手は、かつてジュビロの黄金時代を支えたミッドフィルダー。
国境を越えた交流の歯車は、ウィン・ウィンの環境作りに向かって動き出しています。



前回までの「スポーツマーケット考察」
スポーツマーケット考察:中国サッカー"復活"への道(1)
スポーツマーケット考察:GO! GO! チャイナGOLF(3)
スポーツマーケット考察:GO! GO! チャイナGOLF(2)
スポーツマーケット考察:GO! GO! チャイナGOLF(1)
情報提供: Whenever CHINA 08年1月号
2008/01/25 更新
筆者:坪井信人 氏
プロフィール…静岡県出身。明治学院大学国際学部卒業。出版社勤務後、北京に語学留学。中国国営の出版社を経て、2004年8月にスポーツマーケティング会社オーシャンズ入社。現在、日本部部長として、ジュビロ磐田や読売巨人軍の中国コンサルティング、中国において開催される国際スポーツ大会のスポンサーシップコンサルティングなどを担当。

オーシャンズ・マーケティング(北京欧迅体育文化伝播有限責任公司)
[住所] 北京市朝陽区東三環中路39号 建外SOHO 9号楼702室
[電話] 010-5869-5236 / [FAX] 010-5869-9844
[URL] http://www.oceans-marketing.com
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